なきむし

れじむん

第1話

わたしは幼い頃からなきむしだ。

仲間外れにされたからとか

靴下の長さが違って不満だったからとか

どうでもいいことでなぜか泣いてしまう。

もはや自分が泣いている理由すらわからないこともある。

しかしわたしは、家の外で泣いたことがほとんどない。家の外に出た瞬間、わたしはわらいむしになる。それはなきむしを誤魔化すためでもあるのかもしれない。

わらいむしはなきむしだ。

わらいむしは強くない。

この短い短い話を読んでくれたみなさんに、わらいむしを泣かせてあげられる人になってほしい。

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なきむし れじむん @iamlettuce

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