ガラクタ
崩れた岩壁
海に殴られたままのその肌に花が咲き
汽水域に落ちたフェンスは
押し寄せては帰る波の中に眠る
砕けたガラスの欠片を探す無邪気な少女
いつもより強い海風が髪を揺らしていた
意味もなく歩く波打ち際
煌めいて見えた破片は
遠い過去のガラクタ
砕けたガラスより鋭利なそれを
波の向こうへ投げ捨てた
海鳥が雲のない空を飛んでいる
僕のことなど知らない風に飛んでいる
気まぐれな波が足を濡らして
そろそろ進むべきだと静かに諭す
そろそろ進むべきか、と静かに吐いて
海風の向こう側へと歩き出す
波間に浮かぶガラクタ
いずれ戻る波打ち際
浮かんでは沈む日々の果て
再び巡り合えたなら
それまでの足跡 波に消して
共に眠ろう この海へ
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