第58話道路敷設したり馬車改造したり(真面目)


 というわけで直線道路を引こう作戦が開始されましたー。

 魔法って土木が一番適してるんですよ、木材をディメ略カッターで折れる方向に切り込み入れてからさっくり切り倒して、土魔法で根っこごと盛り上げてディメ略ブラストで根っこを粉砕。

 粉砕できないくらい大きな根っこは念力で強引に持ち上げる。

 岩も念力ですねー。どれだけ埋まってようがダブル念力とドワーフの土魔法の補助の前では赤子の手を捻るようなもんです。


 魔物もトロールやオーガなんかが出てきたのですが、完全重装フル装備のドワーフ黄金戦士軍団とドワーフ街にいる亜人の混成部隊の前には為す術もなくって感じです。

 ドワーフは小さいのに本当強い。亜人も身体能力が高いので頼りになります。


 この間にブレードと馬車の改良が始まりまして。ブレードはかなりの剛性を持つ工具鋼というやつだそうでして、魔法の品以外ではかなりの上位ランクを持つ鋼だそうです。

 これよりもっと凄い工具鋼もあるんだって。ふーん。


 アメジットはロングソード+1だし私しか剣は作らない。なので結構鋼が余っちゃったので、ドワーフ謹製の、腕と手の動きを阻害しないガントレットを2人分作成してもらいました。

 剛性が凄いからそんじょそこらの剣じゃ剣が負けるそうです。ちょっと怖いけど魔法を阻害しない手首の先を防護する上に盾代わりのものが出来たね。殴れるし。気功パンチ!

 金貨が飛んだけどこれは良いものだと思う。


 馬車は4頭引きくらい大型化したけど車輪に動力をつけて魔導で動かす極めて珍しい馬車になりました。サガットの魔導機関みたいだ。

 アメジットが「無限エンジン付きのトラックみたい」っていっていたけどちょっとよくわからないですね?

 大きさが4頭引き相当なのでリアカーは廃棄。リアカーの寿命短かったな。

 常時魔導を人力で発動させるわけにもいかないので、MPタンクをドワーフ王国『エルドガルド』でつけてほしいとのこと。それはここじゃ作れないのか。


 もう完全にドワーフ馬車になっちゃたな、これ。車輪に『摩擦増加』エンチャントかかっているので、めっちゃ地面をかんで進みますわ、その分速度が出ませんけど、動力を働かせるとぐんぐん進む。

 軽くて丈夫な金属で作り直してもらったとはいえ足回りと基礎車体は全部金属なので、車体重量が1トンを超えちゃったんだけど、2頭引きは相変わらず。

 一応後5トンの余裕がある状態で引けるし、なにより頭数増やすと遠征の時の食料がねえ。ついでに買い換えるお金がない。ヤツメウナドラゴン先生のお金が馬車の方で吹っ飛んだ。

 あとで経験値いっぱい稼いで強くなろうねー。可能ならパーティに入れちゃおうかな。狼とかパーティに入れてる人いるし出来るよね。


 ここの冒険者ギルドに問い合わせたら出来るということでサクッとパーティ加入させました。『レイのお気楽パーティ』の人数が増えたぞ!

 経験値の分配割合はポニー達45私達5。まずは強くなってもらわないと。


 ということで道周辺の魔物も積極的に倒し始めました。まだまだ強いオーガとかヒルジャイアントとかいるので気功剣で切ったり速射砲ラピッドファイアで落としたり、場合によっては念力で絞めコロコロしたりして処理。ヒルジャイアントはドワーフに任せましたが。まだ無理。


 いつもなら慈悲をかけるときもあるけど、今回は道の周辺の魔物の処理というお題目があるので……慈悲はない。謝らない。必要だから。


 ただ、生息地は変えてほしい、勝手すぎるお願いだけど。


 私達の手伝いのおかげで最初の道は10ヶ月で完了しました。一年経っちゃって、23と19歳の旅になってるね。ちなみに私達20時間位毎日働いてたからね。

 アメジットはしんどそうだったけど。スキルのLv9までだもんなあ。限界突破のアイテム早く見つかると良いね。

 私は疲労体制と睡眠耐性が10になって、上級化+合体しました。寝だめと疲れの後回しが出来るみたい。スタミナも上がったなあ。無属性のスキルも上がった。

 何でも努力努力。


 割と久しぶりに見るサカキは、亜人が増えてました。サンクチュバリヌスは亜人を迫害する傾向にあるので、移民となってサカキに移住してきたのでしょう。サカキは仕事いっぱいあるからねえ。


 というかですね、亜人はなにかに特化すれば本当素晴らしい能力を発揮するのですよ。

 私なら交易冒険探検旅、フェネックはモデルや受付に商売人、犬亜人は警察官や武人、

 リザードマンは土木作業と超速度による騎兵殺しそして近衛兵、狼は強烈な忠誠と、戦場における冷静な判断力、たまに凄い性欲。熊は意外とお菓子作りが上手いです、雑貨屋経営もしますが。


 こういうのを迫害しちゃあもったいないですよ。確かにトゥルーヒューマンは何でもそつなくこなせますが……


 おっと話が暗くなった。さ、まだまだオンボロな宮殿にて調印式をいたしましょう。街と国が調印するって極めて珍しいけど、都市国家なんてものもあるから今後増えていくかもしれないかな?


 つつがなく調印式が終わりまして、ドワーフの鍛冶屋さんが数名派遣されることになりました。これで鍛冶のレベルが上がるわー。共同研究もうまくいくかなー。

 まだ最初の道だけどもう交易が始まるって言うから楽しみだね!


 さって、一旦戻ってきたし採取してダンジョン行って魔石取ったりしてきますか!お金すっからかんだからね。


「そういえばレイ様、魔石って何に使われるんですか?」


「あれ、大学で学ばなかった?魔導機関を動かすための燃料だよん。内部に魔力とMPが入ってるからね。アメジットにも知らないことあるんだねえニヤニヤ」


「むう。なるほど、じゃあドワーフ馬車に利用できませんかね?」


「……出来るかも!サガットにならMPタンクに似たようなものあるでしょう、魔導機関使ってるんだし。互換性ないか調べもらおー」


 飛行船に乗りたかったけど、お金集めている最中なので下道を魔導動力を使って飛ばしてサガットへ。こういうのは魔導工房ギルドに直接話したほうがいいかな。


「ほーこれがドワーフ馬車か、良く出来てる。それで、前後の車輪のこことここにMPタンクが入らねえかってことか」


「まさしく。どうにか出来ませんかね」


「こんなのいくらでも調整して合わせられるぞ、材料はそうだな、セントリーガンくらいのやつが良いな。タンクを破壊せずもってこいよ」


「わっかりやしたー!」


 というわけでトコトコ遺跡に二人だけで猛ダッシュ移動。1日かからず着きました。

 ガンガン内部に進んであえて罠にひっかかり、セントリーガンを誘導。まあすぐに出現はしませんでしたが何度か罠を踏んでいるうちに現れたので、念力で雁字搦めにして、後ろからアメジットの気功パンチの一撃。

 サクッと機能停止したので装甲を引っ剥がしてタンクとコアなどを確保、金属も忘れずに回収。

 ついでに罠にかかった家屋の内部の物色をして綺麗なリングを発見。やったぜベイビー!!

 それから数体念の為に倒して回収。その時引っかかった罠の家屋の内部には、鑑定が必要なアイテムは見つかりませんでした。



 いやーセントリーガンがこんなに楽に倒せるなんて、強くなったなあ。トコトコは1年目かな?いま7年目だもんね。



 サガットに帰ってまずは鑑定。うーん、おにーさんがポールダンス踊ってもなあ……


「ふう、これは隠蔽の指輪だね、カード情報を隠蔽して工作できるんだ。高貴な人のお忍び旅行にぴったりだね」


「私かアメジットか……」


「私隠蔽使えますのでレイ様どうぞ」


「ありがとーアメジット大好き」


「(鼻血ブワァ)」


 それから工房にいき、材料を提供。加工代金は拾ってきた金属とコアで賄ってくれるそうです。


 意外と加工は簡単に終わり、数日後には工房へ。


「加工したぜ、これで魔石をすりつぶしてタンクに詰めれば燃料になる。ざっくり馬車の構造を見たが、通常は後ろ側の動力だけを動かしていれば十分な加速が得られると思うぜ。」


「積載の関係ですね」


「おう、背が長い方はわかってんじゃねえか、そういうこった。」


「なにいってるのおふたりとも?」


「前に乗るレイ様は軽いってことです」


「へ??」


 この後無事にサカキに戻り、ダンジョンで魔石を稼いでから次のプランを練るのでした。

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