第57話ドワーフが現れた!!




 馬車は走るよゴットンゴトン


 いやー西にも一応村があるので道があるっちゃあるんですが、整備されてないのでガッタガタですよ。踏み固めた道ですね。

 魔導馬車はものともしませんけど、リアカーはサスペンションとかついてない普通の大型リアカーなので揺れる揺れる。

 バランス感覚鍛えるためにもこちらに乗っているんですが、先に酔うなこれ。

 ちなみに小型干し草ロールが1つ、といっても約200kgですが、それが乗っています。それでも余裕で走るんだからリアカーは強い。

 もっと小さい100kgロールが馬車に乗っていますよー。1日2頭で10kgと粗食で悪いけど、それでも1ヶ月は持たせるようにしたよ。水は無限の水筒でオッケー。後アメジット。


 村を何カ所か過ぎて、道がほっそくなった辺りで魔物が急激に増えたんよ。外にいる魔物ってあんまり美味しくないので速射砲ラピッドファイアの練習台にしたわ。

 動物と魔物の中間辺りは美味しいんだけどねえ。採掘してるときに怯えていたダイアウルフさんも、今の私たちだと余裕だわ。成長してますなー。


 道がうねり始めて、デコボコしてきてさすがにリアカーが進みにくくなってきたので、念力サイコキネシスを使って引っ張り上げ。

 この念力って私の体重とかどうかとか無視して、純水な力場が発生するのでなんにでも使えるけど、強度や押し引きする強さは魔力と魔力操作が全てなんだよね。ぬおおおおおお。


 アメジットも祠でイメージを覚えていたから使えるので、交代しながらやりました。MP無い状態で不意打ち食らったら、さすがに危ない。


 何日かぬおおぬおおしていた所でドワーフの兵士さんを発見!もうすぐつく!


「こんにちは-ドワーフさーん!」


「おう狐、お前ドワーフの血が入ってるんだろ。そっちの美人さんはエルフって所か?」


「帰っていい?」


「まあ待てまあ待て、その馬車で帰るんじゃ難がありすぎだろ。どうみてもドワーフの街に来たんだろよ?ちょっと仲間呼んでくるからそこで待ってな」


 そういうと、見掛けによらずすばしっこい走りで道の奥に行ってしまいました。お言葉に甘えてちょっと待つか。


 30分ほどまってたらドワーフ20人々くらい来たんですけど!!


「凄い数ですね!」


「おう見ろ、ドワーフの血が入ってるやつだ!」


「やっぱ帰るわ」


「待て待て待て、今全員で押してやるからまあ寄っていけよ」


 ということで10人交代で街まで押していってくれました。ドワーフ、気さくな種属。



「ありがとうございます!おかげさまで無事たどり着きました!ささやかですけどお礼をしたいのですが、何がよろしいですか?」


「そりゃー決まってんだろよ!」


「「「エールとドワーフの火酒だ!!」」」


 というわけで宴会が始まりました。


「っくー、ここのエールは度数が高いっ!」


「レイ様飲み過ぎないでくださいね。っぷっはー、久しぶりのお酒だー!」


 アメジットにお酒飲ましたことあったけかなあ……


「おーれたちゃどわーふせいぞうのー」


「かーみさまついてるどんどんつくれー」


 ドワーフはもう自分たちの世界に入ってるね……


 数時間後


「わーてんですかーれいしゃまー、だいたいですねーわーしのあいはでしゅねー」


「どーわーふどわーふなんでもつくるー」


「ほいほいほい」


「きつねそろそろげんかいでひゅ」


 ぐっでんぐでんになってました。


 翌日


「んー飲み過ぎた頭痛い。アメジットー?」


「……ぶぇぁ」


「しんでる。まあ毒耐性がすぐに作られるっしょ。どわーふさんは……」


「まーだまだのめるぞほいほいほい」


「たーるごともってこいほいほいほい」


「まだやるか……」


 とりあえずここまでーということにして清算。5サガット金貨も支払ったんですけど!?


「あー飲んだ呑んだ、んで、お前ら何が目的でここに来たんだ?」


「目的は特にないんですけど、このブレードをどうにか出来ないかなっていうのと、ここに来るまでに痛感したんですけど馬車の改良が出来ないかなと」


「あーん?目的も無しに旅してるのか?それじゃー人生もったいねえ、なにか目的もって行動しろよ。ドワーフだって目的もって都会に行くんだぜ?」


「うーん、じゃあサカキのためにドワーフの鍛冶職人を何名か派遣できないかな。というかサカキと友好関係になれないでしょうか。まっすぐ北東に進めば馬車で1ヶ月でサカキなんですよ。道無いっすけど」


「そういうのは親方に聞いてくれドワーフ」


「そろそろ殴っていいかな?」


 善は急げという事で親方と面会。別に普通の服で良いそうなので私服で会ってるよん。親方はひげもじゃで筋肉もりもり、まさにドワーフって感じ。


「かくかく」


「しかじか。なるほどサカキなら最先端技術とふれあうことが出来るのか。そいつぁーおもしれーな。おし、道を敷設して交易しよう。

 そのブレードはまず研究させてくれ、なんの金属が入ってるか調べねえと迂闊に溶かせねえからな。うまくいきゃー良い感じの剣が作れると思うぜ。さすがに金は取るがな、がはは」


 き、気軽に敷設とか言うなあ。ここは冒険者ギルドがある街なので、サカキの首都サカキングダムの冒険者ギルドと、ここの冒険者ギルド間の直線距離を取れば真っ直ぐな道が作れるそうです。

 冒険者ギルド便利すぎる。連絡網を使って位置情報特定GPSスクロールをしようしてうんたらかんたらだそうです。

 私が理解できるわけない。知識Lv9だけどさ。


「親方、どれくらいの期間で出来るんですか?」


「最初の道は1年以内で終わらせる。スクロールにも有効期限があるからな。木を切り倒して根っこを掘り起こし、道を踏みならして最初の道を作るんだ。そうすれば直線道路が出来るだろ、その後に砂利撒いて硬いレンガ敷いてってやると5年から10年だな」


「早いような長いような。じゃあ私たちは木の伐採と根っこの処理、そして魔物の処理を行いますね。サカキ側からもそれはやらせます。施設はお願いします、技術レベルが違いすぎると思うので」


「おう、任せなドワーフ」


「もうやだこの街」

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