第56話ほぼ会話文。お見苦しくて申し訳ない
「ドワーフ王国、もしくは街ですか……」
「近くに無いもんですかね。『エルドガルド』はさすがに知ってますが」
「うーん、ドワーフは結束が強いので1カ所に固まることが多く、知っている国はそこだけですね。冒険者ギルド一覧にあるのは……南西に1ヶ月ほど馬車で進めば冒険者ギルドがあるドワーフの町があるようです。道らしい道はありませんが」
「むう、それは厳しいですね。水はともかく、干し草の供給が出来ないかもしれない。それに馬車が進むかどうか……」
「魔導馬車手放しちゃえば話は変わりますけどねえ。手放したお金でもう一つ異次元収納袋買うんですよ。1日5kgの粗食に耐えられるから、30日300kgの干し草と周辺に生えている草を食べさせればなんとかなります」
「んーーアメジットの案もいいけど、魔導馬車手放すのはなあ。ブキョーとの関係もあるし。あれ今となっては有効の印だからね」
「馬車の進める速度や距離も加味しないといけませんね。馬車は時速10kmほどで走れますし、それで6時間移動して60km。徒歩だと頑張っても35kmくらいしか移動できません。まあお二人なら12時間は歩けると思いますので70kmは歩けると思いますが……それだけ歩くと途中で靴がボロボロになりますね」
「1日50km移動したとして、約1500km先に街が見えるわけですね、大きい星ですねえこの星は。(東京札幌間を往復して余るくらいかな、多分)」
「ドワーフの発展度によっては帰れない場合もあるね。直線はやめよう。経由していけるコースはない?」
「それですと、まず南の国境まで進んで、国境を渡って2つ先の街、そこから西に進めばたどり着けるとギルドの地上連絡網には書いてありますね。3ヶ月かかります」
「ん、そのコースがあるなら直線で行ってそのコースで帰ってくればいいんじゃない?」
「なぜレイ様は危険な橋を渡ろうとするのか。馬車の補修材料も考えてくださいよ、魔導馬車はそう簡単には補修効きませんからね、事前に購入しておかないと。私が魔導錬金で補修するにしても、材料が必要です」
「ブキョーに戻らんと駄目か。オーブのブロックが上がったって聞いてるから取りに行こうとは思ってたけど……しかしこれから先も使うとするなら補修品消耗品は無いと駄目だ。馬車は有効の証でわざと使うってことにして、一度戻って補修品にオーブコア、それに靴とか下着、洋服等々超超遠征に耐えられる準備をしよう。」
~~もろもろ準備中~~
あすへりゅはへあはあかあああええ
「くぱー」
おああああおえておおあうゆええあ
~~準備完了~~
「こんなもんかな」
「これでいけるでしょう。しかし馬車の後ろに大型リアカーくっつけるってよく考えましたね。リアカーは補修簡単ですしどこの鍛冶屋でも直せますから使い倒せます。重いのはこちらに積むんですね」
「きつねの機知ってやつですよ、本気になればこれくらい出来るんですよ。ふふっふふふ」
「リアカーのブレーキはレイ様のサイコキネシスで賄うと。無理のない構造です」
「え、私何かするの」
「リアカーは上り坂下り坂に弱いんですよ、なのでブレーキしたり引っ張り上げる人が必要になるんです、勿論そこまでお考えになっての行動でしょう?」
「う、うむ!わたしががんばるのだ、うはははは、ははは……」
ま、ブレーキはともかく引っ張るのは全備重量2トンくらいに対して6トンは引っ張れる馬力があるので大丈夫でしょう、多分。
じゃあしゅっぱーつ!直線ルートは熟慮の結果、
未開拓地にいる巨大モンスターの巣などを刺激する恐れがあると言うことで冒険者ギルドに止められて、
南から迂回するコースを取りました。
国境まで経由した街は小さい街で3つかな。道は粗めですが早馬が駆け抜けるスペースは整備されていてさすが国境沿いだなって感じがしました。
サガットだし通信機あると思いますけどね、とはアメジットの言い分。
ブキョーと比べるとサガットは道の整備がきっちりしていたなあって思いましたねー我が国も見習わなくては。
国境通り過ぎるときに問題が。サカキの君主ってカードに書いてあるので冒険者ギルドに入国管理人が問い合わせたら事実と分かってしまい、急遽南の国『リュウケン』を表敬訪問することに。
あばばばばばリアカー引いてる馬車で来ちゃったぞあばばばばば
南に2街の予定が6街も進んで王城へご挨拶。面倒くさーい。リアカーは2街目で積み替えをして、宿屋に保管を頼んでおきました。
「ええ、諸国見聞のためにごくわずかな従者だけを伴って旅をしているんですの。正体がばれてしまっては旅も何もないですから」
「ほっほっほ、それはそれは、田舎の国は大変ですなあ」
「(おおん?)そうですね、ですからサガットとブキョーとの友好関係を結ぶのには……ちょっとしか苦労しませんでしたわ。国と国では大国と小国ですが、どちらもワタクシに恩がございまして。ほほほ」
「それはそれは……小国は大国にくっつかないと生き残れませんからなあ、はっはっは」
「(ぐぬぬぬぬぬ)ええ、我が国と国交及び外交関係を結んだ国は、我が国の豊富な遺跡を使って研究開発が出来まして。共同研究も盛んです、サガットなんかブキョーと組んで魔導銃の改良に成功しておりますよ。こういうのをしないと生き残れませんので。」
「ま、魔導銃がなくても我らには魔法がある!」
「(きたか?)落ち着いてください、サガットとは険悪な関係ではないのでしょう?魔法……魔法と言えばサガットの魔法無効化魔導具をブキョーが改良したとか。さすがに見せてはくれませんでしたけれども。その代わりブキョーの映画撮影班が先の戦闘を撮影していたのでご覧になりますか?私の切り札リザードマン部隊の有志もご覧になれますわよ。あのサンクチュバリヌスのカタクラフトが壊滅した戦闘です」
言うが早いが映画を見せると、真っ青な顔に。あるぇー?おかしぃなー?(めいたんていふう)
「いかが致しました?顔色が…… あ、もうそろそろお時間ですわね。ワタクシはこの国を西へ通過してドワーフの街に行こうと思っているのですの、よろしくお願いしますね」
ということで表敬訪問は終了。
「どや」
「どやじゃないでしょう。話だけ聞くと脅しまくったみたいですね、この国と友好関係は結べないんじゃないでしょうか。まあ、あんまり魅力の無い国ではありますが。交易は面白そうですね、南だけあって普通の品ではないものが手に入りますよ。岩塩も取れるそうです」
「そりゃあいい、最低限の友好協定と交易協定だけ結ぼう。冒険者ギルドに依頼を出せば後は国の者がやってくれるはず。一瞬で連絡がつく冒険者ギルド通信網は便利だなあ」
依頼を出したらさっさと2つ目の街に戻って西に進みましたとさ。さすがに道が粗くなってきてるなあ。
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