第49話パイルパンカー!!



「それで、アメジット、この『バヌアツの泉』はどういう遺跡だったのかい?」


「うーん読める文字列がないのでなんとも。しかしきれいな泉ですね。」


「実はここで洗礼を受けてから王位継承することになっていた由緒ある遺跡だったのだ。今は略奪されて見る影もないねー」


「ひどい話です。洗礼を受けるとなにか変わるんですか?」


「人によるけど、成長率が上がったり神様と交信できるようになったり?」


「神って、何教の神様なんですか?」


「ん?作者教しかないじゃんこの世には。お狐さまみたいな個別な神様はいるけど」


「安直」


「そう?アメジットは何でも疑うねえ。どーれ、ちょっと湧き出す泉の水を飲んでみようか。湧いて出てる部分なら飲めるんだよ。」


 二人してゴクゴク。


 ぽわわーん


《こゃーんこゃーん》


 こ、この気配は!五体投地、ぶくぶくぶく。泉の水で溺れるわ!お祈りする体勢に。


「こゃーこゃこゃーこゃー」


《はぁーんレイちゃんかわいいーーー!!すりすりすりすり》


「こゃっ!?」


《ぶっちゃけ狐になる前より綺麗よねえすりすりすりすり》


「こゃーん」


《いつまでも見守ってるからね。はい、これお土産の念力サイコキネシスの考え方。最終的には見えるくらい強力にして魔力の紐にまで昇華させるのよ。体に巻き付ければ命綱、体を覆えば超強力な防護鎧、殴ればメガトンパンチになるくらいに!》


 ぽわわわーん


「おかーさ…… 母上、かな……」


「へんしゅーちょーー!!」なみだじょばじょば



「どうやらこの泉は大切な人を呼び出してくれる効果を持っているんだね。流石に知らなかったよ」


「ぐすん、久しぶりに思い出してしまいました。私はこっちで逞しく生きていくんです、レイ様と」


「私とだとあんまり逞しくないような」


「それが人生なんです。」


「何でも出来るのになあ」


「レイ様とだから何でも出来るんですよっ。」


 ふーん、じゃあ念力でこしょこしょしてみましょう(唐突)こしょこしょ。


「きゃあああ!なにかしましたねレイ様!せっかくの雰囲気が台無しじゃないですか!」


「こしょこしょこしょこしょ。これは面白い」


「あはははくすぐったい止めてくださいあはははははやめろバカ狐!」


「ぴゃー。」


 アメジットが元気になったのでバヌアツの泉はおしまい。次の遺跡行ってみましょう。




「ここはどういうところなんですか?何かの施設みたいな感じですが」


「久しぶりに魔導機械が出てくる所。保管庫らしいけど何が保管されているかは不明なんだよね」


「防御重視で行きましょう。」


 特に罠があるわけでもないのでスタスタすすみ、ガーディアンとご対面。ゴーレムってやつですね。


「さて天才アメジットくん、倒し方を教授してくれたまえ」


「知らないでここまで来たんですかー!?あ、攻撃が来ます!撃ってくるみたいですよ!」


「バリア!ふう、なんとか凌いだね。それでどうするの?」


「レイ様って本当はお馬鹿なのでは。足を狙いましょう、2足歩行の弱点は常に足です。全身金属みたいなので、冷気を熱を繰り返し当てて金属疲労でぶち壊します!」


 ということで灼熱オーブとアイスクラウドを連続で当て続ける作戦で勝負。


 ゴーレムって言いますけど結構動きが素早いのでアメジットが何発か打撃もらって吐いてましたが、その都度私が拾って離れて、アメジットの回復魔法で回復。

 アメジットはトゥルーヒューマンなので私ほど動きがすばやくないことを失念していた。


「あ、足が崩れたよ」


「い、っきに、こ、こあを、は、か、い……」


「わかった!とあああああ!空間圧縮杭打機ディメンションコンプレクスパイルパンカー!」


 っどーん!アメジットにイメージを教えてもらった、破壊力抜群の杭打機を乱射!何度目かで頭部にあったコアを破壊!ゴーレムは機能停止!



 勝った!



「じゃない、です、ポーション、のま、して……」


 大急ぎでアメジットを介抱。チャクラをさせて流れを整えました。


 1時間怒られた☆


「がみがみがみがみ、私はお狐じゃないんですよ!!がみがみがみがみ」


「反省しております、DOGEZA」


「ど、土下座知ってるんですか?」


「サカキの国の、伝統的に一番謝ってることを示す行為だよ、アメジットこそ知ってるの?」


「……初めて知りました。わかりました、後一時間怒ったら許します」


「びゃああああ。」




 たっぷり絞られてしっぽがしょんぼりしたところで奥に進みます。奥には……


 鎧と杖と肩掛けのバックみたいな袋が置かれてました。ふーん?


「どっちが鑑定スクロール使う?」


「どう考えてもレイ様でしょう、私レイ様のせいで死にかけたんですよ」


「うっ……。」


 おきつねこんこん、こぎつねこんこん、がおーがおー!


 あっちむいてふぉっくす!こっちむいてふぉっくす!


 くるくるまわってしっぽをぴーん!みみをぴーん!


 おきつねこんこん……


「ごうもんにちかい」


「うっとり。それでどういう効果なんですか」


「鎧はグラス鋼製のシールド+2がかかっている胸甲鎧だね。1枚鎧なんであんまり音が出ないみたい。杖は魔力増幅+2だって。スキルLv+2相当の魔法が出る。袋は肩掛けバック異次元収納1000L250kgだわ。でたわ」


「鎧はグラス鋼性といえども重いですね。重い鎧はどちらも使わないとして、杖は私が、袋はレイ様が使う感じでしょうか。凄いのでましたね、さすが保管庫。あ、袋がそれだけ入るならできるだけゴーレムの金属持ち帰りましょう、売れますよね。」


 というわけで、バルーア魔法の品買い取りギルドで鎧を250金貨で売り払って、金属を50金貨で合わせて300金貨ゲットしました。

 序盤の10金貨で喜んでたのが嘘のようだわ。

 サガット行くから600金貨相当か、無限の水差し買えるな。水は減らせるだけ減らせると良いからねえ。1L1kgだし嵩張るし。



 ――――――――――――――――――――――――

 装備 レイ


 E古代のバトルスーツ

 Eレアバイソブー革で補強されたブリガンティン防具一式

 Eエルブンショートソード(筋肉の彫刻あり)

 リュックサック(30L、ぶら下げられる部位いっぱい)

 マジックベルトポーチ(小さいベルトポーチ、肩掛けにしている。空間拡張、小さいポーチの中に中身25Lの空間が入ってる)

 マジックヒップポーチ(小さいヒップポーチ、空間拡張、同上中身40L、)

 マジック肩掛けポシェット(一般的サイズのポシェット、空間拡張、同上中身40L、入れたものの見かけの重量半分)

 異次元肩掛けバック (異次元収納 中身1000L重量制限250kg、重量常に500g、時の早さ1/3、バックパックに隠してる)

 ポーション、小銭などが入ったベルトポーチ群

 晩餐会に行ける絹のマキシワンピース(レイのもの)

 高級なワンピース(レイのもの)

 宝石付アクセサリー(レイのもの)

 質の良い野営装備

 冒険装備一式

 折りたためる3M20cmの棒

 止め刺し用ナイフ

 大型マチェット

 各種ナイフ

 レイの私物いっぱい


 ポニーのパール君ライト君と4輪カートの軽量2頭立て魔導馬車



 装備 アメジット


 E希薄のクローク

 E古代のサイクリングスーツ

 Eレアバイソブー革で補強されたブリガンティン防具一式

 Eロングソード+1

 Eエルブン槍

 晩餐会に行ける絹のマキシワンピース(アメジットのもの)

 旅人のバックパック(両側に30L袋2つ、中央に150L袋1つ、異次元空間収納)

 ポーション、小銭などが入ったベルトポーチ群

 冒険装備一式

 各種ナイフ


 ――――――――――――――――――――――――


 バック手にいれたことによって私物全部持たされた。うっうっ。


 最近アメジットが怖いです。

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