第38話書く阿呆に読む阿呆、同じ阿呆なら書かなきゃソンソン!


「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!」


 阿波踊りというダンスだそうです。女性がこういうダンスをするのはちょっと見ごたえがありますねー。


 ここはギルド紹介のブキョー語の鑑定屋なんだけど、鑑定屋なのになぜか行列ができてる。


 おねーさん綺麗だもんね、それが踊るんだからブキョー語話せる人なら誰もここに来るわ。


 私もこれからここだわ。私も可愛い子が好きな阿呆なのだ。踊らにゃソンソン!!


「ふぅ。これは『空間拡張されたポシェット』ね。ポシェットだから入口は狭いけど中は結構大きいわよ、40L位あるかな。入れた物体の見かけの重量は半分くらいになるわね。袋の耐荷重量は50kgくらいだから衝撃や入れすぎには気をつけてね。」


「3層の宝箱でこれとかアメジット持ってるねー運持ってるよ」


「やりました!」


「それでこのリュックサックは『旅人のバックパック』ね。久しぶりの大物だわ。『空間拡張じゃなくて異次元収納』なのよ。両側の袋にはそれぞれ30L重さ5kgまでの品物が入れられるわ。そして真ん中の袋には150L30kgが入る。他の収納場所は何もかかってないわ、普通ね。どれだけ中身が重くなっても最大3kgまでの重さにしかならないわ。取り出した時の状態は割と良い、ね。剣なら柄の何処かを持って出てくる、そんなレベルよ。もっと品の良いものもあるけど、これでも金貨500枚を大きく超えるものだわね。」


「や、やってしまった……」


「頑張ったかいがありましたねレイ様!」


 はい、緊急作戦会議を開催しまーす。ギルド酒場行きますよー。




「え!私がこのバクッパクを持つのですか!?」


「バックパックね。私は積載強化を持ってるし意外と重いものを持てるのよ。そのまま動き回ることも出来る。だから今の所ポシェットの追加で十分。」


「でも私がこんなものを持つのはちょっと。」


 アメジットは少々渋りましたが、荷物持ちってことで納得してくれました。させました。


 私が背負うにはちょっと大きすぎるってのもあったけどね。もっと物が良いと体にフィットするように自動伸縮するんだけどねー残念。


 アメジットは前線キャラなので、戦闘のたびに一々リュックサックを外したり背負ったりするのが少々面倒なのです。


 あのバックパックなら重くて3kg、積載強化Lv1でも覚えればすぐに気にならなくなるでしょう、そのまま戦えることになるってわけです。最近の私はオーブ中心なので中衛って感じですしおすし。


 冒険装備は双方持つものだから移し替えなかったけど、野営装備やらなにやら、かさばるものは大体バックパックに入れ直しました。


 ひゃっほーこれで少しはかさばらなくなるぜ。物は持てるけどかさばるのはどうしようもないからね。




「そういえばアメジットって誕生日いつなの?」


「日にちは覚えてないですけど、種を植える時期だったので5月くらいだと思います!」


「アバウトな地域で生まれ育ったのね。じゃあそろそろカード作れるかな。普通の人はきっちり16じゃなくても良かった気がするんだよね。」


 冒険者ギルドに行ってカードの申請。作れました。えーと


 ―――――――――――――――――――――

 アメジット 神に祝福されし娘


 Lv16

 HP600

 MP400

 STR320

 DEX400

 VIT280

 INT360

 WIL600

 CHA200

(いずれも潜在能力)


 スキル

 超幸運 オールスキル 超成長 神の加護

 ――――――――――――――――――――――――


 あ、ヤバイやつきた、ギフテッドだ。神からGIFTを貰った人。


「こ、こ、これは……勇者!」


「ギルド員さん声が大きい。ちょっとコンシュルジュ呼んできて」


 しまったなー勇者って言葉が大きかったから少しざわついてる。みんなおおおおおお落ち着くんだ。


 コンシュルジュが来て状況を把握したら、2階の小部屋に通してくれました。


「秘匿できますよね」


「ええ、それはもちろん。そして以後この個室をお使いください。専用室とさせていただきます」


「それはそれで目立つ気が……」


「通常口ではないところから入れますので。えー、我々は秘匿できますが、市井の方の口までは範囲が及ばないことをご了承ください。」


 ですよねー。


「レイ様、私の能力って隠す必要があるのですか?」


「うん、この国は勇者伝説があるからね。勇者と認定されるとめんどくせーことになるんだよ。少数の仲間だけで魔王討伐とかさせられるよ。魔王なんて存在しないのにね。あと隣国との戦争でまっさきに突撃させられたりとか」


「レイ様詳しい」


「ガイドブック様様です。」


 まあでも、直近の旅の目的が出てきましたね。


 ギフテッドのアメジットを周りに振り回されない女性にさせる。自立させる。


 そうと決まればさっさとやりましょう。罠がランダム配置されているので人気がない『そんなバハマダンジョン』に狙いを定め、魔物 (ガーゴイル、オルク、ハインドウルフ、が出てきました)を狩る狩る狩る。狩りまくる。キリングマシーンや!


 ここ及び街での生活資金はほぼ魔石から。このダンジョン、宝箱は存在しないけど敵が結構強くて魔石も大きめ。


 そこに私が魔石を取得すれば、ワンランク上の魔石に変化するので結構高く売れる。半分はアメジットに拾わせてるよ、超成長ですごい勢いでスキルが伸びてるはず。


 はずっていうのはオールスキルはほとんどすべてのスキルを内包しているんだけど、個別のスキルを見ることが出来ないからどうなっているのかわからないのです。


 他者と比較すれば大体のLvがわかるみたいだけどね。この街で担当になったコンシュルジュのケンさんがが言ってた。さすが冒険者ギルドやな。



 採取も狩猟もはたまた編み物に料理も、生活魔法から全属性魔法まで、とにかく何でもやらせます。


 ダンジョン馬鹿、討伐馬鹿にだけはなってほしくない。


 生きる力を身につけてほしいです。よし、まずは一度ブキョーに戻って勉学もやらせよう、農民出身だからね。

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