第37話ハバナダンジョン
アメジットがいるので最初は初心者向けのダンジョン「ハバナダンジョン」に行くことにしました。
地図は数カ国後で作られていて、私達はブキョー語のを購入。こういう所国際都市だよねここ。なんでもっと全面に押していかないのか。
ここって本当国際都市でして、別にサンクチュバリヌス語が話せなくても大丈夫です。別の言語で同じことを誰かが行っているので。
この街は集まってできてしまった5つものダンジョンを内包した都市で、なにかあったら門を封鎖して都市の中に魔物を封じ込めるように出来ています。
そしてこの近くに3つダンジョンがある。10のダンジョンに囲まれた、まさにダンジョン都市。
レア物も結構産出するので世界から冒険者が集まっている形となってますね。冒険者ギルドもめっちゃ大きいです。ブキョーの20万都市スンケイより大きいとは。人口は3万程度、ギルドの受付がそう言ってた。
世界から冒険者が集まるので、熟練○○くらいはザラに居ます。なので、私でも普通の受付です。もっと上位にならなければコンシュルジュにはならないでしょう。
受付も世界各国語で揃っていて、私はサガット語で受付してもらいました。アメジットはブキョー語ですね。
そういえば世界標準語の受付もあるのですが、いわゆるお貴族様のご子息様が並んでますね。お貴族様が並ぶとか強いな、冒険者ギルド。
せっかくなので冷やかしに行きましょう。
私はズカズカと歩いて世界標準語の列に並びました。依頼はー……従士を育てるためのダンジョンを探しているで十分か。依頼というより相談ダネ。
「おい、あいつ、ここに、ならんぶ、あほ」
「やめなさ、身の程をし無いのよ」
「s場所街がてる、いわなの?」
「どう、わからな、ほっとけ」
「綺麗狐、捕まて、奴隷したい。」
まあ勉強中なんだろうからカタコトはしょうがないか。しかし貴族な割には見下しますね、貴族なのに。青い血は流れていないのでしょうか。まあ冷やかす私も私ですが。
着々と順番が過ぎて私の番に。周囲ではお貴族様がニヤニヤしていますね。
「こんにちは、従士の育成をしたくてここを訪れたのですが、どこがよろしいのでしょうか。ハバナダンジョンが良いと聞いたことはあるのですが、難易度がわからなくて」
「は、はい!流暢すぎて何を言っているのか。えっと、分かる人を呼んできます。」
周囲のお貴族様ポッカーン。あ、これ気持ち良い。貴族の気持ちがちょっとわかった気がします。
「おい、あいう、凄い……」
「まじか」
「奴隷したい。」
なんか奴隷奴隷うるさい人が近づいてきて
「おんであ、でぐすた、どるあ、なぬ」
あー興奮してサンクチュバリヌス語が出ちゃってますね。
「世界、標準語で、おk」
ゆっくり話しかけてあげました。すると顔真っ赤にして怒り出しました。
おおん?せっかくこっちがゆっくり喋っているというのに。
「おぬ、まとろ!こなに、ままれろ!」
まとろっていうのはこのごつい従者かな?サガット人っぽいな。じゃあ……
「ここは冒険者ギルドだ!ふざけたことするんじゃないよ!」
サガット語で威圧。マトロマジびっくりしてポカーンとなってますね。
普通世界標準語以外の言語、自国語とか、喋れるでしょ常識的に考えて。
ここで流暢な世界標準語を喋る受付の人がやってきてサンクチュバリヌス語で貴族を威圧したっぽくて、この場は収まりました。うひひ。
まあ私も怒られたけど。
ちなみにダンジョンはやっぱりハバナダンジョンが良いそうです。罠も簡単だし宝箱部屋もある。
BOSSはモンキーで素早いけどLv20の私が居れば15歳でも倒せないことはないそうです。
お貴族様がよく行くのでそれだけは注意とのこと。まあ本気でダンジョン攻略にお貴族様が行くわけもなく、体験学習だから初心者ダンジョンにはお貴族様とかいそうだよね。
善は急げ、いざ行かん……というわけでもなく、アメジットに乗馬訓練や語学の基礎勉強をしてもらいために2日ほど待ってから突入。その間にポーション毒消し気付け薬、煙幕玉の準備しといた!
「えーと、ハバナダンジョンは5層に分かれていて、どのフロアも基本的に大きく、階段を降りる際に敵が出ない休憩部屋が存在するという、非常に簡単なダンジョンです。敵はダンジョンゴブリンとダンジョンコボルト。BOSSはモンキー。だってさ」
「腕がなります!」
「罠解除も練習しようね、地図に罠の場所書いてあるから」
「はい!」
1層は人が混みすぎていたのでさっさと2層へ。まだ人がいるなあ。でも一度戦闘しないと奥深くに進むのはリスクが有る。
人がいないフロアを虱潰しに探してゴブリンが2匹だけいるフロアを見つけました。まあまあ大きいフロアだし狭くて機動が取れないってことはないか。
「いたいた、じゃあアメジット頑張ってやってみよう。」
いきなり1対2ですが、危なければオーブでコロコロ出来ますし、1人だとよく複数相手の戦闘するし慣れてもらうか。
アメジット才能あるね。まずボウガンで1匹負傷させた後槍で牽制。ガンガン動いて横や死角、ガードできない箇所を取ったら即座に刺す、これの繰り返しで難なくゴブリン2匹を撃破。
「レイ様!やりましたよ!」
「私より才能あるんじゃないかな…… 。」
こりゃ余裕だということで蹴散らしながら進み、3層前の休憩所で休むことにしました。
「お疲れだよアメジット、水出すからチョット待っていて。クリエイト・ウォーター!」
「ありがとうございます。ごくごく、美味しいです。レイ様無属性しか使えないと言う割には生活魔法を使いこなしてますよね」
「私にはそれしか無いからね。アメジットは何が使えるんだろうね、燃えるハートの炎魔法かな」
「私もレイ様と同じ無属性が良いです、憧れます!」
「うーんあんまり良いものでもないよ、術式殆ど無いし、イメージは大変だし。」
楽しいおしゃべりをしていると、あのお貴族奴隷少年が休憩所に入ってきました。従者を2名連れているところを見ると、人のことは言えないけれど従者を使った強制レベリングでもするのかな。
無視したけど、奴隷奴隷うるせー。こちとら耳が良いから小声でも聞こえるんだよ。ちょっと嫌なのでさっさと3層へ。
休憩所を出ようとする時じっくりこちらを眺めていたなあ気持ち悪い。気持ち悪いだけで特になにもなかったから良かった。
3層からはコボルトです。狼の強靭な筋肉そして肉体と体格を持って2足歩行しているウルフコボルト、ではないので多分大丈夫。
普通のコボルトなら子犬程度です。ダンジョンコボルトは鉄製の武装してるそうですが。
「少しやりにくいです」
「ボウガン当たらなかったし素早いね。槍を鈍器のように扱うのもいいって気功道場で習ったことがあるよ。振り回してみたらどうかな」
アメジットのスイング!うまい具合に側面を叩いた!よろけたところを槍の一撃!死ななかったけど致命傷だね。
良いところに当たるなんてアメジットは運いいなあ。
「スイング、使えますね」
「今度横に刃が出ている槍を購入しよう、スイングの効果が上がるし武器などを引っ掛けて絡め取るとかできるってやはり気功道場の先生がおっしゃってた。」
「難しそう」
「対魔物槍道場ならそこらへんにあるから師事してみるのもありだよ。」
さて、3層は宝箱部屋があります。せっかくなので訪れてみました。コボルトを突破できる人があんまりいないので人数は少ないですが順番待ちをしていますね。
私達も順番に加わりましょう。罠解除と、何が出るかなのワクワク感を楽しめます。
宝箱部屋はドアが付いている部屋で人もしくはパーティが入るとドアが閉まり、その人達が死ぬか出てくるとまた閉まります。
そして中身が再POPするとドアが勝手に開放される仕組みです。
セキュリティの心配がないのでじっくりと罠解除と鑑定をすることが出来るって寸法ですね。
鑑定はスクロールもありますが、もちろんダンスします。私は持ってきていません。持ってきていませんってば。
優しいダンジョンなので宝箱の中身も大したことはないはずです。
当たりで魔法の短剣程度だったかな。
それでもサガットで25金貨くらいしていたので大きいですね。でも、ここだと12金貨程度か。
「じゃあ、罠解除だね。道具はこれを使って。仮に失敗しても死なせないし、スキル経験値は入るからね」
「緊張しますね……」
「私も得意じゃないので緊張する。アンナさん居ればなあ…… 。」
じっくりと罠を見定め、慎重に解除。20分位かかりましたが無事に解除出来ました。やったね!
「やった!中身はなんだろう、ポーションとかかな。」
「えーと、魔導の品でしょうか。ポーチ、かな?」
「は!?」
みせてもらうと、これはマジックポーチっぽい。呪いの品の可能性もあるため中に物を入れることはしませんが、私のリュックに大切にしまいました。
「鑑定する楽しみが増えたねー」
「そうですね、良い品だと嬉しいです。」
ドアを開けて、順番待ちをしている人にはポーションを見せて、へっ、って感じのリアクションを取ってお別れ。ごめんよ実はもっと凄いかもしれない品物なんだ。
4層、5層と駆け抜けて、遂にBOSS部屋の前にたどり着きました。
ここまでほとんどアメジットに倒させているので相当Lvが上がってると思います。
といっても私がゴブリンスタンピードですごい数を狩って6Lvから12Lvまで上がったくらいだから、プラス3Lvくらいかな?
数多かったけどそこまでの数は討伐していないはず。
話がそれた、BOSSも宝箱みたいな仕様なんですが、人がいませんね。サクッと入ってサクッと経験値をいただきましょう。GOGOGO!!
「うっきー!うきうき、うっきっきー!」
本当にモンキーだ。BOSSなので私も戦闘に加わります。
出会い頭の
「正直そろそろ死ぬからとどめ刺しちゃって」
「はい!とあああ!!」
ぶす、モンキーは死んだ。モンキーよさらば、君の出落ち感は忘れない。
「BOSSだからドロップがあるはずだよ、なんだろうね。ポーションかな」
「良いもの、来い!」
うっきっきーの体が消えたと同時に、リュックサックがドロンと出てきました。なん……だと……
「これも魔法の品だろうね、カンテイガタノシミダネ」
「やりましたー!ばんざーい!」
無邪気に喜んでいるアメジットと一緒に一気にダンジョンを脱出したのでした。ポーションとかいらなかったなー。
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