第36話苦難の道


 やっぱり、お金に頼って、飛行船に乗れば、良かった、か、なーーーーー!!


 荒れた道というか、道らしきものがあった程度しか痕跡が残っておらず、まともに馬車が動かないのでほとんど馬車に乗っていません。ひたすら後ろから押して馬車が進むのを助けてます


 。接地面の多い幅広の車輪にしたんだけどなあ!!これ、まだ飛行船交易都市から出たばかりなんだぜ?


 ちょ、ちょっと積載の整理をしましょう。水は確保するとして食糧を減らします。パールの100kgの干し草は半分捨てる。私たちの食料も。これで60kgは減ったはず。


 馬車の修理道具は私がポーチに入れて持ちましょう。木組みはす……てない方がいいね、この道じゃあすぐ壊れる。


 諸々整理して100kg減量。馬車自体が400kgくらいはあるかな?だから100kgはそれなりに意味があると思う。とにかく減らさないと次の村にたどり着かない!!


「頑張ろう!」


「はい、レイ様!」


 ぬおおおおー!




 うおおおおーー!村が見えてこねー!


「あ、あれは村では?」


 喜び勇んで行ってみると、村の跡地がありました


「廃村したんかこれ!?下道完全に消したのかな!?ちょっと今日はここで終わり、今から急いで捨てた食料手に入れ直してくる!」


 急いで戻ったのですが、動物にみんな持って行かれてました、チーン。


「ふ、ふふ、アメジットよ、ここからはサバイバルだ。私も本気出して狩猟するからその日その日を生き延びようぞ」


「オークの恐怖に比べればこれくらいへっちゃらです!」


 今日は適当に野営をして、明日からまた頑張る。ぐー


「おはよーアメジット。上手く野営は出来たと思う?」


「はい。ちょっと疲れは残ってますが」


「ならよし。今日も馬車を押す仕事だよ。」


 人がいない土地というのは、動物と魔物の楽園でもあるわけでして。猪や鹿が多かったのは良いのですが、それを糧にしている魔物もいらっしゃいましてね。


「!匂いからしてゴブリンが来た、アメジットいける?殺すって結構難儀だけど」


「だ、大丈夫です!」


 魔物と遊んだり(アメジットは必死だったようですが。)


「偵察してきたけどトロールっぽいね。全力でここから離れよう。」


 魔物から逃げたり


「猪いたんでちょっと命頂いてきちゃったよ。食べようか。」


 動物の命頂いたり


「レイ様、敵襲です!」


「数と種類は!?」


 野営中に襲われるって言う基本的な出来事を体験したり


 こんなことをしながら15日かけて飛行船停船衛星都市に到着しました。な、なんとかなった……


「『ぶるる サンクチュバリヌス編』というガイドブックによると入国審査があるから、私と一緒に来てね。」


「はい!」


 アメジットはいつも元気だなあ。


 下道で来る人なんてほぼいないだろうから、一応突っ立っていた門番兵に凄い驚かれて警戒されたけれど、入管審査を受けることが出来たよ。もちろん通訳付きで。また勉強しないといけないねー。


「財宝目的なのはわかったが、冒険者風情に従者ねえ……」


「馬車持ってる位なので、従者くらいいますよ。」


「んで、このスキルの豊富さは確かなんだろうな?」


「ええ、カードは嘘つきませんよね?また、アメジットは15なのでまだカードを持っていなかったんですよ。この国がもっと低年齢で作れるなら作りますが……」


「……冒険者カードは冒険者ギルドの管轄だ。ギルドに聞け。まあいい、入管はクリアだ。せいぜい良い財宝を見つけろよ」


「はい、ありがとうございます。」


 もっと細かく聞かれたけれど、省略。というわけで入国できました!通訳にはもうちょっといてもらうかな。


「まずここで馬車を直してから西にあるダンジョン都市オデデに向かおう。それなりに大きい街だってさ」


「腕がなりますね!」


「無理は禁物安全第一だよ。」


 馬車に持ち込んで馬車を直してもらうことにして、ここで通訳とはお別れ。その後は土産物屋などを物色。



 私の最初のマジックポーチみたいなやつが300サンクチュバリヌス金貨で売られていますね、ぼってる。これじゃ確かに交易を必要としないかもしれない。



 用事も済んだので冒険者ギルドに。熟練採取人なので流暢な世界標準語を話す人がついてくれました。


「語学なら南のサッデオですか……うーん」


 今の私ならきつい仕事はしないで済むでしょう、ただ時間食っちゃうんだよねえ。また1年語学に費やすことになる。


「まあ、オデデなら私みたいな世界標準語を喋れる方が結構いらっしゃいますので、そういう方から少しづつ学ぶというのもありだとは思いますよ。」


「オデデに語学学校があればなあ。」


「ダンジョン都市と語学を両立させたいならウナシキでしょうね。あそこは一種の国際都市なので、様々な言語が飛び交ってます。ブキョー語からサンクチュバリヌス語を学ぶ語学学校もありますよ」


「世界標準語からサンクチュバリヌス語へは?」


「もちろんあります」


「じゃあそれで!行くルートはどんな感じですか?」


 できるだけ安全なルートを教えてもらって、ついでに途中まで護衛依頼を受領して、レッツゴー!


 護衛依頼ですが商隊さんの護衛でして、馬車持ちってことで私達が先頭に立って進んでいきます。矢面に立つ感じですね。簡単な指示語は教えてもらったのでまあ進めています。


 ウナシキへの直通ルートは存在せず、一度街を経由して到着。直通あったほうが交易できそうな気もしますけれどもねえ。


 あ、一度バンディット、山賊に襲われましたがオーブだけで排除しました。今のオーブちゃんを舐めるなよ。


 武具は拾ってゴミクズとして売り払うっぽいです。護衛対象の商隊が拾ってた。


 無事に護衛できたということでサインを貰い、冒険者ギルドへ。これで1金貨って安いのか高いのか。ま、移動できればそれでよかったんです。


 宿を確保し、コンシュルジュお勧めの語学学校へ入学手続きをし、さあ行くぞ財宝があるダンジョンへ!

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