第28話まあワング優しいし(ハート)


 ハァハァ……体が熱い……声が出ちゃう……


「っんー!このお風呂気持ちが良いですねー!!」


「じゃろ、揉んだあとはお湯で汗を流して水路の水を出してやる、そんなイメージで入るのじゃ。単純に気持ちよかろ?」


「はい、疲れが消し飛びますね!」


 お互い水着着てますからね、もちろん。


「あと10数えたらお風呂からあがるよー」


「はーい、いーち、にーい、さーん…… 。」


 お風呂から上がりまして講義のお時間。


「えーまず揉んでわかったことじゃが、肉体としては冒険者向きじゃな、引き締まっていて質がよろしい。1筋肉が発生させるパワーの大きさは一般よりとても高いと思うの」


「それは嬉しいですね」


「そして体を流れる魔力や気功なんじゃが、ボロボロでほぼ流れておらんわ。ほとんど魔力を使わない生活魔法か、イメージで打ち出すから魔導経路を『ほぼ使わない』無属性魔法くらいしか使えんじゃろ」


「!!???はい、そうです正にそうです!!」


「やはりのー。魔力がどれだけあっても外に流せないのでは意味もない。オーブコアに少ししかパワーが入らないのはこれが原因だと思うのう。ちなみに胸と背中の一部に酷い傷の跡があったの、つらい過去があるのを勝手に見てしもうたすまん」


「!?わかりますか。傷は大丈夫です。そうですか、そうなっていたのですね。直せないものなんでしょうか」


「ある。『治』す手段は2つあって、魔導経路を作り直してしまうこと。じゃがそうすると無属性魔法は消えると思うな。それでも新しい属性を使うことは出来るし生活魔法は残る。そのオーブコアにパワーを送り出すことも可能となる。」


「無属性が消えちゃうのは……かなり悲しいですね。もう一つはなんですか?」


「それこそ治す。修復じゃな。ボロボロの経路を繋いで補繕ほつくろって、ゆっくり気功か魔力を流し込んで頑丈にさせていく感じ。無属性は使えると思うが新たな属性が使えるかどうかは未知数だし、なにより赤子程度の経路流量にするのに1年はかかる」


「ゴゥフ、ブキョーで1年かかったくらいのネタを書かないといけないのは作者心理的にまずいですね。」


「じゃろー、どする?」


「もちろん治します!18年も一緒に付き添ったんですから!」


 ということで、修復する作業が始まったのでした。




 ぬーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん



 朝は瞑想です。これ密かに今までもやっていましたが、、今度からは瞑想する中身が違います。


 自分の内面を見つめて、経路を知覚し、補修していくんです。魔導経路、魔力を導いて通っていく(経)道 (路)


 無属性魔法で直すのではなくて、自分の魔力で直すので汗水たらしながらの作業になります。魔力操作の良い訓練です。


 ちなみに魔力操作Lv3ありますが、あのまま無闇矢鱈に操作してると魔導経路全損の恐れがあったそうです。コワイ!!


 瞑想を1時間やったら今度はブキョーの広場に出て朝の運動『タイキョック剣』をやります。


 ゆったりと動く剣法なのですが、この時全身に気功を感じ、そして経路にゆっっっっっっくりと通しながら剣技を行うことで経路が頑丈になっていくそうです。


 今は気功が通っているかわからないなあ。


 そして、2日に一度のチェイさんのもみほぐしとお風呂。さすがにやるのは背中側だけですが。これは修復時に出てきたゴミを洗い流す作用があります。5日に一度には鍼。活性化を促し各種効率を高めます。


 これを1年やるわけです。そうすると19かー。スキルにステータスが一番あがる思春期をこれで潰しちゃうかもしれない。でもやるしか無い!!


 ちなみにお金がかかります。とてもかかります。


 そうそう、スンケイで行動することが多くなったため、部屋をスンケイに移しました。研究都市カヤクへは、たまに顔を覗かせればいいからね。


「ねーワングー、いつになったら働いてくれるのー?」


「働いてるぜ、モンスターが出たら討伐しに行ってるだろ。それより今日はどうなんだ?」


「またそっちー?今日は瞑想するからだめだよー終わったら疲れて寝ちゃうし。」


「終わったら疲れて寝ちゃうのはどっちでも一緒だろ。というわけで!」


「もー」


 二人分の生活費とチェイさんにお支払いするお金を全部私が払ってますが、まあワング優しいし(ハート)

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