第24話今度こそ研究都市カヤク

 今度こそ研究都市カヤク


 あれ、なんで研究都市にきて採掘やってるんだろう、おかしいな。でも儲かるし肉体の強化につながるしいっかな……


 なーんて思い始めてたらギルドから連絡が。やっと魔道具研究のアポイントが取れたそうです。やったー。


 魔道具研究所はツボをひっくり返したような建物で、最上階に突起が複数本ついていて、そこから電撃がビリビリと流れておりました。なんなんだこのオブジェ……


「受付さんこんにちわー、私はレイです。本日タクトウさんという方と面会をする予定になっております。」


「はい、承っております。こちらへどうぞ。」


 それで案内されたのはただの会議室。まずはオーブの性能のお試しというところかな?相手はもう着席しておりますね。急いで着席しましょう。と、その前に


「この度はお時間作っていただいて誠にありがとうございます。私の名前はレイです。私の相棒であるこのオーブの原理解明およびパワーアップを目標してやってまいりました。よろしくおねがいします。」


 これ以外にもオーブについて色々と。オーブ使いLv上がっても効果が上昇したとは思いにくいなどね。緊張してたけどちゃんと言えたと思う。相手様の反応は……オーブを見て…… 興味を失った……魔道具はほとんど絡んでないのかな?


「ふー、これは金属魔道具の中に錬金術の魔法、科学技術の魔導回路が組み込んであるな、魔道具で出来ることは現状すぐにはない。」


「そういうものだったんですか、ありがとうございます。魔道具で出来るのが現状ないとはどういった……?」


「中がパワーやら機能などを決めて、それに合わせて外側、つまり魔道具が仕様を整えて物にする。だから中身を研究しないとどうにもならんつー訳だ。」


「なるほど。」


「本当にわかってるのかね、さあこれでおしまいだ、帰った帰った」


「え、ちょ、パワーアップの方はどうなったんですか!?というか一目見てで見極められたのはなんで!?」


「パワーアップは、中が改良されないとどうにもならんの!一発でわかったのは企業秘密!はい、お帰りください。」


 追い出されました。ひ、一月待ったのに……OTL


 あー!一個オーブコアない!盗まれた!


「すいません、あの人にまた合わせてください、オーブコアが盗まれたんです!」


「もう面会時間ではないので……」


「受付さんはいこれチャリーン。で、どこにいますか?」


「多分自分の研究室じゃないかと。あ、通行証お渡ししたいのですがーー……(チャリンチャリーン)はい、これをどうぞ(ニッコリ」


 研究室は404、4階の4番室だそうです、ちなみに面会した時の部屋を探りましたが無反応でした。


 ニコニコしながら憲兵の前を通り過ぎること3回(チャチャチャリーン)。4階に到着しました。404はー……一番隅の部屋みたいですね。


 4番室の前にたどり着いたので気配を消して耳を近づけて中の様子を探ります。音でどこに誰がいるってのはわかりますし、大きさや行っている行動も出ている音でなんとなく把握できます。


 頭についているふわふわ耳を壁に当てているのってはたから見ると奇妙で変だったりする。頂点からじゃなくて後頭部の上部からぬわっと生えてますからね……


 さて。いないかなー?ドアを開けてみましょう、魔導ドアなので前後じゃなく横にスライドする方式です。斬新。しかも自動で動く。最新。


 鍵が開いていたみたいなのでスーッとドアがスライドして研究室の全貌が明らかになりました。試作品を作る感じですねこれ。


 肝心のオーブは……ありましたね、机の上に置かれていました。傷ついてるなあ……中身見ようと殻、外殻部だね、それを割ろうとした感じでしょうか。

 回収。在庫があんまりないんだ、せめて劣化コピー品が作れるようになってからだよぶっ壊すのは。


 む、音からするとあの所員が帰ってきましたね。窓から逃亡しちゃいましょう。そーーーおーーーい!!着地前にブラストを足から器用に放出して落下速度を下げてからの5点着地!起き上がってポーズ!はい!10点満点!


 受付さんにたんまりとお金を弾んでから研究所を後にしました。せめて友好的に接してくれれば空飛ぶだけのオーブとかまではいけたと思うんだけどなあ。


 あ、さっきやったとおりディメ略は体のどこからでも出せるようになりました。イメージ訓練の賜物です。努力したぜぇ。


 次は錬金か、科学技術科のどちらか。今回のようなことをなくすにはもっと名声稼げばええんじゃろうかなあ?

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