第17話ブキョー語ときつい仕事、そして狩猟
ほぼ眠れないという大問題があったもののブキョーの首都スンケイに到着しました。ここで困ったことが本格的に発覚しましてね。いやー補給整備都市がブキョーに近づくにつれてだんだんわかってきたことではあるのですが。
ここ、ブキョー語が標準語なんですよ。サガット語が使えない。やべえ覚えてないよ私。
一応古代魔導文明が世界標準語を作りまして、どこの国も学があるものはたいてい話すことが出来ます。私は話せます。
ただね、そこら辺の一般人が使えるかと言うとほぼ無理なわけです、第2外国語と言うか上級語学なので。お公家言葉っていえばいいの?公文書を書くときに使う公用古代語って言えばいいの?まあそんな感じ。
幸い冒険者ギルドには街以上であればたいてい話せる人が常駐しているのでその人を頼ればなんとかなります。でも標準語が使えないのはやりにくいことこの上ない。料理屋行って適当に指さして頼んだら、カエルの姿煮が出てきたショックを体験したことありますか?身振り手振りで宿を取るのってすごい大変ですよ。
覚えなきゃ
「ということでおにーさん、語学学校とおカネになる依頼を教えてください。」
「語学学校はアルヨ、大規模交易してるからネ。でも喋れない人が出来る依頼とイタラ……」
臭い、臭いぞ。このゴミ腐ってやがる。
んがー鼻がよじれる。オーブがエネルギー展開をしてるから汚れないことが唯一の救いか。
そう、ごみ収集とか下水の魔物清掃とか、いわゆる汚れ仕事になるわけです。後24時間営業のお店の店番とか?まぁどれもきつい、けど通学と宿に泊まる資金は稼げる。
宿は納屋で寝止まりしています、匂いが服に狐の毛皮部分に染み付いてしまっているので普通の部屋に泊まれない。
中古服を何着か買って、防具とワンピースは大事に保管して死守してます。汚れたらどれだけの金貨が飛ぶと思ってるんだ。
仕事で使っていない中古服で語学学校に通ってるとはいえ、色んな部分に染み付いちゃってる腐ってるような臭い香りで通学してるので「腐女」というスラングをまっさきに覚えましたが耐えること数ヶ月、なんとか話ができるようになってきました。
私が結構器用な所があるのはそうなんですが(てへ)、お狐族、必要にとらわれると覚えが良くなるもんです。
「語学続ける、そろそろ採取とか探索とか稼げるやりたい、どれ?」
「よくがんばた、ここ、20まんとし。お肉ない。狩猟一番。カリブーンいいアル。」
ギルドの一般受付もこんな感じにできるようになってきました。そうか、カリブーンか。
カリブーンは大きくなると体重700キロ、体長3mにもなる化物トナカイです、動物。勝てるのか?でも美味しいのはわかります。皮も肉も大量に取れる。
カリブーンほどの巨体生物はさすがに20万都市の周りにはいないので、私が歩いて3日くらいかかる森林・草原地帯に生息しています。近くに寝泊まりしたり素材を引き取る簡易施設があるので、そこと連携して狩猟する形ですね。うしブーを綺麗に皮剥したときと大体同じ。こういう施設があるなんてよほどの食料が必要なんですね。
さてーどうやって狩猟するか。私の剣やナイフじゃ首の奥深くにある動脈を切り裂くのは厳しいでしょう。あーでも魔力転換すればなんとかなるかなー。最近魔力操作覚えたからディメンション略を頭にぶち当てて昏倒させられると楽ですね。オーブはパワーアップまでは補助的役割しか出来ませんなあ。
実戦!まずは見つけることから始まりました。各種お狐センサーをフルに使って見つけ出します。カリブーンだけじゃなくて普通のシカ系統もいるのでそういうのも見つけて狩猟します。
ゴブリンの里がまっさきに見つかりましたーなんでや!ギルドに連絡して数名のグループで討伐することに。今の私ならオーブだけじゃなく剣で攻撃もできるので処理は楽でした。ゴブリンキングくらいまでは処理したけど、ホブゴブリンキングはLv25の人に任せた。いや、興奮して色々叫ばれても何言うてるかわからないもん。語学力がまだまだ足らないと痛感しましたわ。攻略して6金貨ゲット。サガット換算で3金貨は美味しいですねー。
それで、普通のシカに出会いましたけど私のほうが速くて、見つかって一直線に逃げられて剣で首を狙えなくても、飛びかかってしがみついて、魔力転換からの首切りが通用しちゃいました。あれ、私結構成長してますね。
さて見つけたぞカリブーン。いざ尋常に勝負!
って逃げ出したわ!はっや!でも逃がすかーお狐ダッシュ!
追いついちゃったー!でもどうやって足止めすればいいんだろう、電撃オーブを後ろのどこかでもいいからぶち当てるか!いけっ!
くっ、あまり効いた風に見えない!やはりもうパワーが足りない!んーこの追いかけっこじゃ剣を振っても当たるとは思えない!可能なら範囲攻撃……範囲攻撃!
これが、これが、これがッ、
後ろのッ!足を狙うッッ!
っどーん!!
私の左手の手のひらから恐ろしい速度で放たれた円錐状の爆風が後ろ足に襲いかかる!
おらっしゃー!吹き飛ばしたー!これは余裕で失血ショックで終わるね!やったー勝利!
カリブーンは最後まで逃げようとしたけど失血で昏倒、死亡しました。即死じゃないけどあまり苦痛は与えてないと思う。ちょっと走ったけど施設からは遠くないので係員を呼びに行って、解体してもらって報奨金をゲット。8金貨も貰いました。そんなに倒せる人がいないらしい、らしいってのはどうしても片言会話になるのでよくわからんのです。
よし、これで少しばかり狩猟生活をしてお金貯めつつ語学の勉強をするという未来そして道のりが見えてきたぞ。語学がないとオーブの調査をお願いする研究者と話せないもんね。
ちなみにSTRとDEXと関連スキルをあれやこれやすると敏捷性が出ます。地面を蹴る力と足を回転させる正確さ器用さそしてスキルブースト、みたいな感じ。隠れステータスは存在してるんだよねえ。
レイ 無属性魔法剣士兼オーブ使い
Lv18
HP162
MP54
STR74
DEX100
VIT64
INT77 (魔力としての)
WIL74
CHA43
スキル
オーブ使いLv7 短槍使いLv4 剣使いLv6
無属性魔法Lv6 魔力転換Lv2 生活魔法 上級生活魔法(一部) 魔力操作Lv1
言語学Lv5 交渉Lv2 知識Lv5 世界標準語 ペラペラなサガット語 片言なブキョー語
睡眠耐性Lv4 疲労耐性Lv4 悪臭耐性Lv2 暗視Lv4 歩行力Lv4 根性Lv3 忍耐Lv1 ダッシュLv2 スタミナLv2
罠解除Lv1 解体作業Lv4 積載増加Lv4 肉体強化Lv4(ステ全てに+7)
お狐第六感Lv5 お狐耳センサーLv5 お狐鼻センサーLv3 お狐の目Lv2 お狐動体視力Lv3 お狐の疾走Lv5
採取術Lv9 狩猟術Lv3
ユニーク(カード表示不可能)
お狐族 お狐の身体 お狐の機智 毎日少しの努力が出来る子
装備
高級なワンピース E魔法使いの黒いローブ Eバデッドアーマー Eうしブー革の防具一式 Eドワーフ鋼のショートソード
リュックサック マジックポーチ 質の良い野営セット 冒険装備一式
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます