第6話 トレジャーハンター・レイ
遺跡
防具屋に防具一式を亜人防具に仕立て直してもらって、準備は万端。なんの準備かって?
遺、跡、だ、よ!
私だって一端のトレジャーハンター(?)、一獲千金を狙わないと!
ギルドのおねーさんが言うには
「まずはこの近くの遺跡に行って感覚をつかむといいと思いますよー即死する罠とかありませんし。」
ということでこの近くにある魔道遺跡に挑むことにしました。
この世界は魔道文明が繁栄しているけど、古代魔道文明なんていうロマンも存在していて、そこら関連の遺跡が結構あちこちにあったりします。遺跡の街なんてのも存在していたりする、とのこと。『遺跡にはこれ!遺跡ガイドブック完全版』より。ふーん。
さ、参りましょうか、初心者の遺跡に。ちなみにこの名付けはルナナスの冒険者ギルド。
馬車にーゆられてーゆんららゆんららほい。
そう、この遺跡は3層に分かれているのですが2層までは魔物?遺跡を守るガーディアン?まあそういった部類が出ないので観光地になっているのです。歩く理由なんてないので私も馬車で行きまーす。
馬車で三時間くらい揺られたら到着。お土産屋さんとかが並んでるよ。帰りに買うかなー。
「狐のお姉さん、2層までのガイドをしてるんだけどどうだい?俺しか知らない話がいっぱいあるぜ」
「あ、3層まで進むので結構です。」
「そうかい、邪魔したな。練習頑張って来いよ!」
ツアーガイドまで居やがりますな。いやー本当に観光地だ。
1層は本当にとくになにもなく。やっさしい罠があったくらいです。でも罠を踏んだのは生まれて初めて。16歳になってすぐに冒険者カード取ったんですよ、まだピチピチの16歳なんで割となんでも新鮮に写りますね。あ、矢が飛んできたんですが自動迎撃で弾きました。せっかくなので解除の方法を学びました。今のうちに学んでおかないとね。
2層も明らかにそこに罠がありますよーという罠や、簡単に解除出来る罠なんかがあって、解除セミナーとか開催してました。参加して学びました。ここは確かに初心者に良いわ。いや、普通斥候系の人と組んでその人に罠の探知と解除をお願いするんだけどね。
遺跡探索だとパーティ組むのかなー
さて、やって参りました第3層です。早速ガーディアン?が壁からぽこっと出現しました。バスケットボールくらいの丸い機械ですね。どういう動きをするんだろう、様子見といこう。
おおお、突進して電撃を浴びせてきたぞ!もろに食らって一時行動不能。でもオーブが自動反撃してくれてとりあえず機能停止したっぽい。
うーんここの遺跡のガーディアンだとオーブじゃ破壊できないなー。
もっと上手くオーブを扱えるようになりたい。エネルギーオーブを作製するとき、もっと魔力込めればいいんかねえ。周りに操ってる人がいないから何をどうすればいいのか実は分からないんだよね……
3層は罠も強力です。毒矢が多数降ってくる罠や、強めの電撃の罠が配置されてます。おねーさんに聞いてここに効く毒消しを持ってきておいて良かった。電撃はオーブを先行させてわざと発動させて回避してます。
それでもやっぱり私でも回避できるくらいの難易度設定で、なんだかんだで奥に進めています。何度も言うけど本当学習になりますね。
話しに聞いた感じだともうすぐ最深部かな?リュックには機能停止したバスケットボールが入ってます。結構いい金属で出来ていて、売ればお金になるらしい。
よっしゃ、最深部に到達しました!何故分かるかというと、人型の機械が出現したからです、話しに聞いたとおり!
この骨格だけで出来てるような人型の機械の特徴は魔法を使ってくることです。機械なのに魔法、さすが古代魔導文明。
ぬう、火の玉を飛ばしてきました。これはオーブじゃ弾けない大きさです。ここは……
「インスタントバリア!」
無属性魔法の出番です、空間をネジネジして私の前面にシールドを形成。インスタントバリアは結構瞬時にかつ簡単に出せるんですけど簡単に壊れちゃう、まさにインスタントなバリアです。
持続時間が凄く長いのが凄いメリットかな、初撃を無効化しやすい。
無属性で防御が出来ないかなって必死こいて考えました。
ライトニングやウォータープレッシャーなど多彩な魔法を撃ってきますが、実は結構魔法力が弱いんですよねこの人型さん。前衛さんが直撃しても死なないレベル。ただ被弾は怖いのでインスタントバリアを形成しまくりながらオーブの突撃連打で破壊しましょう。
5分くらいオーブをぶち込んでやっと機能停止しました。バリアの形成し過ぎで、ちょと、フラフラします。無駄にガーディアンに体力がある遺跡だったなあ。
……でーですね、ガッシャーンと人型の機械が倒れたときに変な反響をする壁を見つけたんですよね、お狐耳センサーのおかげで。
とりあえず人型さんからコアを引っこ抜いて、壁を精査しましょう。
コンコン、うーんやっぱり音が変ですね。奥に空洞がありそう。オーブで破壊できないかな。いけっ!!駄目か。なら……
「ディメンションコンプレスキャノン!!ブラスト!」
どっごーん!
うおおおー壁が崩壊して部屋が見えたぞー!隠し部屋や!!慎重に侵入してみよう。そろりそろり。
部屋は小さい四角部屋で、真ん中に
た、か、ら、ば、こ、が!!
うひょー!何が入って……おっとっといけないいけない、宝箱には罠があるってギルドのおねーさんが言ってた、気がする。
慎重に宝箱を調査します。どれどれ……
直感で何かあるとは思うんだけど、それが何か全く分かりません。ええい漢開けだー!
ブスッ、毒矢が仕込まれてました……毒消し薬を飲んで、回復ポーションを傷口に振りかけてから残りを飲みました。うーんここの素材だけじゃ赤字だよこれ。回復ポーションは錬金で作るから高いんだよね。
まあ宝は目の前だ!オープン!
んー?古代の布で出来たサイドポーチだねこれ。うーんなんだろ、鑑定スキルが無いからギルドにみてもらおう、お金かかるけど。名品じゃないと本当に赤字だよ……トレジャーハンター、レイのはずが……
帰りはサクッと帰れました。人型さんを倒すと一時的に3層目の全てが機能停止するみたいですね。
遺跡を出ると夜になっていたのでその日は野営。安全な森が近くにあったので薪には困りませんでした。観光客はさっさと馬車に乗って帰ったみたいですね。
次の日、尻尾を足の間に挟んでしょんぼりしながら馬車に揺られること数時間、街に戻ってきました。
「これこれこうで隠し部屋とこのポーチを見つけたんですけど鑑定お願いできますか。後素材の買い取りも。」
「お帰りなさい、それぞれ専門の部署があるからそちらでお願いしてね。鑑定は結構高くつくわよ。」
うげえ、まじかー……
まずお金を作るために買い取り所に。オーブで延々と体当たりして壊したので意外とコアが綺麗に取れて、これで7銀貨、バスケットボールの機械が2つで4銀貨でした。デカい割には安い……合計11銀貨かあ。
「今日は-、鑑定お願いしたいんですけど。」
「品物はどれかな?どれも20銀貨で鑑定するよ。」
んごおおおおお払えるけど高いいいいいいこの優男めえええええ
「えっとこれです、古代のサイドポーチみたいなんですけれど……」
「ふむ、じゃあ鑑定スタート!」
え、いきなり踊り出しました。じゃーんじゃーんじゃーん。
「ふう……これは凄い品だね。空間拡張と時の遅延化が組み込まれているポーチだよ。中のサイズは今背負ってるリュックサックくらいあるかな。重力はさほどいじられてないから重いものは入れないほうが良いね。時の遅延は大体1/1.5ってところかな。買取価格はそうだなー、200銀貨といったところかな。どうする?」
「もちろん自分で使います!!」
「それが良いだろうね、中にリュックサックの空間が入ってるだけだから、すぐ使うものは入れないほうがいいと思うよ。」
「はい、ありがとうございました!」
よ、よ、よ、よっしゃーーー!!最後に大逆転だ!!
ちなみに身長の低さを利用して、肩からかけてセカンドリュックみたくして運用することにしました。腰につけちゃうとバランスが悪くなっちゃう。
というわけでトレジャーハンター・レイは大収穫を達成することが出来たのでしたー!
え、3層の喋りが丁寧すぎるって?そりゃー緊張してるんだもん丁寧な口調になるっしょ。
レイ 冒険者
Lv15
HP140
MP39
STR57
DEX81
VIT50
INT65 (魔力としての)
WIL61
CHA37
スキル
オーブ使いLv5 短槍使いLv4 剣使いLv4 無属性魔法Lv3 生活魔法 睡眠耐性Lv1 疲労耐性Lv2 暗視Lv1 罠解除Lv1 積載増加Lv1 肉体強化Lv1(ステ全てに+1) 第六感Lv2 お狐耳センサーLv2 お狐の疾走Lv2
ユニーク(カード表示不可能)
お狐族 お狐の身体 お狐の機智 毎日少しの努力が出来る子
装備
魔法使いのローブ バデッドアーマー 革の防具一式 短槍 ソード リュックサック 複数のずた袋 薬やポーション、小銭が入っている複数のベルトポーチ マジックポーチ
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