第7話 スライム
らんらん、るー♪
いやー遺跡で手に入れたポーチのおかげで採取が捗る捗る。なにせリュックサックくらいの容量ですからね、私の身長で背負えるリュックサックは25Lが限界ですが、それが2つ、50Lも持ち運べることになっちゃいます。それにずた袋。
疾走するのはお狐パワーでめっちゃ速くなりましたので夕方ギリギリまで採取を続けられます。走っても森と街までの距離なら全然疲れませんしね。
それでなんで採取に精を出しているかと言うと、武器の更新をしたいからなんですよ。いままで使っていた剣と槍はSTRが20台に使っていたもの。今は50台ですし数値に表れないお狐のバネがあります。全力攻撃すると剣とか曲がっちゃうんですよね。
一応オーブが主体の魔法使いですけれども、何かのときに槍と剣は使ってますからね、スキルも結構上がってますし。いいものと取り替えたいんですよ。
なので採取に精を出してるんです。え、固定買い取り?だめだめ、どれも強くてオーブの攻撃がまともに入りませんよ。
でも、武器が更新されれば違う展開に持ち込めるかもしれません。俊敏性ならうしブーに全く負けていないので、翻弄して首チョンパを狙えるかもしれません。槍チャージで脳天突き刺してもいいかもしれませんね。ディメンション略?どうあがいても
といっても、武器は高いー。採取だけだと数ヶ月かかっちゃいます。なにかいい方法ないかなー冒険者らしいもの。といっても冒険者って雑用者みたいなものなんだけど……
「というわけでなにか無いですかねおねーさん。」
「そうねえ、真田山の麓に生えている貴重な草を採取するとかかしら。その頭上に浮いてるものがもっと強ければ討伐系もできるのにねえ。」
「そんなー。おっぱい仲間としてなにか無いんですか。真田山だと村に戻ってそこから険しい道をかき分けて進むってガイドブックに書いてありましたよ。」
「まあおっぱいが大きくて悩む仲間ではあるけど、それは今回とは関係ないわね。もう王都にでも行ったらどうかしら。採取でも高級なものを指定してくることが多いわよ、お貴族様がたくさんいるから。武器もこことは違って豊富よ、中古も多いし。」
「むう、そうなりますかー……少し考えてみます。」
少し考えた、うん、王都行こう。
ここから王都までは大体2週間くらい。古代魔導文明のときにわかってるんですが、この星でっかいんですよね。そしてこのサガット王国はどうも街と街の間隔が広いみたいなんですよ。なので王都までも遠い。ちなみに一番最初の村みたく今でも開拓して国土を広げてます。
ああどうでもいいことを。さ、ところどころ宿場町があるとはいえ2週間の長旅、しっかり準備してもちろん護衛依頼を承って出発しましょう。流石に王都への街道じゃあ変なものでないでしょうけどね。
馬車が走るよ、いえーい、いえーい、いえーい
特に問題なく王都に到着しました。
王都は魔導文明の粋を集めたようなところでしたー!
飛行船が飛ぶ!蒸気機関車が走る!中央広場の上空には浮かぶクリスタル!!凄いなー!!
蒸気機関車が走っているように、魔導文明といえども地下資源は有効活用しています。石炭が今の主力ですが、ベトベトな油、原油も最近錬金で精製して使い始めてるそうです。冒険者ギルドのガイドブックに乗ってた。
「いやーさすが王都サッガーですねー。しかし王都のギルドは中央付近にないんですね。」
「まあ言ってしまえば定職を持たない連中ですからね、建て直されて王都の隅に追いやられた恰好なんですよ」今回の受付さんはハイエルフのおねーさん、とその他大勢。流石に一人でさばける量じゃないみたいね。しかしハイエルフだけあっておっp……なんでもない。
「それでまあ観光は後にして、ギルドの宿は空いてますか?もしくは安くて安全な宿。」
「ギルドの宿が空いてますね。それでも一晩3銀貨しますけれども。」
「った……か」
「王都は物価が高いので。依頼料も高額ですから3銀貨くらいはすぐ稼げますよ。」
そんなわけで渋々ギルドの宿を借りることに。これじゃあ武器の価格が恐ろしいことになってそうだよ。
「それで、おすすめのお仕事はございますか?」
「基本的に面倒なことや誰もやらないことをやるのが今の冒険者たちなので、どこもそう代わり映えはしませんよ。遺跡、討伐、採取、固定買い取り、ああ、ゴミ掃除ドブさらいなんかもあります。後はマッピングですかね。そうそう、ここは近くに管理されたダンジョンがあるのでダンジョンモンスターの間引きなどもありますか」
「マッピングですか?ダンジョンとかの?」
「いえ、世界のマッピングです。まだまだ広大なこの大地を調べ尽くしたわけではありませんからね。」
「なるほどー。まずは採取して生活費稼いでから他をチャレンジしてみます。」
「それがいいでしょうね。常に需要もありますからね。こちらが群生している場所の地図です。個人的にはスライムを倒してスライム液を採取するのがおすすめですね。錬金がいまブームなのでスライム液の中和剤が高く売れるのですよ。100cc10銀貨が相場ですね」
「った……!く、詳しくどうも。じゃあスライム倒してみますか。どこらへんに生息しているんですか?」
「水辺によくいますね。まれに巨大化したスライムがいるので見つけた場合はギルドまで。騎士団が退治に向かいます。」
「じゃあ水辺の草を採取すれば一石二鳥か。明日の早朝から行ってみます。」
「液体なので防水加工された入れ物をお忘れなく。」
「はーい。」掬うためのコップと、防腐加工されたヤギの胃袋を購入しておきました。
次の日の早朝、水辺へGO!森のなかに佇んでるみたいなんだけど、木を難なく避けて走ることができる、お狐パワー絶大だなあ。
スタコラサッサと駆け抜けて1時間位で水辺に到着。さーどんどんスライムを倒しちゃおうねえ☆
「いけっ!」プチューン
「いけっ!」プチューン
これは余裕ですね。結構群れていたので警戒したんですがオーブの体当たり一発でスライムコアが壊れて液体になっちゃいます。オーブも5個浮かべさせられるようになったので高回転でスライムを潰していきます。私はコップで液状化したスライムを掬い上げてヤギの胃袋に詰めるお仕事。
いやーオーブのスキルLv上がると結構いい感じに動いてくれるようになりますねえ。威力は上がってるような上がってないような感じですけれども。
よし、詰めきったぞ。次は採取だ。ブルーローズがこのあたりに生息しているらしく、期限付きの高額な依頼が出ていたんだよね。オーブ3体はスライム潰しながら、2体で偵察だー
ないな。探し方が悪いのかもしれない。想像よりもっと小さくて……あ、こっちにありそうな予感がする。あー!これっぽい!かなり小さいんだね。えーと、根っこごと掘り返して……よし、小さめのずた袋に入った。後は生活魔法から水を出してかけつつゆっくり歩いて帰るだけ……
あ、失敗した。
なんということでしょう、生き残ったスライムが液状化したスライムを吸収して巨大化してしまったのです。やばいやばい逃げなくちゃ。本当に失敗した。
ブルーローズがあるからゆっくりしか歩けない。でもスライムはジリジリと追ってくる。おそらくオーブを突っ込ませてもあまり効果がない。エネルギーを溶かされてオーブコアが丸裸になってしまうかもしれない、それはまずい。ぐぬぬぬぬぬぬ。
とりあえず
「ディメンションコンプレスキャノン!!ショット!」
ズドーン!!
あーくそ、コアまでたどり着かないよ!!Lv15くらいの私じゃ何もかも足りない!
スライムはずーりずーりと私を追ってきてる。接触した木なんかは一瞬で溶かして進んでる。スライムの後ろは草木1本生えてない。
このままじゃ死ぬ、しょうがないけどブルーローズの保存状態をある程度諦めよう、お狐疾走!ちょっとだけ!
流石に私の全速力には敵わないので見る間にスライムが遠くなっていくよ。これだけ距離がアレば大丈夫かな。跡はギルドに連絡……え?
なんてこった、スライムがジャンプして一気に距離を縮めてきたよ!これはまずい!全速で逃げよう!
逃げる私とジャンプで追いつくスライムの追いかけっこは王都付近までつづきまして……最終的には騎士団の魔術旅団の超強力なストーンバレットによってコアを貫かれてスライムは討伐されました。私は準備ができるまでグルグル王都の壁の周りを走り回って囮になってました。
「よく死ななかったですね。」
「反省してます……」
「いえ、反省することなど無いですよ、あれによって大量の錬金術の薬剤が手に入るのですから。しかしなんで追われたんでしょうね。」
「どうもスライムの液体を吸収して成長したようでして、私の手元にもスライム液がありますから恐らくそれを狙って……」なぜか冴える頭
「なるほど、今度から注意喚起をしなければなりませんね。それにしてもお疲れ様でした。ブルーローズは仕方がないでしょう。」
「そうですね……スライム液を売るために買い取り所に行ってまいります。」
買い取り所にて
「やあ、災難だったね。とりあえずスライム液を買い取ろう。どれくらい取れたかな。」
「ヤギの胃袋2つほどですね。」
「おお、かなりの量だね。重さを測って胃袋ごと買い取りたいんだけどいいかな?胃袋の代金はもちろん加算されるよ」
「それでお願いします、もう疲れた……」
「えーと、2Lくらいかな。胃袋と合わせて210銀貨、2金貨と10銀貨でどうかな。」
「ぴゃー、そんな値段で売れるんですか!スライムすげえ!売ります!そして武器を買うんだ!」
こうしてお金が手に入った私は武器屋さんに意気揚々と向かうのでしたー
レイ 冒険者
Lv15
HP142
MP41
STR60
DEX83
VIT52
INT67 (魔力としての)
WIL63
CHA39
スキル
オーブ使いLv6 短槍使いLv4 剣使いLv4 無属性魔法Lv4 生活魔法 睡眠耐性Lv1 疲労耐性Lv3 暗視Lv1 罠解除Lv1 積載増加Lv1 肉体強化Lv2(全てに+3) 第六感Lv2 お狐耳センサーLv2 お狐の疾走Lv3
ユニーク(カード表示不可能)
お狐族 お狐の身体 お狐の機智 毎日少しの努力が出来る子
装備
魔法使いのローブ バデッドアーマー 革の防具一式 短槍 ソード リュックサック 複数のずた袋 薬やポーション、小銭が入っている複数のベルトポーチ マジックポーチ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます