第3話 救援
「ううーん……」
「お、目を覚ましたかちびっ子。ゴブリンキング討伐ありがとな。」
「えーと、ギルマス!?魔物大行進(スタンピード)はどうなったんですか!?後ここは……ギルドの二階ですね、負傷者の治療所になってますか。」
「ああ、今はこの冒険者ギルドで籠城中だ。ここは集会所も兼ねてるからな」
「なるほど、それでギルドが大きかったんですね。それであと何日持つ……ああああ!オーブの核!倒れたから回収してない!」
「ああそれは恐らく回収してある、これだろ?ゴブリンキングの『穴』から出てきたものだ。」
「あ、これです。ありがとうございます。」
「それで、あと何日もつかだが、2日ってところだな。しかしそれまでに確実に救援がくる、安心しろ。」
「はーい。」
というわけで安心して休みました。いや力振り絞ったから今やれることなんて救急医療くらいだし。それはしましたよ
ちなみに私達が対応した壁の崩れの他に門が破られてそこはギルマス連中が対応したのですが、もう一つ壁が崩れたのでギルドに撤退したそうです。
ああそう、私達のところはゴブリンキングが倒されたのを契機に整然と撤退したそうです、練度高いな。
さて半日ほど休んだらオーブを浮かべることができるようになったので私もギルドの屋上の狭間からオーブを当てていくことにします。心なしかオーブの威力が上がったような?稀にノーマルゴブリンを即死させてますね。
しかしいちいち狙うの面倒だなあ、自動迎撃モードならぬ自動攻撃モードにして狭間の間で私は隠れていよう。やれっ!
とやった自動攻撃モードは失敗しました。敵味方識別が出来ずにふわふわ浮いて止まってしまったのです。うーん、後で条件定義を作ろう。今は矢や魔法を防ぐ自動迎撃と、敵を倒す手動突撃で賄おう。
因みにギルドの二階までは強固な結界がはられていて内側も外側も何も通さない仕様になっていて、三階というか屋上は炎上などを防ぐ結界が床面にはられているので割と安心して射撃に専念できます。それも後一日半くらいだそうですが……
籠城戦三日目、これ以上は結界が持たない日となりました。本当に救援来るのかな……ちょっと不安になってきました。冒険者や守衛にも動揺が広がっています。
「こちら弓矢隊、矢が付きました……!」
「石も岩ももうないぜ!!」
「魔法部隊もマジックポイントが枯渇気味です!!」
やばいよギルマスーどうするの?
「白兵部隊は何人だ?」
「戦えるものは15名ほどです!」
「わかった、結界が割れたと同時に打って出るぞ。狙いは上位種のみだ。上位種が倒れれば後は烏合の衆とかす!」
ギルマスーそれ死にに行くようなもんだよー!まだまだ雑魚が多いよ、後ろに陣取る上位種に辿り着かないよー!
とまあその時でした、少し遠い村の外から狼煙が上がりました、これはまさか……!
「救援が来たぞ!」
うおおおおあお!
その場にいる人みんながすごい雄叫びを上げていました、私も叫んじゃった、助かる!
「しかしこちらの状況がわからないと動きようがないぞ。あちら側の門は壊れてないから入れない。よし、屋上から狼煙を上げよう、真ん中まで入り込まれていることを示せると思う。」
さすがギルマスあたまいいー!
というわけで屋上で狼煙を上げました。結界が張ってあるから少し難儀したよね。
「こちら救援隊、包囲されていることを認識した!壊された部分から入り込むゆえ、呼応して内側から打っでてもらいたい!」
おお、
「よし聞いたなお前ら!呼応して行くぞ!」
おおー!
私も槍と剣が使えるので打って出ることに。攻撃してくるやつは自動迎撃があるしね。
わー!という声と共に門から崩れた壁から救援部隊が乗り込んできました!こちらも打って出るぞー!うおー!
打っでてたときは槍、それから乱戦になった時からは剣でバシバシ!!オーブの迎撃も素晴らしくて敵の武器を体に近寄らせません!
救援来たと言っても一時間くらいは乱戦していたと思います、しかしギルマスがホブゴブリンウォーマスターを仕留めたときには大勢が決していました
勝った!!
この後は村人たちのやることです。壁を直したり門を直したり。もちろんギルドには依頼が出ているので手伝いますが。救援隊は被害状況を聞いて帰っていきました。騎士団がメインだったかな?こういう土木作業には向いてないわね。
あ、一応報奨金はもらいましたよ。雀の涙ですけれども。魔物大行進(スタンピード)は自然災害なので出会ったら対応するのがこの世界の掟なんです、だから報奨金も武具を直せる程度のみ。5銀貨くらいですかね。それと数日間の無金宿泊権利くらいかな。ギルドに泊まると大体1銀貨で眠れますので3~4銀貨分ってところですか。こんな感じですね。都会じゃあ違うでしょうが。
あ、そういえばステータスチェックしてなかったですね。この土木作業が終わったら図ってみましょう。
えーと、どれどれ
レイ 冒険者
Lv12
HP95
MP26
STR32
DEX46
VIT32
INT45 (魔力としての)
WIL43
CHA28
スキル
オーブ使いLv4 短槍使いLv3 剣使いLv3 無属性魔法Lv2 生活魔法 お狐族化最中
装備
魔法使いのローブ 短槍 ソード
え、結構上がってますね。つーか6Lvも上がってる。私の16年間とこの3日が同等。MP、本当上がらないなあ。
後は順当に上がってるかな、MP以外の成長率はかなり良いみたいなんですよね。
スキル結構すごくないですか?オーブ使いLv4ってこととMPの増加からして4つ浮かせることができるかもしれませんね、浮けー。おおおおおおお4つ浮いた!オーブコアは無駄に持ってますからね、へへへへ。親の形見ですし。
無属性が上がってるのはなんだろう、雷撃をまとわせたからとかでしょうか?でもあれはオーブ使いの範疇なんですよねえ。うーん、不思議。
一番不思議なのはお狐族化最中ですね。確かにこの世界は亜人さんがいっぱいいらっしゃいますが、生まれたときに何族か決まっていてこういう変化してまーすというのは聞いたことがないです。うーん。親は普通の人でしたし。
まあいいや、俊敏性も力も上がってゴブリンくらいは倒せるようになった、はず、だ……。オーブの威力もINT上がったからかなり強くなってるはず。それでいいや。村を直すのが終わったら街道を歩いて次の街か村に行こうっと。
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