第22話
【レイサイド】
オープン戦が終わり1軍で先発ローテーションが決まった。また、一段成功への道が出来てきた嬉しい限りだ。今日は休養日ということで、午前中はシャワーを浴びてゆっくりしていた。
甲子園球場に近い兵庫県の神戸市の中心のマンションを球団が借りてくれた。
何もかも順調だ。髪を乾かしテレビをつけるとこの国と大国が共同して月面に基地を作って1000万人が暮らせるドームを作るとかなんとか言って
評論家達はワイワイ騒いでいる。コールドスリープの実験も成功して100年寝れるらしい。
あんな空の上に人が住めるとこを作って100年寝れる装置・・・・身体壊れるんじゃないのかな?
俺には関係ないだろう・・・・。
大国と大国が貿易摩擦が酷くなり緊張状態が続いているだの、ミサイルをいつも撃っていた国がまたミサイルを撃ち始めただの、レーザーを照射したかの国が同盟を脱退しただの、きな臭いニュースが流れている。
着替えが終わると、ピーンポーンとチャイムが鳴った。
モニターを見ると間宮さんが玄関の前で待っている。「今開けるね」と言って玄関の扉を開けた。
「レイ。おはよう!今日は色々買い物いきましょう」
「OK。じゃ出かけよう」と言って車に乗せてもらい大阪に向かっていった。
心斎橋のアメリカ村という所に連れていってくれたのだが・・・お祭り??というくらい人がいる。
たこ焼きやお好み焼きが大阪では美味いと聞いたので、目の前の店で並んでたこ焼きを買おうとしたら、
「レイやん。俺はタイヤーズのファンなんや、きばってや~」
と言って「驕りだ。頼んまっせ!」と親指を立ててニコニコしながら渡してくれた。大阪の人は優しいね。
間宮さんと2人で爪楊枝でほうばる。アツアツで口の中やけどしそうになる・・けど、美味い!熱いのに美味い!間宮さんも涙目になりながら熱い熱いと食べている。
服を買ったり、喫茶店に入りお茶をしながら色んな事を話していた。
なんか楽しいぞ!と喫茶店を出た時、少し離れた所でドーーーーーーーンと大きな音がした。
大勢の人々が「何があった」「事故か?」「爆発じゃないのか?」「ミサイルか!?」と色々話しながらパニックになっている。
「間宮さん、ここは危ない。車取りに行ってここを離れよう」というと「ええ」といい2人で車を取りに行った。
駐車場も大混乱で皆車を出そうとしている。やっと駐車場を出た時、2回目の爆発音がドーーーーンと聞こえた。
神戸の自宅に戻ると、テレビで心斎橋の爆発のニュースをしていた。
自爆テロで200人以上の負傷者が出ている・・・・大丈夫だろうか・・・。間宮さんを見ると顔が真っ青になっていた。間宮さんに聞くと一人暮らしで帰るのも怖いそうだ。
「女性に言うのは失礼かもだけど、ここなら安全だと思うから空いてる部屋に泊まっていけばいいよ」
と言うと「ありがとう」と笑顔でいい。「じゃお言葉に甘えさせてもらうね」と言って嬉しそうに準備していた。
テレビを見ていると世界がおかしい方向にドンドン進んでいるように感じるが一般人の俺には何も出来ない。
朝になり、テレビをつけるとって・・・俺は何もできないヘタレです!ハイ!
この国の首相が、テロには屈しません!とか機動隊のパトロールを増やします!とか言っていた。
昨日のテロは、アジア人による自爆テロらしく国籍は不明とのこと、怖い世界にならなければいいが・・・・
俺はというとあさっての開幕3戦目の先発を任されているので、今日から球場で調整をしていく。練習や調整のメニューも球団が決めてくれてるので楽だ。
間宮さんは、出勤しないといけないとのことで、今日は出社し自宅に戻るとのことで朝早くからバタバタして出て行った。
球場に着くとストレッチ、軽いランニング、体感トレーニング、キャッチボール、遠投などやって自宅に戻ってシャワーを浴びると玄関のチャイムが鳴る。
モニターを見ると間宮さんがいるので出ると晩御飯にと弁当を作ってきてくれた。嬉しいよね。
お礼をいい上がっていくか聞くと、今日は帰るとのことで帰っていった。
そんな日が続き、公式戦初先発の日がきた。
と、野球選手として輝かしい成績を残し5年の月日が経ち数々のタイトルを総なめにし、タイヤーズのエースとなり間宮ミナさんにヘタレプロポーズをし泣いて喜んで
もらい。地球のこの国にて確固たる地位を築いて、6年目なのだが・・・・あの国が撃ったミサイルの軌道に異変があり、横須賀の大国の軍事基地に着弾した。
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