第21話
アイテムボックスからシーツを出しひいて鳥人間さんを横にして3人を待っている。アイテムボックスからサンドイッチと竹の水筒を出し岩に座りながら休憩をしていた。
しばらくすると3人が帰ってきた。「兄貴~今日も大量ですぜ」「主殿、これこれ」と2人がとんでもない位デカイ猪を2匹ドーンと地面に置く。
それにビックリしたのか、鳥人間さんが起きた。
鳥人間さんを見た3人が「誰です」と覗き込んでる。ビックリした鳥人間さんが「うお」と声をあげ、その表情に自分は笑ってしまった。
「失礼しました。私は鳥人族のロッドと言います。仲間と旅をしてグランツに向かっていたのですが、ワイバーンの300以上の群れに襲われ仲間は全滅・・・
命からがら逃げてきたのですが、最後の1匹に執拗に追われ翼を食いちぎられようやくここまで逃げてきたのです。命を救われました。身体も元に戻して頂きありがとうございました」
とお礼を言ってくれる。
「いあいあ、頭を上げてください。自分は冒険者をやっています。ショウと言います。こちらは仲間のセキトさんザンテさんソフィアさんです。
この近くで依頼をこなして休憩していたときに空にロッドさんを見つけて・・・あとはご存知の通りでして」
「なるほど。本当にありがとうございます。実はグランツには仕事を探しにきたのですが、命を救って頂き、怪我まで治して頂き、何もお返しすることができません。
もしよければなのですが、私も多少の武術を扱う身です。貴方のお仲間に入れてはいただけないでしょうか?」
と聞いてきた瞬間、鳥人族を仲間にしますか?yes/noといつものアナウンスが流れてきた。
鑑定を使う。
氏名:ロッド
年齢:75歳
職業:鳥人戦士、槍戦士
分身SLV5 槍SLV10 剣SLV7 飛行SLV10
とあった。強い!でも、皆歳いってるなぁ・・・・。
「自分の仲間になっても本当にいいのですか?」と聞くと「はい!」と片膝をつき「どこまでも主君に尽くす所存でございます」と頭を下げて言われたので
yesと頭で返事をし、「こちらこそ、これからよろしくね。ロッドさん」と言うとニコッと笑って「これからよろしくお願いします。主君!」と言ってくれた。
「今日はコウさんアンナさんロッドさんと3人も仲間になってくれたねぇ。宴会しようお祝いね!」と言うと、4人は「おお」とか「やった!」とか
喜んでいたが、朝の二日酔いを早くも忘れているようだ。まぁ祝いだしね、と自分も駄目な大人の仲間入りをした。
ワイバーンの事をロッドさんに聞くと、ここから3~4時間位の所にいるということなので、セキトさんに変身してもらい全員背に乗って向かってみると、
いたいた・・・・うようよと・・・。
そのまま、群れに突っ込んで行きセキトさんはブレスで、皆はそれぞれの武器で倒して落としていく、途中ザンテさんは地面に降りて落ちたワイバーンを倒していく。ロッドさんは自ら飛んで渡した剣で斬り込んでいった。ソフィアさんは戦いにくいみたいで、魔法で倒し始める。
ほぼ全滅させた所で2~3匹ほど山のほうに逃げていった。死体を全てアイテムボックスに入れセキトさんの背に乗ってグランツの郊外に降ろしてもらい
セキトさんも変身して元に戻り門から街に戻ってギルドに向かうことにした。
ギルドの受付に依頼の癒し草と討伐部位を渡し、依頼達成を受理され、ワイバーンの話をすると慌ててギルドマスターを呼びにいった。
「グランツの冒険者ギルドのマスターをしている、ボルドーだ。よろしくな」と挨拶を交わす。
むっきむっきの筋肉にタンクトップ、ところどころに傷跡があるおじさんだ。
「早速なんだが、ワイバーンの群れが居たとの事だが本当か?」と聞かれたので
「発見して、2~3匹残して全て討伐しました」と言うと目を丸くしてビックリしている。
「Gランクの冒険者が倒せる訳ないだろう!?」と言われたので「倒したワイバーン持ってきてますよ?広い場所があれば出せますよ?」
と言うと裏の倉庫でということになりアイテムボックスからどんどん出していく。
「ちょちょっと待て・・・何匹いるんだ?」
「270~280位?肉や素材が取れないのは焼いてきたから、それぐらいにはなりますよ?」と言うと
「解った。全部ギルドで買い取るから出してくれ」と言われ「肉は美味いんですか?」と聞くと3人男衆が『美味い』とハモったのでクスクス笑い、
「うちの食いしん坊がこう言うので10匹分肉をください」といい肉を貰うことにした。食いしん坊と言ったことに3人が照れている。
戦うと強いのにこういう所はかわいいというか愛嬌があるというか。
解体や査定は2日かかるという事なので家の場所を教え、2日後来る事を伝え帰ることにした。
家に帰るとコウさんとアンナさんが母屋で掃除をしていた。
「おかえりなさい」と迎えてくれる。こういうのいいよね。と嬉しくなった。
コウさん、アンナさんの事をロッドさんに紹介したりして、順番に風呂に入り今日はBBQにして宴会にしようと言うと皆ニコニコしながら準備を始め宴会になった。
コウさんとアンナさんがソフィアさんの時のように遠慮したりイスに座らなかったりしてたので、自分の方針を話し「準備とか片付けは仕事として頼むけど過剰な遠慮はなしね。仲間だしね」と言うと「えええ」とビックリしていたら、ソフィアさんが「普通はそういう反応なんですよ」と「私と同じ反応で安心した」と言い。最後には「ショウさんは変わってるんです」と言うと皆納得してゲラゲラ笑っていた。文化の違いか・・・自分も笑った。
そうこうしてると今日取れた猪肉が美味しそうな匂いを醸しながら焼けていく。食べてみるとむちゃくちゃ美味かった。
「美味い!」と言うと「兄貴~うまいだろ!」とザンテさん。うんうんと頷くと「セキトの兄貴と1匹づつ狩ったんだぜ」と胸を張ってドヤ顔してる。
「その程度まだまだ」とセキトさんが言うと「セキトの兄貴、もっと美味い肉今度狩ってこようぜ」と「おうおう」とセキトさん。「じゃ頼むね」と自分が言うとロッドさんが「私が上から探しますよ」と言う。セキトさんが「それは楽でいい」と言うと皆がまた笑い出す。
オチにソフィアさんが「野菜は私が買っておきますね」の一言で大爆笑!
仲間に恵まれていると実感しながら宴会は深い時間まで続いていった。
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