第17話



翌日、目が覚めるとサッズさんから店舗の方へ来るように言われたので行ってみる事にした。

表に回り店の方を見ると奴隷商店と書いてある。人身売買本当にやってるんだ。

と実感したが道中の奴隷さんたちの皆さんを思い浮かべ習慣が違うのだからと思うことにした。

店舗に入り階段を降りると応接室と事務をする為の机などがあり一部を除いては、普通の事務所だが奥の壁だけは違っていて檻の様に格子が入っていた。


「ショウさん、約束通り奴隷を一人選んでください。お題は結構です。但し、気にいって頂けたら次回からうちで購入お願いします」と、営業され「ええ わかりました」と伝えて見せてもらうことにした。


5人の男女の痩せた人達が連れてこられた。

冒険者の厳つい脂肪のない男性、同じくボディービルの出場者のような女性、普通の女子高生くらいの女性、街を歩いているような男性、睨み付けるじいさん


「いかがですか?」とサッズさんは聞いてくるが、この5人は道中で一緒だった人達ではないしピンとこなかった。


「サッズさん、申し訳ないこの人達はピンとこないよ。ごめんなさい」と言うと「いえいえ、大丈夫ですよ」と言ってくれた。


「ショウさん、もしよければ要望というかお望みの奴隷ってないか聞いていいですか?」と聞かれたので、「サッズさんのところで持て余してるというか、問題になってる人達を見せてもらっていいですか?」と聞いてみることにした。

貰えるとの事だし、売れそうな人は買われていくのだろう。問題があり買われない人、そういう人を貰い受けどうしても問題なら開放してあげればいいと軽い気持ちで考えていた。


「本当によろしいので?」と言われ「はい」と答えると2名連れて来られたが・・・

両足両腕がなく目の見えない女性と鎖で身体中縛られた虎男だった。サッズさんが説明する。


「女性の方は貴族様の家でメイドとして働いていましたが、帝国の間者を貴族様の家に間違って入れてしまい斬られてこのような姿になりました。生憎賊は捕らえられ即、軍に引き渡されました。

獣人のほうはどうやっても言うことを聞きません。なので仕方なく鎖で繋いでおります」


「なるほど」と言い「話してもいいですか?」と聞いてみると大丈夫との事なので話してみる事にした。


別室に通され、女性が運び込まれたので話をしてみる。


「お名前を聞いていいですか?」 「ソフィアと言います」 話はできるか・・・「家事や料理はできますか?」と聞くと「この身体では難しいです」と泣き始めた。

鑑定スキルを使い鑑定してみると、


氏名:ソフィア

年齢:26歳

職業:メイド、魔術師

家事SLV5 料理SLV7 火魔法SLV1


となっていた。 あれ?詳しく見れるようになってる。


「この身体になる前はできていました?」と聞くと泣きながら「はい」と答えたのでここで一旦獣人と話す為、応接室に戻る。


続いて獣人だ。「名前は教えてもらえる?」と聞くと「うるさい!黙れ!」と怒鳴られた。ふむふむ、まぁこうなるはね。

鑑定スキルを使う。


氏名:ザンテ

年齢:85歳

職業:獣戦士

格闘LV8 剣スキルLV5 槍スキルLV10


「自分があなたの主人になると言っても教えて貰えませんか?」と聞くと、クンクン匂いを嗅ぎ始めた。

「ドラゴン?」なんて呟いている。


「お前は何者だ!魔力や匂いも普通の人族ではないな?俺を買ってどうする?」と聞いてくる。


「自分は冒険者です。魔物を狩って生計を立てています。一緒に冒険しませんか?」と聞くと


「冒険者か・・・俺をちゃんと戦士として認めるか?」と聞いてきたので


「戦士として働いてくれると助かる」と言うと「解った」と素直になり頭に虎人を仲間にしますかyes/noと出てきた。

お!?久々に!という事でサッズさんに「2人はダメですか?」と聞くと、


「食わせるのに困ってましてね。もらって頂ければうちとしても助かりますが本当にいいので?」と聞かれたので貰い受ける事にし、ソフィアさんの所に行きスーパーグレーターヒールをかけると見る見るうちに手足が元に戻り、暗い場所で目の包帯をはずしてみると泣きながら感謝を~感謝を~とずっと泣いていた。その光景を見ていたサッズさんもビックリして腰を抜かしていた。服を用意してもらい「これからよろしくね」と言うと「ご主人様よろしくお願いします」とまた、泣きそうになるのでサッズさんに任し獣人の所にいく。


「もう名前教えてくれてもいいんじゃないのか?」と聞くと「ザンテだ。兄貴」と教えてくれた。


「ザンテさん自分と契約しますか?」と言うと決心したのか「よろしく頼む」と答えたので、虎人と契約しますか? yes/noでyesを選択、従魔になるが奴隷契約も残っているのでサッズさん所に行くと大人しくなってることにサッズさんもビックリしていた。


2人と奴隷契約をする事をセキトさんに話をして契約を済ますとサッズさんは嬉しそうに「ありがとうございました」とお礼を言ってくれる。


全部の手続きが終わると昼になっていた。サッズさんにお礼を言い。

4人でサッズさんの家を出ることにすると奥さんや子供達も挨拶してくる。

お世話になったなぁ「ありがとうございました」と頭を下げサッズさん家族と別れた。



冒険者ギルドに行って、まずは2人を登録しないと!と冒険者ギルドに行き問題もなく登録しちょっと遅い昼飯の為、食堂に来るとソフィアさんが座らない・・・・「ご主人様の残りをいただければ・・」なんて言ってる。

とりあえず「座ろう」と言ってイスに座らせ話をすることにした。


「まずは、飯でも食べながら今後の話でもしよう。2人には色々話しておかないといけないことがあるがまずは飯!」と言うと2人の従魔は笑い出す。


「主殿はわかってらっしゃる」とセキトさん。何をわかってるんだろうと首をかしげると、2名はまた笑い出すのでツボが違うのかな?と思う。


日替わり定食を4つ頼みしっかりソフィアさんにも食べてもらうと感動してまた泣きそうになる。


「まず、仲間になってくれてありがとう。

これからザンテさんソフィアさん2人には戦闘や身の回りの世話など頼むと思うのでよろしくね」と言うと

「任してくれ!兄貴」「がんばりますのでよろしくお願いします」と返ってきた。


「今後の予定としては、この街を中心に一旦の拠点としようと思うんだけどセキトさんどうかな?」


「わしはそれでいいと思うぞ。街も大きいということは飯も美味い所が多いのだろう?」


「確かに食堂や酒場も多いのだけど、折角だし人数も増えたし借家を借りて自炊しながら暮らしていくのはどうだろう?」

と言うと皆ニコニコしてるので借家を借りることにした。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る