第13話


紅白戦もうまくいき、間宮さんに聞くと首脳陣の評価も上々ということでよかったなぁと一安心。

今日はブルペンで投げ込みとのことで早速行って肩を作る。

さぁここから気合をいれて・・・と、キャッチャーの桜野さんがこっちへきた。


「レイ。投げれる球種教えてもらっていいか?」


「球種と言ってもわからないので一通り投げていいですか?」


「OK。じゃ色々投げてみて」


と戻っていった。紅白戦じゃストレートと縦スラしか投げなかったしな・・・全部投げてみるか。


フォーク SFF カット シュート 横の高速スライダーetc 鳥を石で落として酒の肴にしていたので、曲げたり落としたりは小さいときから練習していたので得意なんだよな。


桜野さんが近づいてくる。


「レイ凄いな。ストレートも凄いけど変化球も多彩、それよりもコントロールが凄いよ」


「うーん。凄いと言われても・・・俺はこれが普通と思ってて・・」


と言うとクイ気味に興奮した桜野さんが話してきた。


「いあいあ、これはめちゃくちゃ凄い事なんだ」


「そうですか・・・まぁがんばりますよ」


自分じゃ何が凄いかわかんないや・・・とりあえずストレートを桜野さんに投げる事を話して投げてみる事にした。


「桜野さーん。速球投げるんだけど動かしていい?」


「え!?ムービング?いいよー色々投げてみて~」


よし、ブレるボールよく投げてたなと思い出し投げてみることにした。


動く動く楽しい。普通のストレート。動くストレート。回転を変えるストレート。


「レイ。ちょいタンマ。まって」と、桜野さん。1軍投手コーチの遠川さんと話してる・・・。

遠川さん怖いんだよな・・・。


「レーイー。ストレート全部投げてみー」と遠川さん。「はーい」と返事をしてまた投げてみる。


「これ使えるぞ。桜~うまくリードしてやれよ!」と言い別の投手の所にいった。


桜野さんが「まだ投げれる」と聞いてきたので「まだいけます」と言ってトータル100球投げた所でスタッフさんが止めにきた。








昼食を食べて食休みしてると清泉ヘッドコーチが「昼から気分転換に投手陣バッティング練習やろう」と言ってきた。

昼食後、グランドに行くとバッティングゲージが3箇所ある。そのうちの右側を使っていいと言うことなのでバットを持って

入ってみると、スタッフがバッティングピッチャーをやってくれるのでその球を打つらしい。

この前の紅白戦はDHだったからバッティング出来なかったんだよな。


カコーン。カコーン。気持ち言いフルスイングでカコーン。カコーン。ホームランをガンガン打ち込んでいると後ろが

ざわざわしている。気にせずガンガン打ち込んだところでバッティングコーチの掛山さんに声をかけられた。


「レイ~ちょっといいかな?」


「はい」


「ひじょーにいい打撃だね。軸がブレてないし、構えもどっしりしてていい。このまま変な癖を付けないでやっていってほしい」


お?褒められた?嬉しい!!


「はい ありがとうございます」と言うとニコニコしながらうんうんと頷いて別のゲージに行った。

この人はタイヤーズで4番サードでミスタータイヤーズと言われた人だ。そんな人から褒められると嬉しいよね。





さらに、日にちと時間が過ぎていき、いよいよオープン戦が始まる。オープン戦第1戦目の先発に指名された。

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