第11話


借家が決まるまで球団の寮で仮住まいということになった。

オプション契約とやらがあり球団が借家とお世話をしてくれる人と寮を手配してくれるらしい。税金等もわからないので球団にお任せした。


その日の夜、入団祝いということでイザカヤという酒場に来ている。


席に座ると暖かい布とオトーシといわれる小鉢が運ばれてくる。

「レイさんはお酒は飲めるの?」と加藤さん


「強くないお酒なら」というと、エールがガラスのコップにいっぱいに運ばれてきた。

久々のエールだ!こちらではビールと言うらしい。生ビール?色々種類があるみたいだな。


「入団のお祝いです。乾杯!」


「かんぱーい」


グビグビグビグビ・・・・うまーーーい!

キンキンに冷えてて喉越しもサイコーさらに味もサイコー!

うまーーーーーい!全部飲んでしまった・・・・。


「おかわり頼みますね」 と加藤さん。わかってらっしゃる!


つまみも サラダ 鳥のから揚げ 魚の刺身・・生の魚・・・

食べたら全部旨かった・・・この世界に来てよかった・・・幸せだ・・・。




至福の食事の時間も終わり、寝床の寮の部屋を案内された。明日は入団会見というイベントがあるらしい。


部屋に入るとベットの上に服が透明の袋に入って三着ほど用意してあり、その横に皆が着ていたお揃いの服が三着用意してあった。

袋を開けて確認していると「コンコン」とノックする音が聞こえたので「はい」と返事をして出てみると、


「はじめまして、寮を管理している田中と言います。よろしくお願いします。もうすぐお風呂ができますので着替えとタオルを用意してついてきてください。タオルはそこのタンスに入ってます。」


「はじめまして、レイと言います。よろしくお願いします」

と返事を返して指示されたタオルを取り下着や寝間着をとり着いていくと大きい風呂があった。

「おお 大きい風呂ですね!」と言うと


「選手が大勢いますからね」とニコニコ田中さんが笑っていた。


「レイさんは外国の方なので少し説明しますね。湯船に入浴する時はかけ湯もしくは先に身体を洗ってから入ってください。これで身体を洗いこれで頭を洗ってください」

と色々説明を受けた後、風呂に入った。


ふぅ~クラウディアでは貴族か王族くらいしか風呂なんて入れなかったのに来て2日目で風呂に入ってる・・・・。

運がいいのかな?まぁこの世界でもどこでもそうだけど楽しんだもの勝ちだよね。くっくっくっと内心笑っていた。



翌朝、洗面所らしいところで顔を洗っていると


「はじめまして、広報担当兼レイさん担当になりました。間宮と言います。よろしくお願いします」

と、間宮さんという笑顔のかわいい女性と会うことになった。





「えー この度、大阪タイヤーズに入団いたしました。 投手のレイ選手です。最速181kmの速球と縦に割れるスライダーが特徴です。背番号は61です」


「タイヤーズに入団しました。レイと言います。よろしくお願いします」



凄い眩しい光を浴びながら色んな質問を受ける。好きな食べ物や日本に来た経緯等、間宮さんに教えてもらった受け答えで無難に終わらせていく。


「最後に今シーズンの抱負とファンの皆様に一言お願いします」


「タイヤーズの勝利の為にがんばりますのでよろしくお願いします」


と、返事をして退出した。





凄く勘違いしていたことが、間宮さんにバレた。会見前に食用の動物を倒すのになんで会見を・・・と聞いてしまったのだ。

その瞬間、間宮さん大爆笑。それから、自分は野球をする事、野球とはボールをバットで打って得点を入れて、

または打たせないようにして守ったりするスポーツ。

ルールやバット、ミット等の道具なんかも教えてもらって会見に臨んだ。

こういう闘技場のような大会をしていくスポーツであることをようやく知ったのでした。



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