第10話


おっさんについていくとジムショと言われる建物に行くことになった。中に入ると黒髪のおねえさんがいる。

そういえば、会う人みんな黒い髪に黒い瞳だ。自分みたいに金髪に青い瞳は珍しいのかな?


なにやらさっきのおっさんとおねえさんが話しをしている。


「はじめましてレイさん。大阪タイヤーズスカウト担当の加藤と申します。

 こちらの方は、2軍監督の谷本さんです。よろしくお願いします。」


「は、はじめまして」

と2人と手を握った。お姉さんが加藤さん。おっさんが谷本さんね。

ギルドの受付嬢と2軍?副ギルドマスターかな?


「早速ですが、我がタイヤーズではレイさんと契約したいと思っています。レイさんはどう考えていらっしゃいますか?」


「どうと言われても・・・昨日こちらに来たばかりで・・・どうにも事情がわかってないのです」

契約ってなんだろう・・・


「おお それはタイヤーズ以外の入団試験等受けてはないのですね?」


「ええ 受けてません」

ああ これはこのギルドの他に入る予定があるかどうか確認しているのだな。


「では、タイヤーズに入って頂くということでよろしいですか?」


「はい。入れるのでしたらお願いします」これも何かの縁だろう。


「わかりました。確認ですが昨日からこちらにと言うことは、昨日から日本に?」


「ええ 昨日からこちらに来ました」


「かしこまりた。今までの野球経験を教えてもらっていいですか?」


「野球?野球とはなんですか?」


「ベースボール 野球です」


「やったことはないです・・」


「はっ!?野球やったことないんですか?」


「谷本さん大丈夫ですかね・・?」加藤さんが心配そうに谷本さんを見ている。


「まぁ色々こちらで教えますし、これだけの逸材・・是非!!」


「わかりました。では、谷本さん推薦ということで球団幹部の方と1軍監督の矢上さんに見てもらいましょう」


「そうですね。それがいいでしょ」と谷本さん


「ということで、この空いた時間にレイさんは私と一緒に市役所に行ってみましょう」


「市役所?わかりました」何もわかってないけど、ついていくことにした。






鉄の箱に乗り市役所まで行くらしいのだが・・・・早い!!!!景色が目まぐるしく変わっていく!



あっと言う間に着いた。役所か・・・色々書かないといけないのかな?

「レイさん。パスポートとかありませんか?」というので、アイテムボックスを後ろ向きになり探してみるとあった!


「こ、これでいいですか?」


「ありがとう。ここで座ってまっててね」



戸籍が解った。雨森レイ 22歳。この国の人間じゃなかった。

父は大国の人 母はこの国の人らしい。この世界に来たときの設定なのだろう。

そう思った時、頭に父や母、大国にいた時の記憶のようなものが頭に流れてきた。

既に、父母は亡くなっていて兄弟もいない。この国に母の姉妹がいたのだが亡くなっているとの事らしい。





手続きが終わりジムショに戻ってきた。話をしていた部屋に戻ると数人の人が谷本さんと話していた。


「おお 戻ってきたか!レイ早速もう一回投げてもらっていいか?」


「はい!」


と、さっきの広場に行くと同じ服を着た人が何人もこちらを見ていた。

まぁいいや気合入れて投げてみようか!


「ちょい待って!これ 履いて投げてな」と靴の底にデコボコした突起物のある靴を渡してきたので履いてみる。


サイズはぴったりだ。引っかからないかな?と思いながら軽く投げてみると・・・おお 力が腕に伝わる!


「じゃいきます!」


せーのードリィヤ!


ズドーン!!


「181kmです。すごい!」おおおおと歓声が聞こえる。


「これはすごいな・・・・・変化球はあるの??」変化球??


「えとー曲げたり落としたりできる??」


ああ投げるときに曲げるのか・・・


「やってみます!」


この辺に狙いをつけて・・・腕防具に狙ってセーノー!キュンと曲がり落ちて腕防具に収まった。


「縦スライダーに速球いいね!後はフィールディングにけん制教えれば上でも使えるんじゃないかな?」


「181って凄いな・・・外国人枠 空きあったよね?」


「あります。1枠空いてます」「じゃ決まりでいいんじゃない?」


と言うことで、またジムショに来ている。

「契約金2000万 年俸2500万で1年契約で如何でしょう?」


「1年間、活躍できれば年俸も名声もあがっていきます」


「当然、活躍できなくて成績も悪いと解雇・・クビになりますのでがんばってください」


「なにかありますか?」



「条件と言うことではないんですが住む場所と服、お金の管理をお任せしたいのですがお願いできますか?」


色々な手続きが終わり正式に大阪タイヤーズの一員になった。

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