第9話
さっきのおにいさんが言っていた、ホテルと言う宿かな?
すごい建物だ・・・透明なガラスで中が見える・・・貴族の建物か?・・覚悟を決めて入ってみるか・・と思い中に入ると王宮かと思わせるような広間が広がっている・・・
ここは庶民が来るところだろうか・・・?絶対、貴族か王族が泊まる様なところではないだろうか・・・
何人か同じような服を着ている人がいるので聞いてみることにした。
「ここは宿ですか?もし宿であるなら身分の高い人が泊まるようなところですか?」
「お客様いらっしゃいませ。ここは誰でもお泊りできるホテルでございます。身分の違いなどで宿泊できないなどございませんので、そこのフロントにてお部屋が空いてるかのどうかのご確認をしてみてください。お部屋が空いてればご宿泊できると思いますのでご確認よろしくお願いいたします」
と、丁寧に教えてくれたので確認してみることにした。
フロントに確認すると部屋は空いてるとのこと。
住所と名前を書かないといけないらしいが。。。
困っていると・・・
「申し訳ないですが、ご住所とお名前を書いて頂けないとお部屋をお取りできない事に国の決まりでなっておりまして・・・申し訳ございません」
と・・・断られた・・・。ん・・・仕方ない・・・また、とぼとぼ歩き始めた。
知らない世界で知らない街で、あてもなくただ歩くってのも辛いなぁ・・・。
魔物に襲われないだけマシかもね。なんせ、大きい道には一定の間隔で明るい光が上に見えるのである。
さっきの隙間の空いた長椅子でゆっくりするかな・・・なんて思ってると道が分からなくなった・・・迷った!
体力はまだあるし明るい方に歩いていってみよう!どんどん歩いてみると潮の匂いがするのに気がついた。海が近いのかな?と思いつつ歩いていく。
いろんな点滅や、赤青の中に人のマークがあるもの、早く走る鉄の箱・・・・
当たらない様にだけ気をつけて明るい方に歩いて行くと、商店のような店を発見した。
中に入ると、「いらっしゃいませ~」と、やたらやる気のない店員が眠そうに声を出した。
中を見てみると、パンと思われるものや肉料理やら、あとは訳の分からないものが色々並んでいる。
やる気のない店員に
「紅茶とパンはあるかね?」と聞くと「少しお待ちください」
「パンはこちらで紅茶はこちらにあります」と、教えてくれた。
ジャムパンと書いてあるパンとミルクティーと書いてある飲み物を取る。文字もわかるみたいでよかった。店員の所に持っていく前に「アイテムボックス」と言い分からないので10000円出してみた。
お釣りがあってるのか分からなかったがポケットに仕舞い袋をもらい外に出た。
この世界の店や宿はいちいちガラスの扉や魔道具で明るくしてるし、住民は裕福なんだなと思ってしまう。
とぼとぼ歩いていると凄く広い広場に着いた。
見てみると芝生があるが中は土になっている・・・左右には長椅子があり、すり鉢状の丸い広場に椅子が設置されている。
ここは何かする所なのかな?疲れたし、ここで今日は休憩するかな?
さっき買ったジャムパンの袋を開けて食べてみる。甘い!なんだこれは!砂糖をふんだんに使ったジャムだ!果物だけではこれほど甘くならない!
ミルクティーを飲もうと見てみる・・・どうやって開けるのだろう・・上の丸いのを叩いてみたり引っ張ったりしたが開かない・・・よく見ると上のふたみたいなものに回すような表示がある・・回してみると開いた!ミルクティーも甘い!旨い!買ってよかった・・・・
お腹も膨れ、歩き疲れて広場の階段でうとうと眠りについた。
朝になると流石に寒い・・・防寒着がないのが悔やまれる。
そういえば服が変わってる・・・こっちに来たときかな?肌着と長袖の服とモコモコした上着、ごわごわした硬い生地の丈夫そうなズボン、靴下に足首までの動きやすそうな靴。
縫製のしっかりした衣服だ。元の世界ならかなりの値段で売れるのにな・・・
この世界で生活していくには何をすればいいのか・・・・
商売!?知識がない・・・昨日来てみて思ったのが、高度で裕福な世界・・・・・
何をして生きていけばいいのか・・・・・
いろいろ考えていると、大きい鉄の箱が近づいてきた。
揃いの服を着た人達や似ているが違う服を着ている人、色んなカラフルな服を着た人が広場に入っていく。
長い木の棒を持って素振りをしたり丸い小さい玉を投げ合っている。冒険者ギルドで討伐でも行くんだろうか?それなら自分もできる!小さな村まで商いで行っていた。魔物狩りも多くなければ自分でやっていた!これで生計立てれるかも!? でも・・・この世界魔物いないんだよな・・・
興味本位に俺も並んでみた。
「入団試験を受ける方は名前を書いてゼッケンを受け取ってくださ~~~い。」
ほら!入団試験!やっぱり!!魔物じゃなくて動物か何か狩る為の募集だ!
俺もレイと書いてゼッケンを受け取る。
13番らしい。服の上から着てみる。
「投手の方はこちらに~」
「野手の方はこちらに~」
投手?野手?分からん!
「すいません・・・投手って・・・」
恐る恐る聞いてみた。
「え!?そんなことも分からずここに来たのかよ?毎年何人かシロートが来るんだが・・・そのうちの一人か!?外人さんだからわからないのかな?言葉はわかるみたいだな」
「すいません・・・」
「あっちで投げているやつがいるだろ? 座らせて。座ってるやつのミット目掛けて投げるのが投手。OK?」
「わかりました。行ってみます。」
とりあえず、投手の方に行くことにした。
「次~~~13番。10球で交代~~~」
自分の番だ!元の世界で投擲で鳥を取ってたし気合入れてやってみるか!
「わかりました~」
と、答えて投げることにした。
こうやって投げてたな・・・あの座ってる防具つけてる人に投げればいいのかな?
腕防具に向かって投げてみた!
バスン!!
気持ちいい!
もう1球!!
ズバン!
「おおい。13番。 ちょ、ちょっと待て・・・」
「はい」
「おい。スピードガンで測ってやれ」近くの黒い上着を着た人に指示をだしている。
「投げろって言ってからもう一回投げてくれ」
「わかりました」
なにか、準備をしている。大丈夫かな・・・受かるといいな・・・
「投げてくれ~~~」
せーのーズバーン!
せっかくなので力いっぱい投げてみた。気持ちいい。
「177km!?壊れてるんじゃないのか・・・?2台で測れよ~」
「もう一回さっきのように投げてくれ~~」
「はーい」
スバーン
「どうだった?」
「178kmです。」「同じです。」
「13番。レイか。ちょっと来てくれ~」
コーチと言われる人についていく事にした。
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