04.物書き、恋人の話をする
もうそろそろ、引き伸ばしても仕方ないだろう。ズバリ恋人の話をしたいと思う。
煽り文にも書いたことだしね。
できればこう、もう少し幼少期の話とかして、回想編を終えてからとかってのが様式美な気もするけど、そこらへんはみんな特に気にしないと思うから。
というかそもそも、ここまでたどり着いた人がいるならその人に拍手だ。来てくれてありがとう。
私の恋人には性別はない、といった。
わかりやすくいうと、性別がないというよりは、男であり女であるのだ。
さらに話がややこしくなってきた感があるから、もう少し詳しく話そう。
私の恋人は、男であり、女である。
まず身体がそうだ。
男を受け入れられるし、女を抱くことができる。その二つが、身体に備わってる。両性具有ってやつだ。
本人に聞けば、「俺は男だ」ということもあるし、かといえば好きになるのはレズビアンやバイの女の子だったりする。
ノーマルの男に抱かれたこともある。
好きになれば関係ないのは私たちはお揃いで、それでも優等生のふりをしてこっそり先生のお気に入りになっていた私より、こいつの方が数倍ずるいと思う。
好きになった人がどちらでも受け入れられるというのはどんな気分なんだろうかと思わないでもない。
脳で検査をすれば、綺麗に男性脳と女性脳が半分ずつ。
もちろん戸籍上の性別はあれど、あまり機能はしていない。
これが私が"性別がない"といった所以だ。
カテゴライズのしようがないのだ。
そして同時に、カテゴライズをしたいとも思えないのだ。
このカテゴライズの出来なさゆえに私は振り回され、後々に苦しむのだが、まあそれも愛すべき点だろう。
ともかく、両性ともに愛せる女と、両性ともに受け入れられるやつが出会ってしまった。
これが事件の始まりだ。
とんだ恋の話をしよう 黒月詩弦 @s_story__teller
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