第3話 ルーティーン

人それぞれ翻訳作業の仕方は違う。

私は短期集中型だ。


しかし、赤ちゃんの世話と言うのはフルタイムの仕事だ。

いや、それは語弊がある。

フルタイムの仕事は8時間労働を意味する。

赤ちゃんの世話は24時間労働だ。


ミルク、オムツ交換、沐浴、寝かしつけ。

それ以外でもぐずればあやす必要があるし、周囲にあるものを何でも口に入れようとするから気を付けていないといけない。

そんな合間に私自身の食事やトイレを済ませなくてはいけない。


最初はこういう状況では仕事など出来ないだろうと思っていた。


ただ、半年を過ぎるころからそれがだんだんと変化して来た。


別にやることが変わったわけではない。


ミルク、オムツ交換、沐浴、寝かしつけは相変わらず必要だ。

ただ、ルーティーンが出来て、何時ごろに何をすればいいかが分かるようになっただけだ。

それに、お腹を空かせている時の動きや鳴き声、オムツを交換すべき時のしぐさなどもなんとなく分かって来た。

この時は親として成長したからだと思っていた。


とにかく、フリーランスの仕事を受けても大丈夫だろうと思えたのはそうした背景があったからだ。




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