コロッケ

 コロッケは明治21年(西暦1888年)11月発行の「軽便西洋料理法指南 : 実地応用 一名・西洋料理早学び」(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/849016/13)で紹介されていることから、明治の早い時期に日本に入った料理だと思われる。

 パン粉、カツレツ、更にはライスカレーとほぼ同じ時期だろう。

 名称が「クロケット」の訛りだろうことは想像に難くない。日本人には「クロケッ」のように聞こえたと思われ、促音で終わる座りの悪さに「クロッケ」になったと思われる。もしくは最初から「コロケッ」に聞こえていたか。

 料理そのものはフランスではなくイギリスからのようだ。上記の本にライスカレー、サンドイッチ、シチューなどが書かれていることもあり、フランス料理が混ざっていると考えるよりも、日本の洋食の原点がイギリス料理だと考えた方が判りやすい。


 この「軽便西洋料理法指南」のコロッケの料理法には少し意外な部分がある。

 現在のジャガイモコロッケ同様の料理法の前に、合い挽き肉を丸めて衣を付けて揚げると言う料理法が書かれている。

 これは一体どう言うことか。肉だけのメンチカツではないか。

 メンチカツも昔はコロッケと呼ばれていたのか!

 いや、メンチカツはどうでもいいのだが。


 因みに同じ本の中に「メンチビフ」と言うものが有るが、料理法を読む限り、これは多分肉そぼろかトマト系無しのミートソース。


 起源はさておき、スーパーの総菜などとして売られているコロッケは少々残念だ。


 どうしてジャガイモの粒が残ってないのか。

 どうして砂糖が入っているのか。


 機械での大量生産で粒を残そうとすると、偏ったりするので難しいのは判る。

 しかし砂糖は勘弁して貰えないものだろうか。

 今時のジャガイモはただでさえ甘いのに、砂糖が入ると甘ったるくておかずにし難いのだ。

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