加工品
コンニャク
糸コンニャクのきんぴらもまた美味いものである。
できれば下茹でした方がいいが、しなくても大丈夫。下茹で無しならお手軽感が極めて高い。
おかずにはなっても栄養は無いのだけど。
板のコンニャクを使ってもいい。ただ、切るのが糸コンニャクより面倒なことと、食感が今一つなところが難点か。
少し硬くなっている製造時の表面が糸コンニャクの場合は一本一本全てを覆っているが、切ったコンニャクには無い。糸コンニャクには有る歯応えが無い訳で、この差が味わいの最も大きな差だろう。
それにしてもコンニャクとは不思議な食材である。
そのまま食せば毒となり、食せるように処理をしたなら殆どが水分の食材となる。腹は膨れるが、極めて栄養に乏しいと言わざるを得ないだろう。
どうしてこんなものを食べようと思ったのかは昔の人の事情としか言いようがあるまい。
日本でも10世紀頃には薬として栽培されていると思われるが、爆発的に普及したのは江戸時代になってかららしい。
コンニャクイモを粉末にする技術が開発されたのだ。
「技術」とか「開発」とか言うと凄いことのようだが、薄切りにして干し、砕いただけのことである。
それまでは生の芋を摺り下ろして灰汁を加えていたらしく、食せる範囲は産地に程近いところだけだったとか。きっと旬のみの食材でもあったのだろう。
ところが粉末にすることで日持ちがし、遠くへも運べるようになった。
それだけで普及するのだから昔の日本人のコンニャク好きも大概だ。
いや、今でもおでんの具として極めて味を醸し出すコンニャクを愛する人は多いに違いない。
近年では欧米で糸コンニャクが麺として知られるようになっているらしい。
だが、美味しいからではなく、ダイエットのための意識が強そうなのだ。
それってどうなのだろうか。
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