サバ
サバは塩焼きにすると最も美味い魚だと言っても過言ではないだろう。
ただ、条件がある。
臭みが出ていない、と言うか、臭みを感じないことである。
生き腐れと言われるほどに腐りやすい魚でもあり、個体差もあり、食べる自分の体調も関係する。
臭みを感じるかどうかは時の運なのだ。
だから臭みを感じずに食べられる場合は、スーパーの総菜であっても極上の味わいになる。
勿論、貧乏舌の個人の感想です。
腐りやすい魚であるため、派生した言葉も有る。
鯖を読む。
昔の取り引きでは、籠か何かで何杯、と大雑把に数えていたそうである。
こうなれば、売る方としては一杯の数を減らし、今まで一〇杯として売っていた量を一一杯に分けて売れば、一杯分だけ丸儲けだ。
俄然流行ったのだろう。それこそ大雑把に数える意味だった「鯖を読む」が数を誤魔化す意味になるくらいに。
そんな訳で鯖を読むのは殆どの場合において数を少なく言う。
よく使われるのが女性の年齢である。
それが何故かと考えると、「行き遅れ」が「行き腐れ」に変じ、「生き腐れ」に通じるからなのかも知れない。
つまり、年齢に鯖を読む……(以下略)。
話は変わって、締め鯖には二種類有るのをご存じだろうか。
一つは酢に漬け込んでしっかりと酢が染み込んだもので、もう一つは酢で洗っただけのもの。
個人的には酢がしっかり染み込んだものだけが締め鯖である。
とあるスーパーで締め鯖として売られているのを、少し生っぽいと思いつつも買ったことがある。
食してびっくり、生鯖だ。まさか間違えて買ったかと再度ラベルを確認したらやはり締め鯖。生鯖を締め鯖として売っているのかと思った。
しかし、よくよく味わってみるとほんのりと酢の香りがする。
何だこれはとネットを検索してみた。
すると有った訳ですよ。酢で洗っただけの締め鯖に言及した記事が。
それ以来、外れを引いたらと思うとスーパーの締め鯖に手が出ません。
勿論、当たりとするのはしっかりと酢の味がするものです。
結論、鯖の竜田揚げは美味しい。
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