フキ

 元来、雑草レベルの山菜である。

 山道の脇や森の畔の斜面に生えていることが多い。

 湿気は有るが水捌けも良い場所のようだ。

 苔が生えるような場所とも言う。


 店でよく売られているのは1メートル近くあるものだが、山菜として採種するのは40センチ程度のものであろうか。

 種類が違うからそうなのだ。

 そして山に生えているものの方が味が濃い。

 店で売られているのは大きな分だけ大味なのかも知れない。


 しかし、味の濃さはそのままアクの強さでもある。

 アク抜きを少し頑張らねばならない。


 そのアクの中に毒性の有る物質も含まれていると言う。

 そのフキノトキシンと言う毒は水溶性で、茹でて水に晒せば抜けるとも。


 しかしちょっと待って欲しい。

 水に晒す時間は30分程度とされている様子。

 果たしてそんな短時間で抜けきるものだろうか。

 表面しか抜けないのではないだろうか。


 表面さえアクが抜ければ変色が抑えられ、エグ味も軽減される。

 それだけのことではないだろうか。

 強毒性と言う割りには中毒症状に言及が無い。

 それどころか健康被害の報告が無いと言う。


 恐らくは毒を含んでいても言うほど強くないか含有量が少ないかである。

 フキで腹一杯にするような真似は止めた方が良い、程度なのだろう。


 尤も、アクが強くて健康被害が出るほどには食べられないに違いない。


 健康被害に言及されている食材もある。

 ワラビだ。

 そのワラビのアク抜きの時間は一昼夜。

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