ゴボウ

 東京裁判で罪状として挙げられていたことで有名だが、都市伝説とは違って他にも沢山並べられた罪状の一つでしかなく、量刑に関係したかどうかも定かではないらしい。

 間違った罪状ではあるが、「根」であることには違いない。

 「木の根」ではなく「草の根」である。


 こう書くと、民間活動みたいに見えたりもするけれど。


 捕虜収容所の所員たちは自分が食べたいのを我慢して捕虜にゴボウを供したと言う話も有る。

 当時の食糧事情を鑑みると、ゴボウは貴重だっただろう。


 そんなこんなで食文化の違いは悲劇を生む要素ににもなるのだ。


 ところがその欧米でも昨今では健康ブームに乗ってゴボウを食すようになっていると言う。


 皮肉な話である。


 そんなゴボウであるが、切り方で食感がかなり変わる。

 千切りとささがきのどちらできんぴらゴボウにするか信仰対決が勃発するかも知れない。


 ところがささがきは千差万別である。


 一般的には菱形をイメージするのではないだろうか。

 しかし、プロの料理人にかかれば白髪ネギのような風情になったりもする。


 ささがきで内部抗争が起きそうである。


 他にも「ゴボウ天」で信仰対決が起きるかも知れない。


「かき揚げに決まってんだろ」

「ゴボウを入れたてんぷらだろ」

「は? 同じじゃねーか」

「ちげーよ」

「どこがだよ」

「てんぷらだよ、てんぷら。魚の擂り身のあれだよ」

「それってさつま揚げじゃね?」

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