サツマイモ

 カンコロと言うものをご存じだろうか。

 サツマイモを干したものだ。


 このカンコロを突き込んだかんころ餅が美味い。

 そもそもサツマイモは甘ったるい。

 干したカンコロとなると更にだ。

 そのカンコロと、そのままでは味気ない餅が合わさることで絶妙な味わいとなる。

 餅で甘さが薄まることで、程よい甘さとなるのだ。

 サツマイモの味と餅の食感の組み合わせでもある。


 普通の餅は暫くすると固くなるが、かんころ餅は包丁が通る程度には柔らかいままでいる。

 薄切りにして焼けば膨らんで柔らかさも増す。

 それを食せば味付きの餅だと判る。

 食パンに対する菓子パンのようなものである。


 その大元たるサツマイモは味が薄まった方が良いくらいに甘いのが玉に瑕である。

 おやつならそれでも良いのだが、主食あるいはおかずとして食すには辛い。

 いや、おかずとしてはもう無理かも知れない。

 特に理由が無い限りは主食とすることも無いだろうが、もしそうする場合はどうするか。

 石焼き芋だと甘さが際立ち、天ぷらでは甘さ控え目に感じられる。

 焼き芋を避けた方が無難だろう。


 また、サツマイモは普通は芋を食するのだが、蔓も美味い。

 癖の無いツワブキと言った風情である。

 ただ、蔓を収穫したのでは芋は育たない。

 もし食するとしても、自家菜園などで間引きが必要になった時に嗜むのが精々か。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る