ナス

 日本でよく栽培されているナスは柔らかく多収らしい。

 たくさん取れれば家庭菜園もやり甲斐があるだろう。

 ただ、植える時期や何かで、植えるのがまとめてになるのが常である。

 するとどうなるか。

 収穫時期も一斉に来るのだ。

 食べきれないほどの、ナス、ナス、ナス!

 大きくなりすぎると種っぽくなるので放置もできないのだ。


 生りすぎるのを恨めしく思うかも知れない。


 そんな時には焼きナスが良いのではないだろうか。

 一人で五本くらいペロリといける。


 尤も、皮を剥くのが大変で、五本も焼いていられないかもだけど。


 そして天ぷらも美味い。

 ただ、少々油っぽくて数を食べられないのが難点である。


 味噌汁や味噌炒めはお手軽な料理法だ。

 味噌汁の具にする場合の難点は、食すに最適なタイミングがシビアな点だろう。


 ちょっと簡単に崩れ過ぎやしませんか。


 皮の色がにじみ出しかねないのも問題だが、ある程度皮を剥けば概ね大丈夫。

 煮る時間を極力少なくすれば、だけど。


 味噌炒めは、単独でもいいし、たまねぎやピーマンと合わせるのもいい。

 特にたまねぎだと、入れるのと入れないのとでは味ががらっと違う。

 合わせる具材で味に変化があるのだ。


 変化がありすぎて暴投になったら困るので、なかなか冒険し難いものではあるのだけど。


 そんなナスだが、スポンジみたいで嫌いだと言う向きがあるらしい。


 だがしかし、それはちょっと待って欲しい。

 それって、十分に火が通ってないだけではないだろうか。


 例えば麻婆茄子の場合、生のナスを投入するのではなく、予め素揚げか焼くかでしんなりさせてないと美味くない。

 味噌汁の場合に食すタイミングがシビアなのもそのためだ。


 カレーに入れるのも美味い。

 予め炒めてから投入する。

 暖め直す頃には溶けてしまうので、食感を楽しむなら出来立てのみだ。

 溶けたら溶けたで、カレーの味わいとなるのでそれもまた良し。


 めんどくさがりならナスを生でカレーに投入もありかも知れない。

 その時は、きっとグリーンカレーが楽しめる。

 中身は全然違うけど。

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