その他

ファンタジー世界における食

 今回は現実から離れてファンタジー世界での食べ物の話です。


 ファンタジー小説では、作品が長くなればなるほど食事シーンから逃れられなくなります。

 食事は人の営みの大きな部分を占めるためです。


 その時に問題となるのが食材などの名称です。


 果たして現実と同じ食材や料理、調理法があるのか。


 創作ですから決めの問題となりますが、雰囲気を出すために全て創作するのもあり得るでしょう。

 しかしそれだと説明が冗長にならざるを得ません。

 そしてそれを読者も望んではいない筈です。


 説明を簡単にするには現実の食材を引き合いこともあり得ます。

 しかし、「ナスのヘタだけでなく実全体に棘が生えた見た目をしている。味はナスそのものだ」と説明された場合、転生または転移した主人公ならともかく、現地主人公であれば読者にとって違和感となるでしょう。

 「作者注」の形にしたらしたで、今度は煩わしく感じられると思われます。


 ならばいっそのこと、多少の違いには目を瞑って「ナス」と言えば良いのではないか。


 拙作の場合はそんな考えで現実世界の食材の名前をそのまま使っています。

 英語の小説でリンゴが出て来たら、日本語訳では「アップル」ではなく「リンゴ」と書くイメージです。


 しかし、そこまで開き直っては雰囲気がぶち壊しだと言うのが大方の意見でありましょう。

 恐らくはある程度は創作し、ある程度は現実の名称を使うと言う折衝案となって、先の例に戻ってしまうのです。


 調理法も問題です。

 「フランベ」に類似の日本語が無いように、ファンタジー世界には無い調理法や、逆にファンタジー世界のみの調理法があるやも知れません。

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