異世界への旅立ち〜 引きこもって全てを忘れる事ってあるよね。
雲についていくつかわかった事があるのでわかった理由を交え説明しておく。
雲は実態があるようで、普通に触れるし掴めるようだ。
なぜわかったかというと…
俺は、ムカつく雲をどうにかしてやろうと思い雲を捕まえる事にした。
雲は気体だし、どうすればいいのかはわからなかったがとりあえずビニール袋に入れようと考えた。
ビニールだと気体を通さないし捕まえられるだろうと。
俺は試しにビニール袋を頭に描く。
もし雲の言う意味で俺の望み全てを叶えられるなら手に入るはずだ。
期待通りに俺の手にビニール袋が現れる。
ビニール袋を片手に雲に近づく。
雲は避けるでもなく簡単に掴めたのでそのままビニール袋に入れてやった。
と言うわけだ。
その後、少し面白い事になった。
ビニール袋に入れられた雲は何か騒いでいたが、俺は何を言っていたのかはわからない。
しばらくすると雲は大人しくなった。
俺は大人しくなった雲を見てみるとビニール袋の中で雲は少しだけだが溶けていた。
なぜ溶けたのかはわからないがが雲が溶けている。
慌てて俺は雲をビニールから取り出すしてみると少し体積が減っていた。
さっきまで偉そうだった雲は小さくなり少し震えている。
どうやら雲はビニールの事が苦手なようだ。
ザマァ…笑
雲は震えながら俺に懇願する。
『やめて下さい…』
「やめて欲しければお前の知っていることを伝えろ。」
ビニール袋を片手に俺は近く。
雲は若干俺から距離を取りながら答える
『わかりました。
お前の聞きたいことに答えます。
何が知りたいのですか?』
そうして俺はビニール袋を片手に雲から詳しく話をを聞くことが出来た。
だが、納得はしていない。
色々長くなるので簡単に説明させて貰う。
まず、雲は本当に神だった。
神なのだが、生まれたばかりの新米神様でまだ形が無く雲の形をしているそうだ。
雲の母は俺がいた世界を作り出した神様で、俺達がいる世界を守っているらしい。
しかし同じ世界だけを見る事に飽きてきたようで別の新しい世界を作ろうと思ったらしい。
しかし自分1人では全てを管理する事は出来ないと考えた
神様はは自分の力の一部分を与えた新しい神を作り出す事にした。
まぁ、神の子のようなものだ。
そいつらに新しい世界を作らせて管理させる事にしたんだとか。
雲以外にも作られた神様、子神達は何人かいるらしいがどれだけいるかなど詳しい事はわからないらしい。
雲の母は万能の能力を持っていて、その能力のうちの一つの能力を子神達は使えるそうだ。
ちなみに、雲の能力無から有を作る事。
作り出したものに後から能力を付け加えることなどは出来ない。
というのが雲とこの世界の話だ。
次に俺自身の話だが、詳しく話を聞いた今となっては聞かない方よかったと思っている。
一応簡単に説明しておく。
まずこの世界にいる俺と、この世界に来る前の俺は同一人物であって、同一人物では無い。
少しややこしい話になるのだが、俺は雲の母の世界の俺から精神の一部を複製し作り出された存在だ。
一応俺は21の男で名前は伊吹智紀。いぶきとものりだという人物だった。
大学受験に失敗したショックから立ち直れず引きこもりになりニートとになっている。
ちなみに今も雲の母の世界で絶賛ニート中だ。
ーーーーーーー
ここから少し詳しく説明するので飛ばしてくれても構わない。特に問題はない。
まず俺は説明した通り死んだわけではない。
相変わらず雲の母の世界で俺自身は生きている。
この世界にいる俺は雲によって俺自身の中の精神の一部を複製し切り離された存在で元の俺と同化する事は出来ない。
わかりやすくいうとクローンのようなものだな。
クローンって言っても良心部分だけを複製し、作り出された存在なので厳密にはクローンではない。クローンっぽいものだ。
そして元の世界にいる俺は今の俺という存在が作られた事を知らないしこれからも知ることはない。
ただ、今の俺は切り離される前の俺自身とほぼ同じ記憶、性格にいずれはなるそうだ。
言い換えれば切り離される前の俺とほぼ同じ人になると言う事だ。
もちろん、切り離される前の俺は変わらず存在するので並行世界のもののように思ってくれて構わない。
ーーーーーーーここまでが詳しい説明だ。
一通りの説明を終え、雲は静かに語り始めた。
『 私には全ての物を作り出す力が与えられています。
それが、例えどんなものであろうとも。
だけど、私には何かを作りだす事しか出来ません。
何を作っていいのか、何から始めればいいのか生まれたばかりの私にはわからないのです。』
雲はここで息を吐き、俺に向き直る。
そして、姿勢を改めこう言った。
『だから…』
そうこの物語の始まりの言葉。
『私と一緒にこの世界を作ってくれませんか?』
『そして世界を守ってほしいです。。』
俺は昔スーパーヒーローに憧れていたのを思い出した。
今もヒーローになる夢を捨ててはいない。
偽物の俺だが、俺は俺の夢を叶える!
俺も姿勢を改め答えた!
「いいぞ。
偽物のとはいえ、守ってやるよ。
新世界作り、手伝おう。」
これが俺達の始まり。
この世界の始まりだった。
最後にこの世界に召喚された事でいい事もあった。
雲の母の世界の俺はこの後脱ニートするらしい。
俺が雲の母に選ばれた時、雲の母は俺自身の未来を変えてくれたそうだ。
その内容だが、俺は自分自身でゲームを開発するらしくそれが見事に大ヒットするといったありきたりなサクセスストーリーだ。
何もなければ、俺はただのクソニートで一生を終えるらしいのでそれを考えると文句は何一つない。
俺自身の話でないので若干複雑な心境ではあるのだが、俺を産んでくれた親への親孝行ができるようなので素直に喜んでおく。
説明が長くなったが、今の現状はこんな感じだ。
さてと、ひと段落ついたしそろそろ雲の出番を作ってやらなければ…
そう思い俺は雲にビニール袋を持っていないことをアピールするのだった。
「おーい。
そろそろこっちに来いよ。
ビニール袋ならテーブルの上に置いてるぞ」
よほどビニール袋が怖いのが警戒しながらノロノロと近づいてくる。
俺は何も手に持っていない事を雲にアピールする。
これ以上イジメる必要もないしな。
『ビニール袋怖い。
あなたの良心部分を取り出したはずなのにどうして?
やはり良心部分だけを取り出す事に失敗してしまったの?
やり直す事も出来ないし、困りました』
…前言撤回だ。
徹底的にやってやる。
俺はビニール袋を持ち直した。
数分後…
やるだけヤッた俺の気持ちは晴れやかだ。
少しばかり体積が減ったような気がする雲に俺は言った。
「おい、雲。
そういえばお前名前はあるのか?
俺とお前しかいないんだ、そろそろ仲良くしようぜ。」
そもそも雲に名はあるのだろうか?
『名などありません。母は私に名前はつけませんでした。
私以外の兄弟にも名前などはありません。
母が私を呼ぶときは3番でした。』
雲は感情が抜け落ちたかのように淡々と話した。
…雲は自分の母の事が嫌いなんだろうか?
「そうか。なら名前は後で俺が考えてやるよ。
後、聞いておきたいんだが世界を作るって何するんだ?」
世界を作る手伝いをする事は承諾したがなにせやり方などわからん。
世界を作るだなんて普通は考えない事だしな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます