第4話 「開眼」してはいけないという話。
ゴルフをやっていれば、何度かというかかなり頻繁に「分かった!」と叫びたくなるような気付きを得る事がある。その経験をした事の無いゴルフプレーヤーは、おそらくいない。
しかしながらこれも誰しもが経験しているだろうが、その気付きが永続することもまた無いのである。不思議に思ったことは無いだろうか。
これもぶっちゃけた話をすると、素人の開眼に真理など無いのである。だから永続しなくて当たり前。いや、むしろ開眼など害でしかない。
なぜか、まず、素人のボールがどうして真っ直ぐに飛ばないのかという話から始めよう。
素人のボールが真っ直ぐ飛ばないのは、スイングが「歪んで」いるからである。正しいスイングは整っていて美しい。醜いものは歪んでいる。これはスイングのみならず世のすべてに適応する真理であろう。
さて、ここに歪んだスイングの持ち主がいるとしよう。その彼が一生懸命いろんな事を試した結果、たまたま真っ直ぐ飛ぶ方法を見つける。「これだ!」彼は叫ぶ。これが開眼である。
この時彼のスイングは歪んで凸っていた一部分が上手い事削られた状態である。その状態が続き、スイングがそのまま磨かれれば永続的な上達に繋がる。万々歳である。ところが往々にして素人の開眼はそうはならない。
彼は「開眼」に自信を持ち、その発見に拘る。その結果どうなるかというと、削られた凸を削り過ぎて凹ませてしまうのである。
そうなるとその開眼はもはや害でしかない。それなのに上手く飛んだ成功体験が彼を固執させ、拘れば拘るほど彼のスイングは歪んで行く。これが「開眼の負のスパイラル」である。これが行き付くところまで行くと「どうしてこうなった?」というような不思議な自己流スイングが出来上がってしまうわけである。
私が「開眼」は害でしかないという理由はこのためである。素人の開眼に百害あって一利無し。
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