第177話 人物

ざわつく空気を一蹴した御見内の言葉



村田「あぁ そうだぜ そうだ いくら摩訶不思議な妖術を使おうが銃にはかなわねぇ~よ」



海原「そうだな 俺達は何も恐れる事は無い 奴等こそザクトとレジスタンスを前に恐れをなす事だろう」



村田「奴等のねぐらを教えろよ 次こそはキッチリ制圧してきてやる」



急に変わったムードで皆の士気が戻り、高揚されていた。



麻島「半田さん サタナキアの在りかを教えて下さい」



半田「えぇ はい サタナキアは山中の廃棄物処理場です 国道7号線の冷水峠へ向かう麓、そこから山道を入って3キロ程山奥にあります」



マツ「冷水峠… あの峠か… 美菜萌」



美菜萌「はい 冷水峠ですね 知ってます 確かにあの付近には山奥に廃場化した大きな処理工場があります」



半田「そしてもう一箇所 それは山吹が使用しているある大豪邸です」



大豪邸…?



するとそれを聞いた臼井が



臼井「そこだ 恐らくそこにうちの家内と柊の母親が人質として軟禁されている」



マツ「何?」



すると御見内が立ち上がり皆に向け口にした。



御見内「みんな 聞いて下さい そこにいる臼井さんと柊さんは継ぎ接ぎの化け物の実験や開発を強要されてました 何故かと言うと身内が人質に取られてるからです それで脅されやむおえず協力していたんです だが研究所が破壊された今 もうバスタードは作れない っとなれば存在価値を無くした2人の大事な人質は用済みと取られ、すぐに殺害される恐れがあります 新たな救出作戦を迅速に行う必要があります」



新たな救出作戦…



御見内「今すぐにでも踏み込みたい所ですが 突入がバレれば真っ先に殺される可能性もあるので事を慎重に運ぶ必要があります ちなみに臼井さんの奥さんのお腹の中には子供がいます 2人の御家族の身の上は俺達にかかってます もう俺達に失敗は許されない そこを理解しといて下さい」



村田「真っ向からの突入は難しいって事か…」



麻島「そうゆう事だ 善は急げで行きたい所だが 不用意な突入は危険だ 避けたい、三ツ葉の帰還も待たねばならないしな まずは情報収集だ 明日にでも偵察に向かう 半田さん あとで内部の詳細を教えて下さい」



半田「あ はい 了解です」



麻島「情報が固まり次第 作戦会議を開く それまでは各自待機だ いつでも出動可能な準備と態勢を整えておけ これにてブリーフィングを終えるが 他何かある者は?」



マツが首を横に振った。



麻島「では 本日は以上だ 解散」



ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-



屋上 0時3分



マンション内各部屋の明かりも徐々に消え、皆寝静まっていく深夜



屋上には御見内の姿があった。



ネオン無き街を、雲に覆われ月も星も見えない夜空を手すりにもたれながら真っ暗な外を眺めていた。



ゾンビの呻き声もしない… カラスの鳴き声も… 雑音や風の音さえもしない…



何も音のしない静かな夜



街灯やかろうじて動く自販機の照明がチラホラ見えるのみで夜に包まれ眠る町並みを



ただ暗いだけの夜景を1人ボォーと眺めていると



青木「お いたいた ここにいたか 部屋行ったのにいないから探したぜ」



青木がやってきた。



青木「さみぃ~ これ氷点下じゃねぇか いつ雪降ってもおかしくねぇーぞ」



御見内「どした?」



青木「いいもん見っけたんだ ほら 飲めよ」



青木が投げ渡してきた物を掴むとそれは缶ビール



青木「タイ産のビールだ」



御見内の隣りに着き、シンハーの封をプシュっと音をたて、飲みはじめた青木



御見内もフタを開け一口喉に流し込んだ



青木は手すりに座り込み、懐からタバコを取り出した。



青木「何しょぼくれたツラしてんだ? 赤ん坊に彼女を取られてかまって貰えずたそがれてんのか?」



御見内「フッ そう見えるか?」



青木「はたまた 作戦失敗に落ち込んでやがんのか?」



御見内「…」



青木「図星かよ」



御見内は無言でビールを口に含んだ



青木「あまり思い上がんじゃねえぞ」



ピタリとそれを止めた御見内



青木「あの状況でおまえ如きに何が出来たんだって話しだ あのおっさんも言ってたろ 相手が相手だったんだよ しかも皆殺しの本気モードで来た 人を助けれる余裕なんてなかった 誰しも我が身を守るだけで精一杯な状況だったんだ 死んだ奴等は我が身を守りきれず散っていったんだよ」



御見内「…」



青木「これっぽっちもおまえを責めねぇーよ ちゅーかおまえが責任感じる事じたいおこがましいこった」



グビグビ飲み込み、飲み干された缶ビールの中にタバコを捨てるや握り潰した。



そして起き上がり



青木「まぁ 頭を冷やすには丁度いいか」 



御見内「もしかして励ましに来てくれたのか?」



青木「まさか ガラじゃねぇ おまえだけだぜ そんな辛気臭ぇーツラしてんのは おまえがそんな顔してると士気が落ちて周りに迷惑なんだよ ちゅー訳だ あんま冷やし過ぎて風邪ひくなよ う~ さむさむ」



軽く手を挙げ、去って行く青木に



御見内「メサイア」



青木「あぁ?」



御見内「ぬるくてマズいビール サンキューな」



缶ビールを向け軽く振られた。



青木「なら自然冷蔵で冷やしてから飲めや じゃあな」



そして青木が屋上をあとにし、残された御見内はビールを飲みながら再び夜景を眺めた。



ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-



翌朝 6時



目を覚ました美菜萌



目をこすりながら起き上がるや隣りでスヤスヤ眠る早織とすぐ横で丸くなるエレナの愛犬クリスを目にした。



クリスが起き上がるなり美菜萌の頬をペロペロと舐め、また美菜萌もクリスの頭を優しく撫でた。



寒い…



キャミソールにパンティー1枚姿の美菜萌は肩をすくめ、身体をさすりながら起き上がった。



白い吐息が見える程の寒さだ



そしてまだカーテンも取り付けられぬ窓から外を覗くと



雪…



外は粉雪が降り注いでいた。



どおりで寒い訳だ…



美菜萌はそそくさと服を着込んだ



ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-ー-



コンコン



美菜萌「おはようございます」



小さな声で入室



部屋に入るや座り込むエレナを目にした。



目の下にクマが出来てるかのように寝不足で疲れきった表情



美菜萌「エ…エレナさん… 大丈夫?」



エレナ「あ お… おはよ」



エレナの隣りではいびきをかいて眠る七海



布団の周りには使用済みのおしめやティッシュ、お尻拭きが散乱し悪戦苦闘の末と言うべき背景が一目で伺えた。



エレナ「ハァ~ 強敵よこの子 やっと寝てくれたわ」



美菜萌「え?まさかあれから一睡もしてないんですか?」



エレナ「寝かしつけ失敗の連続 夜泣きがまぁヒドくて朝方までずっとグズってたの 七海さんは途中でダウンしちゃったし 今やっとこの子も寝てくれた  ハァ~~」



力尽きたように布団に倒れ込んだエレナ



エレナ「世のママは凄いわね… これを一年もやり抜くなんて 私なんて2日3日でこの通りグロッキーよ」



美菜萌「代わります 隣りの部屋でゆっくり休んで下さい」



エレナ「ここでいい じゃあ美菜萌さんにちょっと頼もうかな よろしくね~」



一瞬にして…



美菜萌が返事をする間も無く寝息をたてたエレナ



美菜萌はバタンキューしたエレナ、はだけた格好の七海にそれぞれ毛布を掛け、今では天使のような寝顔の遼太郎を目にするや散らかる部屋の掃除をはじめた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー




11階 12階  8時



コンコン



石川「おはよ~ 富永の婆ちゃん 起きてるかぁ~?」



「はいはい 起きてますよ 雪が降ってきたわね」



石川「あぁ 朝食だよ 何人だっけ?」



「6人よ とねこさ~ん ごはん来たわよ~ 運ぶの手伝って」



石川が台車に置かれた白粥、白米、筑前煮、ソーセージなどの非常食パックや野菜ジュースなどを各部屋人数分配っていた。



「ありがとー」



石川「みんな マツさんから伝言で今日の夜 一階ロビーでカレーパーティーでも開きたいたいとの事なんで参加してね」



「ホント 是非参加するわ」



「あら 楽しみね」



石川「じゃあ15時にロビーに集まって下さい みんなで料理の支度するんで」



「15時ね はぁーい」



新居の引っ越し祝い、少しでも皆の気休めになればとマツから企画されたカレーパーティーの告知



石川が生存者のジジババに朝食を配りながら各部屋にそれを告げていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



10時 



マンションの丁度真向かい、大通りを挟むコインパーキングに2台のトラックが止められている。



今の所見渡す限りゾンビの姿は無い



大通り中央で左右を見張り、オーケーの手振りを送った中野



辺りに奴等がいないチャンスにマツ、御見内、臼井、石田、佐田、青木等によって次々とトラックから長テーブルや椅子、調理器具、食器類などのダンボールが運び込まれていった。



そんな中 長テーブルを運ぶ2人



青木「なぁ こんな時にカレーパーティーなんかやんのか?」



御見内「こんな時だからこそやるんだろ 少しでも嫌な事を忘れて皆で楽しもう… ってマツさんの粋な計らいのイベントだ」



青木「カレーを食う事がか…」



御見内「何だっていいんだよ みんなで調理しみんなでわいわい騒ぎながら食う カレーなら簡単で手っ取り早いからだ おまえだってカレーは好きだろ?」



青木「まぁな カレー作りなんて小学校の林間学習以来だぜ」



御見内「しかし驚きだな おまえがこんな作業を手伝うなんてな どんな心境の変化か知らないが協力する気になって俺は嬉しいぜ」



青木「ハッ 馬鹿言え 別に俺は協力なんかしてねぇよ ただ暇だし、気まぐれで手伝ってやってるだけだ」



青木の目をジッと見ながら御見内



御見内「嘘が下手くそな奴だ」



ロビーの中に運び込まれ、既に並べられたテーブルにつけられた。



青木「あぁ?」



御見内「釜の飯を一緒に食いたい誰かがいるんじゃねえのか?」



青木「何言ってんだおまえ?」



御見内「一緒にこのイベントを過ごしたい相手でもいるんじゃねえのか だから率先して手伝ってんじゃねえのか? つまり本心はおまえが一番楽しみにしてんじゃねえのか? って聞いてんだよ」



青木「ハァ? 馬鹿言え ふざけんなよ 誰がくだらねぇカレー作りのイベントなんかにワクワク…」



一瞬目を泳がせた青木を見逃さなかった御見内



御見内「その意中の相手が美菜萌さんだって事はないのか?」



青木「お…おい なんで美菜萌さんの名が… 別に… いい加減な事言うなよ さっき言った通り…」



すると



御見内が真面目な口調で口にした。



御見内「麻島隊長から聞いたよ B班は俺達よりも熾烈を極めてたそうだな あの子が生き残れた確率はおまえの存在があってのものだと そう言ってたよ」 



青木「あの隊長さんがそんな事を…」



御見内「おまえが美菜萌さんを死守したんだろ? だからあの子は今こうしてここにいる」



青木「…」



御見内「時迫る次の大戦は前回以上に激しい戦になるかもしれない」



御見内「この際 好意があるかないは別にして美菜萌さんを頼む あんな真面目でいい子死なせたくない」



青木「……なんだよ 真面目な顔して何ほざいてやがる 言われるまでもねぇーよ」



御見内「そうだったな」



マツ「おい おまえ等 喋ってないでどんどんと運べ 佐田 この炊飯器もだ」



御見内「はい」



道路をひっきりなしに横断、行き交う御見内達によって食堂のテーブルや椅子、業務用の炊飯器までもが中に運ばれていった



その時だ



左右を警戒する中野が突如口にした。



中野「おい あそこ見ろ ゾンビだ」



中野が指さす先 30メートル程先の交差点からユラユラした歩調で近づく一体のゾンビが発見された。



ボロボロなワイシャツにネクタイ姿のゾンビだ



運んでいる途中の一同もそのゾンビを目にすると



臼井「えらいこっちゃ」



両手にパイプ椅子を運ぶ臼井がマツの元へと引き返した。



臼井「おい 奴等だ ゾンビが現れたぞ」



すると



マツ「よし もういい 終わりにする」



臼井「え? まだ半分しか」



マツ「ウヨウヨ集まってくる もう十分だ 今あるので終わりにし撤収する みんなをマンションに戻せ」



臼井「分かった」



駆け出す臼井が皆に退避と作業の終了の号令をかけた。



臼井「作業終わりだ 中に入れ みんな退避~ 退避~」



マンションから出てきた青木と御見内にも



臼井「もう終わりだ おまえ等も戻れ ゾンビが出た」



中に押し戻されていく2人



マツは急いで荷台の整理を行い、ブルーシートを覆った。



そしてトラックから飛び降り道路に飛び出した。



中央で立ち止まり、マツを待つ石田と共に目を向けると



1体だった筈のゾンビはこの一瞬でいつの間にか10体にまで膨らんでいた。



そして次の瞬間



あらゆる道、あらゆる場所から一斉にわいてきたゾンビ共、瞬く間に50体以上にまで膨れ上がっていた。



石田「あぶねぇ 作業を中途で止めてなければ巻き込まれてましたね」



マツ「たかだか余興の準備で死ぬ訳にはいかん 行くぞ」



石田「確かにそうっすね はい」



2人もマンション内へと退去し、無事難を逃れた。



同時刻



国道から整備されぬ山道に入る出入口付近



車一台入れる程の舗装されぬ道は枯れた雑草が生え揃い悪路と化している。



そんな入口の向かいのブッシュで身を潜める3つの影




木陰に隠れ、MPマシンガンに装着されたスコープを覗く麻島、村田、海原がいた。



隠密な偵察で静かに観察を行う麻島等は倍率を上げズームアップされたレンズを覗いた。



国道を有刺鉄線で封鎖、バリケードされた周囲には全裸姿の男達が10名程うろついていた。



身体中墨だらけ、または冴子にいじられ身体中傷だらけなフルチン姿のイかれた町民



言いなりの奴隷化した男達がうろうろする姿を視認した麻島



出入り口はここで間違いなさそうだな…



待機…



しばし状況を観察する…



麻島が2人にそうハンドサインを送り、しゃがみ込んだ3人は木陰から様子を伺った。



こんな小雪がチラつく寒空に靴さえも履かせて貰えぬ完全素っ裸な奴隷達の手には…



古代ヨーロッパの囚人捕縛武器マンキャッチャー



同じく古代西ヨーロッパの特殊刀剣フェザースタッフ



同特殊刀剣ブラインドエストニック



インド東部の戦斧ブローバ



オセアニアの棍棒トゥハトゥハ



アフリカの戦斧チュイロバァー



西欧の長柄ボーディングパイク



中国の長柄刀 眉尖刀



などなど世界各国の見た事の無い珍しい武器のみを携え、男達は鳥肌をたたせ、鼻水を垂らし、ガタガタ身体を震わせながらもイかれた目つきで従順に警備を行っている。



麻島は観察した。



恐らく凍死者も出てるだろうこの寒さ…



ガタガタ震えるあんな格好…



あのような格好、あんな状態ならまずまともに動け無い…



踏み込んで格闘戦に持ち込めば3人でも十分に制圧出来る…



これならあそこを突破するのは容易い…



問題はあの山道のあの先…



確か目的地まで3キロ続いていると言っていた…



その間 同様にこのような奴隷達が点々と順路に配置されているのだろうか…?



ここに警備として配置しているなら…



途中にも配置されてるのが妥当と考えられる…



例え奴隷の警備がいたとしても、あの状態なら正面突破もさほど問題はないだろう…



いや…



しかしトラップや監視カメラ、敵侵入の合図を送られるやもしれぬ危険をはらんでいる…



やはり3キロの道のり、入念にチェックする必要があるか…



中腰となった麻島が場所移動のハンドサインを2人に送ろうとした直前



ん…?



ふと車の走行音が耳に入ってきた。



麻島がスコープを移動すると映し出されたのは黒色の車体



エンブレムから高級外車 ベンツが見えてきた。



麻島が2人にハンドシグナルを送りスコープでその車体を追った。



クーペ型のベンツが1台バリケードに近づき、その前で静かに停車、運転席から黒フードが降りてきた。



3つのスコープが同時に車内に向けられ、それから後部席へ向けられた時だ



あいつ…



麻島がある人物を捕捉した…



3つのスコープに映し出されたその人物とは



あの月島だ



村田「ヤロー」



待て…



村田が思わず立ち上がろうとするが麻島がハンドサインを示し、制止させた。



奴隷達によって鉄線がどかされ、バリケードが開通、 車が進行し山道へと消えて行く最中



月島の隣りにもう一人の男が座っているのを目にした。



スコープ越しにそのツラを視認した時



麻島の瞳が微かに膨張された。



あ…あいつ… 何故…



車はそのまま山道へと消え去り、見送った3人



村田「月島 あの野郎」



海原「あの先に隠れ家があるのは確定しましたね 隊長次はどうしますか?」



麻島「…」



海原「隊長?」



麻島「おい おまえ等 月島の隣りにいた男を見たか?」



海原「えぇ もう1人乗っていましたね」



麻島「村田も確認したか?」



村田「勿論っす そいつが何か… それよりあの月…」



麻島「俺は元SIT(警視庁捜査一課特殊班Sousa Ikka Tokushuhan)にいた テロを食い止める部隊にな 年々国内でもテロ事件は増えていた 当然ニュースに取り立たされぬ事例も数多く 任務にあたったその中の1つに… 海原 おまえなら知ってる筈だ 2年前に起きた皇族をも狙ったドローン爆弾事件の事を」



海原「はい 勿論覚えてます 爆薬と一緒にマスタードガスが含まれた爆弾ですね 皇居のど真ん中までドローンを飛ばし起爆しようとした事件です」



麻島「そうだ だがそれは皇居だけに限らず 霞ヶ関全域 各省庁や国会議事堂、警視庁本部さえもターゲットにされた… 20機もの爆弾を積んだドローンが同時に飛ばされたアメリカよりも最悪な同時多発テロ事件だ…」



村田「何すかそれ?何も知らんすよ」



麻島「おまえは陸自の人間だから知らないのは当然だ マスコミに報道規制がかかりニュースにもほぼ取り上げられてない大事件だからな 何とかドローンは全て回収され、爆弾も解除され大惨事は免れたから良かったものの 1つでも起爆されてれば どれほどの死傷者を生んだ事か… 身の毛もよだつ最悪なテロ行為だった」



海原「えぇ 当時は霞ヶ関は完全パニックになりましたね」



村田「やばいっすねそれ 爆発してれば世界的ニュースですわ」



麻島「そしてその時 同時に各省庁に犯行声明が送られてきた それはたった1人で犯行を行った1人の人物からだ なら海原 そいつの名を覚えているか?」



海原「いえ すいません 名前までは…」



麻島「そいつの名は万頭 全世界を股に掛ける一流のテロリストでありインターポールから指名手配されている一流の凶悪犯だ」



村田「そいつやべぇ~ やばい日本人っすね」



麻島「村田 今話した奴 月島の隣りに座ってた奴こそが…」



「その万頭だ」

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