第167話 待伏

麻島「赤塚ぁ~~」



麻島が叫び



海原「主任~~~~」



海原も腹の底から叫び声をあげ、赤塚の元へ駆け寄ろうとした時だ



襟首が掴まれ、背後からチョークスリーパーがキメられた。



海原「なっ…」



グッと力が入れられると共



青木「血迷うなよ 今飛び出せばあんたも死ぬぞ あの人はもう駄目だ」



海原「何だおまえは 離せ 主任が…」



青木「諦めな こうでもしなきゃ駄目っしょ」



青木が絞めにかかるかと思いきやパッとチョークを解除、振り向かせるや頬にパンチを食らわせた。



海原「テメェ」



それから胸ぐらを掴み、海原を木に叩きつけた。



青木「聞けよ はっきり言ってあんたが死のうが俺には関係無いんだけどさ 今は死なれると非常に困るんだよね」



青木の気迫に押され、暴れるのを止めた海原



青木「上司の敵討ちしたいだろ?  なら今は力を合わせようぜ」



手を離した青木が今度は麻島の元へと移動



青木「隊長さんも… ショックなのは分かるけど 今は頭を切り替えて貰えるよね」



麻島「あぁ 分かってる っで なんだ? さっき何か言いかけただろ」



青木「石の次は枝だろ これら全部森から供給してるんじゃないかと思われるんだ」



麻島「森から?」



青木「うん そのスコープでちょっと確かめて欲しいんだよね」



その間にも木や地面に針山のように突き刺さる無数の枝



麻島が木陰のほんの僅かな隙間からスコープを覗き、観察を試みた。



倍率が最大限にあげられ、ズームアップされた明神



赤外線の白色に映された明神の姿がはっきりとレンズ越しからうかがう事が出来た。



麻島「見えたぞ」



青木「何かおかしな所はない?」



麻島「おかしな所か… おかしな所だらけだ うん!? ちょっと待て 腕から何か生えてる 触手らしき物だ それが下に伸びてる」



青木「それだ やっぱ美菜萌さんの予想は当たってたんだ その触手が森から石や枝を吸い上げてるかもしんない」



麻島「つまり あれを何とかしないと永遠にこれは終わらないって事か?」



青木「そうゆう事 あいつの今の位置ってそれで計測出来るの?」



麻島「あぁ 距離はこっから約60メートル先、高さは20メートル」



青木「60メートルか… 結構あるね」



麻島「何する気だおまえ」



青木「この状況を打破するには当然元を絶つしかないっしょ 俺が行くよ」



麻島「おまえがか? この攻撃を潜り抜けてあそこまで行くってのか?」



青木「そう なぁ あんた さっき俺にちゃんと仕事が出来るのかって言ったよね? きっちりこなしてきてやるからそこで見てなよ」



海原「……」



麻島「いいだろう ならやってみろ まかせるぞ」



青木「うん とにもかくにも あいつを引きずり下ろして地上戦に持ち込まないとね」



ーーーーーーーーーーーーーーーー



細かな触手が同化し一本のぶっ太い触手が地上に垂れていた。



その2つの大きく開かれた口が枯れ葉ごと落ち枝から枯れ木をバキュームのように吸い上げていた。



そして枯れ葉のみを途中で吐き出し、ドクドク波打つ触手を通じて上空へ吸い上げられ、同時に内部で尖角な槍枝を形成、銃型に変形した腕に自動装填され、発射されていた。



明神「さて こんな所か」



明神が攻撃を中断した。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



たちまち槍の攻撃がおさまった。



海原「止んだ」



青木「今がチャンス じゃあ行くよ」



麻島「おい この暗闇の中 肉眼じゃ厳しい それにその銃じゃ不安だ 行くならこいつを持っていけ」



麻島が赤塚の骸からMP5SDを手にし、青木に投げ渡した。



麻島「その光学スコープを使え、目になる それとこれもだ」



予備のマガジンと一緒に手榴弾を一つ投げ渡した。



それを受け取った青木が頷き、小走りで歩を進めるや



幹に突き刺さった4尺(約160㎝)程の木製槍が引き抜かれ



ブン ブン



軽やかにスピアが2回転、脇に挟み



美菜萌「私も青木さんにお供します」



青木「美菜萌さ…」



美菜萌「駄目って言われてもついて行くからそれ以上は言わないで」



青木「フゥ~~ あぁ 言わないよ じゃあ行こうか」



美菜萌「はい」



そして2人は足早に暗い森の中へと消えていった。



ゴン



木に拳が叩きつけられ



海原「クッソ~~ 青木… あんなカスが俺に説教たれやがって」



そして串刺し状態で死に絶える赤塚の骸へと近づき、見下ろした。



そして一本一本抜き取り、膝をつけた海原



その背後に麻島も着き、一緒に見下ろした。



麻島「今や俺達は兵士だ 死はつきものだ…」



海原「分かってます」



海原が枯れ葉を掬い、赤塚の死体へとかけはじめた。



麻島「赤塚は分隊長として立派に役目を果たした 勇敢で優秀な男だった…」



海原「分かってます 警察時代からずっと見てきてましたから 自分が一番よく分かってますよ」



麻島もしゃがみ込み、共に枯れ葉をかけはじめた。



せめてもの弔い…



2人掛かりで落ち葉がかけられ、隆起した落ち葉の山に赤塚は埋められた。



立ち上がった2人



麻島「海原 俺達も50メートル程近づくぞ」



海原「はい」



亡き赤塚の遺体をあとに麻島、海原もその場から移動をはじめた。



速足で森を駆け抜けて行く2人



青木がMPの赤外線スコープで明神を監視しながら前進



「ううぅ~~ ぅ~」



先程まで止め処なく続いていた槍攻撃の影響で、木に磔にされたゾンビ、身体に何本も突き刺さり、不自由に地を這うゾンビがそこら中ちらほらと伺えた。



そんな今では嘘のように静まり返った森の中を



今だ空中で停滞する明神を監視しながら近づいていくさなか…



青木の足が急に止まり、木に身を隠した。



美菜萌「え?」



いきなり立ち止まり、身を隠した青木に袖を掴まれ美菜萌も木に隠れる。



美菜萌「どうしたの?」



スコープを覗き見しながら口にする青木、その声が少し上擦った。




青木「マジかよ 明神が降りてきやがった」



美菜萌「え?」



それを聞いた美菜萌はスピアをギュッと握り締めた。



ゆっくり降下する明神をスコープで観察、明神はそのまま森の中へと姿を消した。



距離10メートル内



一気に空気が張り詰め出す



青木「作戦変更だ こうなったらここで待ち伏せて、近づいてきた所を叩く」



美菜萌「うん」



さぁ… こっちに前進して来い おっさん…



頭に鉛をブチ込んでやっから…



赤外線スコープのみが頼りの目



青木はスコープを覗きながら、明神を待ち伏せた。



奴はすぐそこにいる…



トリガーに指を添え、いつでも射撃可能な態勢で明神を待つのだが



待てども明神は姿を現さない…



足音どころか気配さえも感じられなかった…



一向に姿を見せぬ明神に不審抱いた青木が



青木「おかしい… どうした…」



そう呟き、一旦スコープから目を外した



その時だ



2人の背後にあの巨大な目玉がジィと凝視



そして羽音もたてぬ明神がゆっくりと降りてきた。



トンボのような4枚羽



その上部2枚の羽のみを動かし、無音で降下してきた明神



まだ気付かぬ2人の背後へ静かに舞い降り



伸ばされた眼球を戻した。



それと同時に右腕のバキューム型触手が斧の様な形状に変化



明神はにやけた表情を浮かべ、斧と化した触手を振りかぶった。



狙うは青木の首…



羽から吹かれた風が微かに2人の肌に触れた時



死ねよ… 青木…



斧が繰り出された。



シュ



だが…



キィィーン



弾かれる音が鳴った。



斧が下から掬い上げられ、弾かれていたのだ。



そう… いち早く気づき咄嗟の機転と反応を示した美菜萌によって



寸前で防ぎ



青木が振り返る間も無く、勇敢にも立ち向かう美菜萌が既に踏み込んでいた。



美菜萌「シュ フゥ フッ」



美菜萌は踏み込みと共に掛け声なる呼吸音を発し、高速な3連発の刺突を繰り出した。



2発は避わされるが、1発が胸板に入り、強引に刺撃を押し込んだ



明神は吹き飛ばされ、倒される。



ザザザザサァァ~



そして枯れ葉の絨毯を滑らせ、木へ激突



何だと…



面食らった明神がすぐに起きあがろうとするや



既に目の前まで移動してきた美菜萌が木製スピアを振りかぶっていた。



暗闇の中、まるで紅く光ってるが如く美菜萌の鋭いまなこを感じた明神



美菜萌「セィ」



バコン



強烈な横薙の振りが頬を喰らった。



明神の首は直角に折れ曲がり、再び倒された。



なんだ… このパワー… 



この俺様が倒されるなど… 鬱陶しいメスめ…



両腕の銃器を向け、斧化した触手を振るおうとした時



既に目の前から美菜萌は姿を消していた。



すると



グサッ



いきなり明神の口に刺し込まれたスピア



明神「あがぁ」



スピアを口内へ突き立て、美菜萌が明神の胸に座り込んでいた。



そしてうつむき加減な美菜萌から静かに口が開かれた。



美菜萌「あがぁ って何んですか? 随分腑抜けた声出すんですね 聞き取れません」



明神「…」



美菜萌「フゥ~~ まだまだ自分は未熟者だったのだと思い知らされました 大変勉強になりました… また同時に一皮剥ける事も出来ましたので自身にとっては大きな収穫です 私もこれで少しは成長出来たかなと思ってますから そういった意味ではあなたに感謝しなければなりません」



なんだこの女… こいつ… 本当についさっきまで恐怖で震え上がってたあの美菜萌なのか…?



まるで別人のような美菜萌を目にし泡食う明神



そして 青木も目が飛び出さんばかりに驚きの表情を浮かべ、その目の前で美菜萌は更に喋りを続けた。



美菜萌「見て下さい 震えがおさまったんです これはあなたに対する恐怖が取り除かれた証拠です」



この女…



美菜萌「これで心置きなく…」



このメスがぁ~ 調子に乗りおってぇ~



恐怖なら再び植え付けてくれよう…



明神が怒りの表情へと変わり、羽を動かしはじめた。



ブゥゥゥ~~



周囲の枯れ葉が一気に舞い上がり、浮上を試みようとした



その瞬間



明神の額にスゥーと銃口が添えられた。



美菜萌が手にするのはリボルバー



M360J SAKURAだ



パァン パアン パン パン パン



そしてためらい無く5発全弾が額に撃ち込まれた。



羽の振動が止まり、頭を吹き飛ばされた明神の腕や浮遊する触手もダラリと落ちるや美菜萌は口内に突き刺さるスピアを抜き取り、立ち上がった。



頭部からはみ出た脳物の一部を見下ろし、スピアを振り上げるや



美菜萌「…退治出来ます」



グシャ



トドメの一撃を振り下ろした。



額に突き刺された明神は目を開けたまま動きを止める



美菜萌「ふ~」



そして青木の元へと歩み寄った。



ポカーンと口を開け唖然とする青木



鬼神の如き強さを見せつけた美菜萌があの化け物を瞬殺した。



美菜萌の本当の実力を目の当たりにし青木はただただ驚きを見せた。



青木「す… じつは凄いんだね… 美菜萌さんって…」



美菜萌「無事 仇討ちをとる事が出来た それもこれも全部青木さんのおかげ」



青木「いや 俺は何も」



安堵を含んだ普段通りの声色に戻った美菜萌が拳銃の弾倉を開き、弾詰めを行った。



青木「怒らせると大変なタイプか…これじゃあ痴話喧嘩するのも命懸けになりそうだ ハハッ」



ボソッとそう独り言を口にし美菜萌の元へ駆け寄ろうとした



その時だ



ハッ



青木の目に…



美菜萌の背後に立つ大きな人影を目にした。



スピアを脇に差し、弾交換を終えた美菜萌がサクラを仕舞ったと同時に



突然MPの銃口が向けられた。



そしてライトが点灯され、美菜萌の顔が照らされた。



眩しく目を細め、唐突に銃口を向けられた美菜萌



美菜萌「え?」



そして



青木「よけろ」



青木のその掛け声に 瞬発的にサイドへと身を投じた美菜萌



っと同時に…



パスパスパスパスパスパスパスパスパスパスパス



ライト光に照らされた明神に銃撃された。



青木「うおおぉぉ~ 明神~」



横に倒れ込んだ美菜萌が振り向くとそこには明神の姿



何で… 今さっき頭をブチ抜いたばかりなのに…



あれでも死なないと言うの…



しかも… あれ…



その間 青木は吠え、素早くマガジンを交換するや銃撃を続けた。



パスパスパスパスパスパスパスパスパス



パシュ ピシュ ピシッ ピュン



青木が銃撃の手を緩める事無くひたすら撃ち続けるのだが…



銃弾は全て阻まれていた。



長方形の盾によって



さっきまで斧状に変化していた触手が今度は膨張し縦長な盾へと形状変化



青木が放った銃弾は全て受け止められ、ガードされていた。



美菜萌もすぐに拳銃サクラを抜き、青木に加勢、発砲に転ずるも…



パァン パン パァー



ブシュ バシュ



肉の盾から血を吹き出しながら、スペシャル弾も全て防がれた。



そして ブゥゥゥ~ 羽が動かされ



明神が後ろへ後退しつつ、浮上しはじめた。



パスパスパスパス パァー パァン



また盾で受け止めた銃弾は全て吸収され、両腕へ自動装填



明神が木の枝まで浮上し、着地すると両腕を2人に向けてきた。



青木「やば 美菜萌さん 隠れろ」



2人はすぐさま発砲の手を止め、木の裏手に周り込むや



バシュ バシュバシュバシュバシュ



乱れ撃ちがかまされた。



幹に銃痕が刻まれ、撃った弾の数だけそっくりそのまま返してきた明神



また バキューム型の触手が地に垂らされ凄い勢いで枯れ葉ごと石や枝を吸い上げはじめた。



木を背にリボルバーのレンコンから薬莢を捨て、弾を詰め込む美菜萌



カチャ



青木も新たなマガジンをはめ込んだ



そして 青木が再び身を乗り出し、ライトを照射、木の上にいる明神を照らすや2人で同時に銃撃を行った。



パスパスパスパス パス パァンパン パァン



しかし 先程同様盾に阻まれ、本体はノーダメージ



クソ… あの盾… これじゃあ無意味か…



青木が流し撃ちしながら横移動、美菜萌の元へと滑り込んだ



ザザザザァ~



美菜萌「青木さん」



そしてすかさず木の遮蔽から身を乗り出し発砲



パスパスパスパスパスパス



それから一旦身を引いた。



青木「ウゼェ~ 盾だな」



美菜萌「あの盾何とかしないと」



青木「あぁ しかも俺達が撃った弾を全て取り込んでそっくり返してきてる」



美菜萌「どうする?」



青木「とりあえず撃ち続けて様子を見るしかない」



青木が再度身を乗り出し、発砲



パスパスパスパスパスパスパス



青木に続いて美菜萌も乗り出し発砲した。



パァン パンパンパン



2人同時射撃が行われるのだが



何度やっても盾に守られ、進展は見られ無い



クソ… 弾の無駄遣いだな… どうする…   ん?



青木がふとある物に着目



やってみるか…



照準を変えるや



発砲を繰り返した。



パスパスパスパスパスパスパスパス



バシュ ピシッ ベキベキ バキッ



青木が狙ったのは明神が乗るぶっ太い枝の付け根



その枝が銃撃によってへし折れ、落下した。



よし…



明神が落下し、バランスを崩したわずかな隙を狙う算段のようだ



今だ…



青木がMPを構えながら飛び出し、接近で狙い撃ちを試みようとするや



ブゥゥゥウウウゥ~~



明神は羽を使って浮遊していた。



な…



ザザザザァ



青木はすぐにブレーキをかけ、慌てて木の陰に隠れた。



バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュ



間一髪木に逃げ込み、幹に突き刺さる槍や石、銃弾が撃ち込まれてきた。



クソ…やっぱ厳しいか… 



あの鉄壁の盾と無限に吸引する触手、それと自由に空中を飛び回るあの厄介な羽…



この3つを何とかしないと活路は見いだせないし、このままじゃこっちの持ち弾がジリ貧するだけだ…



青木が必死に策を模索する中、その間にも明神の攻撃は続き



明神「はぁはぁ~ 無駄無駄ぁ~ 永久に尽きる事は無いわぁ~」



高笑いする明神



再び防戦一方に追い込まれた青木が懐をまさぐるやある物を掴んだ



ん?



取り出したのは1個の手榴弾



青木は手榴弾を握り締め思考した。



こいつをあの盾に張り付ければ勝手に吸収し、内部から木っ端微塵にぶっ壊せる…



だけど… 貴重な手榴弾を使って



その後こいつだけで明神を倒せるかだ…



今度はMPを見つめた。



飛んで逃げられればそれまでだし…



うん?待てよ… 羽か! っとなれば盾の次は羽を潰せばいい訳だ…



そうすれば…



思考を張り巡らし、考え込む青木が良き策案を思いついた。



木の陰からチラリと覗かせるや



グサッ グサッグサ バチ ズボッ



すぐに顔を引っ込めた



チッ…



一番の問題はどうやってあの懐まで潜り込むかだ…



銃弾、石、木槍を拡散させ雨を降らせる明神をジッと伺うさなか



「明神 私ならここです」



いきなり後ろの木陰から飛び出し、走りだした美菜萌



ちょい 何やってんだ美菜萌さん…



囮を買って出たのか… 走りゆく美菜萌の後ろ姿に手を伸ばした その直後



明神「ハッハッハ~~」



ブゥゥゥ~



明神が笑い声をあげ低空飛行で進みはじめた。



バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュ



美菜萌へ攻撃しつつ、自ら近づいて来る



明神「何処へ逃げるんだぁ~~ ハッハハッハァ」



青木は歯を食いしばりながら留まり、待ち伏せた



バシュバシュ バシュ



ロックオンされた美菜萌へ執拗に発射される投擲の凶器



木の障害を巧みに利用し、何とかかろうじて回避していく美菜萌だったが



バシュバシュバシュバシュバシュ



ゴルフボールくらいな大きさの石が美菜萌の太腿を直撃



美菜萌「うっ」



体勢を崩し、つまづくと両膝をつかせた。



っと同時に



グサッ バン



美菜萌の左肩に尖角な枝が突き刺さり、また野球ボール程の石が背中に当てられた。



美菜萌「かは」



ダイレクトに石を受けた美菜萌は口から涎(よだれ)を吐き出した。



明神「ハッハァ~~ ナイス ピッチ」



明神がゆっくり前進しながら両手の銃口を美菜萌へ向けた。



枝の小槍が装填され



明神「ハッハァ~ ヒヒヒ 女め 脳味噌にたっぷり槍をぶっ刺してくれる」


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