第8話 決起

真鍋「それは徐々にエスカレートして刃向かう者、指示に従えなかった者は容赦なく処刑する それを見せしめにする非道ぶりでした…」



エレナ「ヒドい…」



御見内「公開処刑って訳ですね 大昔にタイムスリップしてしまったようだ それで何人…?一体何人の人が捕まってるんですか?」



真鍋「約2600人です」



御見内「そんなに!?」



真鍋「その内1000人が既に酷い拷問で殺されてます また圧倒的暴力と恐怖で洗脳された町民は新たな生け捕りを命じられこの町の子供達を狙っているんです」



エレナ「だから早織ちゃんが狙われてるのね でも何故子供を?」



真鍋「詳しい事は私は分かりませんが… マツさん達の所に行けばもう少し詳しい話しが聞けるかと思います」



御見内「マツさん?」



真鍋「えぇ 私達だってただ奴等の支配に指をくわえてる訳ではありません… 旦那や両親 恋人、子供まで大切な人が殺されてきたんです その復讐を誓う者や愛する人を取り返そうとする者がいてもおかしくありません そういった者達が団結し、立ち上がった組織があります それを束ねるあたまに松尾という者がいます」 



エレナ「…」



真鍋「組織は今… 反撃の機会を狙ってるんです」



御見内「レジスタンス(抵抗組織)…って事ですね?」



真鍋「えぇ ですが…戦況はあまりかんばしくありません むしろ悪化の一途を辿るばかりで奴等に対抗する術がことごとく潰えているのが現状です…」



エレナ「なんでですか?その抵抗組織は何人くらいいるんですか?」



真鍋「何度も衝突を繰り返し その都度仲間は減り もう戦力になる者は今20人いるかいないか…」



御見内「20人…? 少ないですね」



真鍋「この町中の武器となりうる武器は全て没収されてますし、相手の数も違い過ぎます 密偵や監視も失敗に終わり多くの者が殺されてきました 奴等は女、子供だろうと容赦無く殺害する人の形をした鬼のような集団ですから 勝機も無く不用意に突っ込み失敗すれば 見せしめに人質となる愛する者まで殺される… 慎重に慎重を重ねなければこの町の民はみんな殺されてしまうかもしれないんです それ程にこの町は奴等に牛耳られてしまってるんです」



なんて愚劣で腐った奴等だ…



許せねぇ…



怒りがフツフツ込み上げる御見内がエレナをチラ目した時



エレナ「許せない… 話しを聞いてるだけで頭が噴火しそうだわ」



フッ… やはり俺以上か…



エレナが目を合わせて来た。



その目は…



道 勿論こんなの見て見ぬ振りなんかしないわよね…?



手を貸すでしょ…?



そう物語る目



御見内「真鍋さん そのマツさんって方の居る場所を教えてくれませんか?」



真鍋「それは構いませんが これはこの町の問題です どこか目的地へ向かう途中なのでしょうから これ以上御二方を巻き込むつもりはありませんし巻き込みたくはありません すぐにでもこの町から離れて下され」



エレナ「いいえ 話しをうかがってしまった以上 極悪非道なそんな連中… 見過ごす訳にはいきません 協力させて貰います ね?」



御見内「え あぁ そうです 女、子供まで平然と手にかけるような野蛮は許せない」



真鍋「どうして?まだお若いのにいけません 関われば命の保障はありません そもそもあなた方には関係無いんですから」



御見内「それがじつはもう関係してるんですよ…」



真鍋「…」



御見内「奴等は俺達の大事な貴重品を燃やしやがったんです 何もかも奪ってったんです な!」



エレナ「えぇ そうです 車ごと 中には私のお気に入りなお洋服まで入ってたのを燃やされたんですよ」



真鍋「…」 



エレナ「…それに一度はやってみたくてテントやらバーベキューセットなどのアウトドアグッズまで揃えたのに… 北海道着いたらの楽しみにとっておいた私のささやかなお楽しみを奪ったんですよ」



御見内「まぁ それもホームセンター行って また漁ればいいよ」



エレナ「あれもお気に入りの可愛い柄だったの 同じのあるとは限らないでしょ」



真鍋「御二方 車や貴重品だけで済んだのならまだ幸運です 命にはかえられませんから 奴等がどんなに恐ろしい組織か… 目を瞑り、そうそうに通り過ぎてくだされ」



御見内「黒装束の奴等はたかだか4~50人近くなんですよね?」



真鍋「は?」



エレナ「ちなみにそいつらは頭を撃たれれば簡単に死にますよね? 傷つければ痛がる私達と変わらぬ普通の人間ですよね? 身体が回復とかしないですよね?」



真鍋「え?え?えぇ…まあ…そうだと思いますが…」



御見内「なら問題ないなエレナ」



エレナ「うん 良かった ただの悪党で」



真鍋「貴方方何を…?」



早織「おじいちゃん このお兄ちゃんとお姉ちゃん すっごく強いんだよ」



早織が半分寝入りしながらボソッと口にした。



真鍋「……」



エレナ「やられたら こっちとしてもお返ししてあげないといけませんから」



御見内「だな…」



「俺達を怒らせたんだ…」



悪の組織壊滅させてやる…




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