第272話 同時進行です

 静寂に包まれた会場に木霊する、拡声されたマナベル・ショコラの実況。

 これが、大会最後の前口上となることにある者は感慨を、またある者は一抹の寂寥感を胸に抱く。長かった戦いもこれにて最後になり、数多の戦士たちの敗北の末に最後に残った二人が、ステージ上で相対する。


『世界最強……なんとも力強く、甘美な響きの言葉です。戦いが好きな者も戦いを見る者も、そして時には戦いとは無縁な者でさえ、時にはこの言葉に魅了され、その条件に当てはまる者が何者なのかを語らってきました』


 ここに上り詰めるまでに様々な敵と相対した。


 第一試合、帝国軍人のカイリーは実に気の合う男だった。

 第二試合、ヴェンデッタ……全く別の意味で強敵だった。

 第三試合、竜殺しマルトスクとの戦いは、俺にしては珍しく誇っていい戦いだ。

 第四試合では、あのオルクスが八咫烏を放って見せた。

 第五試合は苦しすぎる戦いだった。心底、二度とガドヴェルトと素手で戦うのは御免だ。

 準決勝でのアストラエの策には本気で焦ったが、剣の力で乗り越えられた。


 ただの一人も楽な相手はいなかった。


『世界一も最強も、酒場の席では絵空事でしかない。故にこそ、その絵空事を現実にする為に、我々コロセウム・クルーズは乾坤一擲、世界最大の武闘会を企画してきました。それこそが絢爛武闘大会デュエルオデッセイ……開催される度、これが限界かと疑う程の興奮と感動が積み重なり、ついには三度目となったこの大会。そのフィナーレを飾る時が、刻一刻と迫っております』


 勝利する度、負けた人から何かを背負って登ってきた。

 敗北が脳裏をよぎると、その重荷は逆に背中を押してくれた。

 今、この会場にはいない仲間たちの分も含め、やっとここまで運び込んだ。


『終わらせましょう、この祭りを!! 始めましょう、人類史上最高の決闘をッ!! 武人はステージの上を生きた芸術として絢爛に舞い踊り、武闘の衝突は武器の火花と玉の汗を舞い散らせる!! 世界一泥臭くて生々しいのに、そのぶつかり合いこそが世界で最も美しい!! 優勝賞金と名誉などという俗物的な頂上を目指して魂の雄叫びを上げる様が、我々には世界のどんな小綺麗なダンスパーティーより刺激的な至高の瞬間となるッ!!』


 今、目の前にはシアリーズがいる。

 いつもの気楽さでひらひらと手を振る彼女から威圧的な空気は感じられない。むしろ、待ち人来たれりといった喜色さえ見受けられる。


「何度かヒヤっとする試合があったけど、やっぱりここに来たのはヴァルナだったね」

「おう、すまんなヒヤヒヤさせて。俺も自分の未熟さを痛感したよ。あー、有給取れたら短期でいいから修行してぇなぁ」

「ただガドヴェルト相手に素手で戦おうってのは流石にドン引きしたけど」

「俺だって別の勝ち方があったならしたっつーの……」


 決勝戦前ならもっと勿体ぶって格好つけた会話になるかと思ったが、所詮相手がシアリーズで喋るのが俺だとこんな緊張感のないものになってしまう。まぁ、ある意味当然だ。俺もシアリーズもそういうのは柄じゃない。


『大陸に彗星の如く現れ、最年少 七星ドゥーべランク冒険者記録を塗り替え、僅か数年で冒険者の頂点に上り詰めたその少女は、石ころを磨いて宝石に化けさせました。少女は、あるとき突然表舞台から姿を消し、様々な憶測が飛び交いました。そして彼女は再び前触れもなく表舞台に戻ってきた……それまでより遥かに高い実力をひっさげてッ!! 決勝戦に至るまでの全ての試合を圧勝、場外、完封の嵐ッ!! 挙句の果てには準決勝まで本気を隠していた底なしのポテンシャルッ!! ここに立っている時点で、既に人類最強の女を名乗る資格を持つ彼女の名はぁ……藍晶戦姫カイヤナイトッ!! シィィアリィィーーーーーーーズッ!!!』

「「「うおぉぉぉぉぉ!! シアリーズちゃぁぁぁぁーーーーんッ!!」」」

「その涼し気な顔と圧倒的な実力が好きだぁぁぁッ!!」

「女の底力、見せつけてやってくださーい!!」

「大陸冒険者の本気見せてやれぇぇぇーーーッ!!」

「お高く留まった騎士なんぞケチョンケチョンにしてやれーーーー!!」


 観客からすれば、今まで沈黙を保っていた王国騎士たちが今まで大陸冒険者のものだった大会を荒らし回ったと受け止めている人もいる。いくら開催地がホームとは言えど、押し寄せる観客の半分以上は大陸から王国に渡航してきた人間だ。


 王国戦士が次々に上位に食い込み、気が付けば彼らの応援していた大陸冒険者は最後の一人。彼らは魔物と戦い続ける大陸冒険者の意地と威信を、勝手ながらシアリーズに賭けている。そうでなくとも大陸の人間が勝ってほしい、好きな冒険者に勝ってほしいという勝手な欲望は誰しも必ず抱くものだ。


 まして、絢爛武闘大会で決勝まで女性が残ったのは歴史上初。

 女性観客の大半が彼女の勇姿に見惚れている。


『対するは……語ることが多すぎて、この男はいつも実況者を困らせます。生まれたとき、彼は確かに何の伝説も持たない農民の跡取り息子だった筈です。それがいつの間にか騎士になり、いつの間にか王子が認める者になり、いつの間にか……彼は王国で最も強い騎士となっていました。ライフワークはオーク殲滅。大陸冒険者は鼻で笑いますが、違うのです。討伐ではなく殲滅なのです。オークを殲滅するために手に入れたありとあらゆるスキルは、とうとう彼を目を瞑ったまま敵を倒し、素手で優勝候補に立ち向かう程の豪傑に練り上げましたッ!! 曰く『剣皇』、曰く『首狩り』、『宵闇の剣鬼』なんてマイナーな二つ名もありましたが当人が名乗りを上げるのはいつも決まっていますッ!! 王国筆頭騎士ィッ!! ヴァァァルナァァァァァーーーーーーーッッ!!!』

「ヴァルナァァァァーーーーー!! 騎士団の未来が掛かってるぞぉぉぉぉーーーーッ!!」

「先輩勝って!! きっと、ううん絶対先輩なら出来ますからッ!!」

「王国最強の騎士の力、見せつけてやれぇぇぇぇーーーー!!」

「フレッ、フレッ、ヴァールーナ!! 頑張れ頑張れヴァールーナ!!」

「おいあの人確かヴェンデル侯爵夫人とその息子……」

「全財産をぉッ!! お前に賭けたぞぉぉぉぉーーーーーーッ!!」

「お前は賭けの成否にかかわらずカミさんに縊り殺されると思う」

「背中見せてぇぇぇぇーーーー!!」

「自腹を切って滞在したせいで生活が火の車な月刊ジスタの敏腕女記者ペイシェと言いますッ!! 結局どの女の子とお付き合いしてるんですかッ!! この記事がヒットしないと本格的に生活がヤバイので気になって朝に眠れませんッ!!」

「一生寝てろ。つーか寝ぐせ凄いなアンタ」

「なんでその実力でやることがオーク殺しなのか本当に意味が分かんないですッ!!」


 ……何なんだこのイロモノ率の高さ。

 シアリーズと比べて客層バラけすぎだろう。

 というかヴェンデル侯爵夫人はいつから俺の追っかけになったんだ。旦那のクシュー聖靴騎士団長が嫌いで俺を応援し始めたって聞いてるけど、扇子に『We Love ヴァルナ♡』って書いてある辺り手段と目的が倒錯し始めている気がする。あと月刊ジスタは社員にちゃんと出張費とか給料とか払え。

 

「愛されまくりね、ヴァルナ」

「もっと普通の愛が欲しいね」

「欲しいの、愛が?」

「愛というか、いたわりの心みたいなものが欲しい。あいつら外野で盛り上がり過ぎて逆に俺が孤独なんだよ。騎士は寂しいと死んでしまう生き物なんだぞ」

「そーゆー台詞がポンと吐けるうちは余裕あると思う」


 まぁ確かに、と納得しつつ、俺は抜剣する。

 今日は一際強い日差しが差している為か、銀の刃は反射で一際よく輝く。この反射の光でオークに目潰し出来ないだろうか。でもアイツら基本日陰好きだからなぁ。


 シアリーズも抜剣。超一流の剣が相手だが、剣の性能差で敗北する気は全く起きない。今やこれには全幅の信頼を置いている。故に、後はまだ実力の底が見えない彼女に俺が剣士としてどこまで食い下がれるかに掛かっている。


「ねぇ」


 シアリーズが話しかけてくる。


「初めて貴方に会った日、貴方と月の照らす夜の浜辺で話をしたのを覚えてる?」

「ああ。俺にどの程度実力があるのか試したいって言ってやり合った後の話だろ? 覚えてるよ」


 あの頃、シアリーズは騎士という存在に対する不信感を拭えていなかった。ただ、彼女はオークの毒が大地に与える悪影響を知らずにオークを殺してしまった負い目から、僅かに歩み寄る気配を見せていた。


「大陸でやることやり切って、それで王国に移住したけど……剣の、戦いの道から距離を置くと自分が段々希薄になっていく気がするって、言ったよね」

「うん」


 あの時、月光に照らされるシアリーズの表情は今も覚えている。心に棘が突き刺さったまま傷が癒えないような、言いようのない切ない顔。ほんの数秒ではあったが、彼女はきっと何かに思いを馳せていた。俺はそれを、過去の楽しかった冒険者時代だろうと思っていた。

 しかし、シアリーズはかぶりを振る。


「あれ、本当はちょっと違うの。本当は最初から戦いも続けたかった。だけど待ち人がいたからずっとやらずに待っていたの」


 その話は初耳だ。しかし、彼女はそもそも自分の過去をそれほど多く語らなかったし、日数にして僅か数日の邂逅だったために聞ききれない話も当然あっただろう。


「その日を何度も夢に見た。わたしがウミネコ亭でパスタを作っていたら、ふと開く筈のない扉が開いて、待ちに待った人が私を迎えにくる……ま、来なかったけど。文字通り開かない扉だし。でも、来て欲しかったな。戦士として育った私は昇る所まで昇った後、隣に居てくれるだけの力を持つ人が居なくなって……寂しかった。だから隣に並んでくれる待ち人が、私の初恋だった」

「……その人は、今?」

「知らない。段々と顔も薄れていってるし、待ち合わせに遅れすぎ。死ぬタマじゃないにしても、そろそろ私も待つのが嫌になってきたの。だからヴァルナ……今日は、私の甘酸っぱい青春の約束を忘れる程に楽しい戦いにしたいな。きっとそれで諦められるから」


 それは、微かな諦観と、それを遥かに上回る衝動――戦士として全力で戦い尽くし、勝敗を決したいという無邪気なまでの闘争心が宿った、美しい笑みだった。顔に感情が100%乗り、不純なものが入っていない――完成された笑顔だ。


 恋を諦めたい、なんて可愛く切ない話ではない。彼女は心の底から本当に、戦士としてこの瞬間を心待ちにしていたのだ。これを経験したら、本当に約束まで吹っ飛んでしまうほどの興奮に必ず辿り着けるという確信を以て。


『運命を決める一戦ッ!! 天よ地よ、人よ刮目せよッ!! 空よ海よ、神よ驚嘆せよッ!! 今ここに、三度目の世界最強が決定するッ!!』

「ここに逃げ場はない。今度は時間の制約もない。燦燦と降り注ぐ陽光を見届け人に、心ゆくまで、最高の戦いをしようよヴァルナっ!!」

「世界一物騒なダンスのお誘いだな。だが俺は勝つぞ?」

「あはっ、勝ったら誰もが羨むプレゼントを貴方にあげちゃうわ!!」


 俺たちは実況の試合開始の合図を心待ちにした。




 ◇ ◆




 同刻――ホテル・ネビュラー前。


「犯人の外出は本当に確認されていないのだな?」

「ええ、王国に加えて祭国のファミリヤまで使ってホテル・ネビュラーから出る全ての客の顔を確認しました。地下も確認しましたが、犯人の使用するローブと武器が未だに置いてあります」

「奴め、最終日に限って外に出てこないとはな……」


 捜査本部はピリついた空気に包まれていた。

 連続襲撃犯逮捕まで一歩手前なのだ、神経質にならない訳がない。


 現在、町の人間の全員の関心事は大会決勝に傾いている。しかし、いくらコロセウム・クルーズと言えど動員できる観客には限りがあり、立見席さえ超満員である以上は必ずそこから溢れた人間もいる。

 今までより数は流石に少ないが、野良試合も元気に執り行われている。


 捜査本部は当初、早朝に出るであろうターゲットを即座に捕縛するつもりだった。しかし待てど暮らせどターゲットは現れない。ファミリヤからの報告についてのやりとりも、先ほどのもので四度目になる。本当は自分たちの知らない逃げ道で既に逃走したのではないか――犯人は襲撃を取りやめたのではないか――その不安がぬぐえない。


 なにせ、犯人の顔は結局のところまだ確認できていない。ファミリヤの高度な認識能力ならば背丈や体格などの照合が可能なために人間の確認よりは確かだが、それでも安心できないのが人間だ。ホテル宿泊客の中からセドナの伝手でフロレンティーナ嬢の取り巻きから何名かを協力者に出来たものの、確たるものはない。


「ルームサービスで明らかに人数分以上の食事が運び込まれてる部屋があるって聞いた時はこれだと思ったんだがなぁ……」

「ホテルに隠れて連れ込んでると思ったのに、まさかそれがシェパー大臣の部屋とは、トホホだよ」

「いやぁお恥ずかしい……」


 当の本人が恥ずかしそうに頭を掻く。

 シェパー大臣が尋常じゃない食欲の持ち主であることは知る人ならば誰もが知っている。恐らく慣れない職務のストレスによる反動だろう。こんな時だけ紛らわしい人である。


 ただ、犯人が部屋を出ていないのであれば絶好の機会だ。

 現在、ホテル・ネビュラーの宿泊客はその全員が外に出ている。この一大イベントを見逃す程暢気な客は一人としていなかったらしく、高い料金を払って指定席を確保していたのだ。

 ホテル・ネビュラーも犯人の存在が確定したことで発行された令状に観念して、ホテル名簿を提出してきた。その名簿の人数や顔を照らし合わせ、全ての客が外出したことを確認できたのだ。


 すなわち、犯人は『名簿に載っていない人物』ということだ。


「今、この段階でホテル内にいるホテルスタッフ以外の人間を全て確認すれば、その中に必ず犯人がいる。ホテルは騎士セドナの助言で地下下水道を含めて完全封鎖。ファミリヤ犬も導入してる。隠れても逃げられん」


 ――その包囲網の中で犯人捜しのためにホテルに入った二人の騎士と一人の祭国警備員は、ホテル四階をファミリヤ犬と共に調べていた。


「犬の嗅覚に訴えるとは、大陸ってすごいな」

「王国にはいないのですか?」

「ファミリヤ使いのスカウトは続けていますが、これがなかなか……」

「高給取りですからね、ファミリヤ使いは。契約までこなせる人はどの組織も放っておきません」

「その中から何で王立外来危険種対策騎士団は優先でファミリヤ回されてるんだ……納得がいかん」


 会話をしつつも、全員が周囲に視線を走らせ、部屋の一つ一つの前で犬に匂いを嗅がせていく。ファミリヤ犬の警戒度が少しずつ上がっているらしく、段々と犯人の臭いに近づいていることが予想された。


「犯人は中肉中背やや痩せ気味、身長は170センチ。顔は隠している可能性が大、だったな」

「ああ。仮装用の仮面被って歩いてる人も上流階級の中にはいるからな。よその土地の空気を吸いたくないって仮面に魔法の浄化機能つける奴までいるんだってよ」

「贅沢品ですね。でも伝染病対策にはなりそうです」


 そんな会話をしながら次の部屋に向かう途中――ファミリヤ犬がこれまでにないほど深く眉間にしわを寄せて唸り始めた。


『ソロソロ、近イ。オレ警戒……グルルルルル』


 いよいよ次の部屋か――と騎士二人は臨戦態勢に入り、ホテルから預かったマスターキーを取り出す。狭い空間での戦闘は聖盾騎士団の得意分野だ。リーチの短い短剣を構え、慎重にドアに近づき――。


 直後、ドアが弾け飛んだ。


「――はぁっ!?」


 マスターキーを持っていた一人がそのドアに吹き飛ばされる。中から現れたのは高級なスカーフで頭を覆った、恐らくは男。その背丈や体格は犯人のそれに近く、状況からしてほぼ確実にクロだ。


 頭を切り替えた騎士は即座に剣を振るが、犯人の手刀が腕に叩き込まれて仰け反る。凄まじい筋力だ。腕に籠手を仕込んでいなければ最悪折れていたかもしれない。歯を食いしばって追撃を仕掛けようとする頃には、犯人は踵を返して反対方向に逃走していた。


「貴様には逮捕令状が出ている!! 逃げられると思うな!!」

「ま、待て……」


 扉の下敷きになっていた騎士が、扉を退けてなんとか体を起こす。


「俺達じゃ、手に負えん。戦闘になった以上は捕縛するのは包囲網の連中の仕事だ。それともう一つ、急いで本部に伝達しねぇと……」


 騎士は震える声で、自分の手を見せた。

 そこに、先ほどまで握られていた鍵がなかった。


「あいつ、マスターキーを盗んでいきやがった……!! ホテルのどこからも出放題だッ!!」

「なんてこった……セドナちゃんの想定していた『最悪』の道が繋がっちまったか!!」


 顔色を変えた祭国警備員が事前に示し合わせていた犯人逃走時の合図、非常ベルに手をかけるのと、大会の試合開始のゴングが空に鳴り響いたのは、ほぼ同時の出来事であった。


『試合……開始ぃぃぃぃぃぃーーーーーーーッ!!!』


 この瞬間、二つの決戦が同時進行で開始された。

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