第260話 天地八方轟きます

 ――痛い。


 痛みは生の実感であり、死との距離を感じる手段だ。

 ガドヴェルトとて痛みは感じるし、戦いで痛い思いをするのは当たり前だと思っている。気が付けば戦いで痛みを感じさせてくれる相手がいなくなっていただけで、この痛みはいずれ戦いの中で訪れるものだと当然に納得できる。


 しかし、それにしたって痛い。

 ガドヴェルトにとって、現在腹部に響く鈍痛は体験したことのない痛みだった。


(なんだこれは、俺は四十年以上生きてるってのにこの痛みは知らないぞ!! はは、!!)


 ヴァルナという男は、これまで戦った事がないタイプの極めて珍妙な戦士だ。


 剣士と名乗る戦人は普通、剣に全てをつぎ込んでいる。剣術とは剣で敵を打倒する為の行動から無駄を極限まで削ぎ落したものだ。故に剣士は人でも、剣を持った人でもなく、剣という武器と体を一体化させた存在として己を鍛え上げている。


 しかし、ヴァルナは剣が駄目と見るや否や、まさかの素手最強相手にステゴロという手段に出た。しかもこの拳がバカに出来ず、現にガドヴェルトは右脇腹に激痛を感じる程の拳を何発も受けてしまった。にわか仕込みではない、実戦でも鍛えられた拳だ。


 勝つために手段を選ばない類の戦士はどこにでもいるが、多芸な者は大抵、極めるほど鍛え抜かれた一つの武術を真っ向から打ち破る根の強さに欠ける。むしろ道を究められないからこそ手札を増やしている場合が多い。


(そういう意味ではあのバジョウという奴とも戦いたかったが……ヴァルナはまた違うタイプだ)


 剣と拳とどちらでも戦士として申し分ないことにも驚いたが、それよりなによりヴァルナは一つの試合でいくつもの顔を見せるのが面白い。

 途中までは冷酷なまでの計算と試合に勝利したその先まで見据えた冷静な――言い方を変えればクソ真面目過ぎる雰囲気があった。その手の人間は普通負けるまでそのまんまだし、負けた後もそのまんまだ。


 しかし、冷静な癖にその目は僅かな隙さえあれば容赦なく牙を捻じ込んでくる獣のような獰猛さを湛えていた。その獣性でガドヴェルト最強の技『破山掌』を相殺したとき、ガドヴェルトは自分がヴァルナを見誤っていた事を知り、歓喜した。

 

 この男は机の上の計算式に則らない熱いモノを持っている。


 その後の打ち合いの中でも、彼は自分の方が劣っていると理解した上でその拳を前面に押し出して殴り合いに挑んだ。ただ我武者羅に進むタイプの戦いが好きなガドヴェルトだが、逆境の中に差す微かな光明を信じるヴァルナの折れない心に久々に魂が疼いた。何故なら、それは限界を超えようとする人間がよくする目だったからだ。


 そして予想外過ぎる観客に意識を逸らされた瞬間、ヴァルナはまた違う顔になった。


 極限の戦いの中で氣を覚醒させる人間は、やはりたまにいる。むしろ感情の爆発がたがを外し、閉じられた可能性をこじ開ける。戦いの中にこそ氣の短期覚醒が起きやすい、と、ガドヴェルトは自分に氣を教えてくれた老人に聞いた。


 ただ、怒りによる覚醒は目を曇らせるとも、悟りこそ真の覚醒とも言っていた。

 では目の前のヴァルナはどうだろう。


「テメェ今また気ィ逸らしたなッ!? バレてんだよ余所見筋肉がッ!! 俺のことボーっとしながら倒せると思ってんのかァッ!?」


 完全にキレている。

 キレッキレにキレている。

 老人の言葉が正しければ目が曇っている筈なのだが、ヴァルナは怒り心頭にも拘らず覚醒した氣の力をどのタイミングでどう用いれば勝利できるかという部分が滞りなく全て体に反映されている。しかも拳を通して過去に思いを馳せたことまで見切っているので、悟ってるのか悟ってないのか分からない。


 ヴァルナは、きっとそういう男なのだ。

 使命感や意地、怒りなどすべての感情を一つの作業に注げる特異な精神の持ち主。

 彼の噂話を色々と聞いていたのを思い出し、ガドヴェルトは一つの結論を弾き出した。


「そうか……何故か今いきなり分かった!!」

「何がぁッ!!」

「お前はオークを殺すことに心血を注いでいると聞いたッ!! つまり、剣技も体技も精神も全てを『オークを殺す』という戦闘行動として一つの結果に帰結させることが出来るようになった、全く新しい戦士……ッ!!」


 広い世界の中で、戦士以外でこの手の人種を見ることがある。

 これは物語作りに使える。これは次の絵のイメージになる。経験する全てを一つの情熱に注ぎ込むアーティストが持つ、ある意味戦士以上に純粋な気質――。


「お前のバトル職種ジョブは、鬼豚屠殺職人オークスレイヤーだッ!!!」

「意味分からんわぁッ!!!」


 ヴァルナの右拳とガドヴェルトの右拳が真正面からかち合い、拳圧が突風となって大気を押しのける。

 互いの動きが互いの拳の衝撃で止まるが、それでも尚、一流の拳士ではなく体格に劣るヴァルナの方が受けた衝撃もダメージも大きい。だがヴァルナはその状態のまま、恐らくは剣術に本来使うものであろう歩法で体を前に弾き出し、地面を踏み割るような震脚と共に左拳をガドヴェルトの右脇腹に振り翳す。


「そう何度も受けてはやれんなぁッ!!」


 ガドヴェルトはその動きを読み、空いた左手で脇腹をガードするが、ヴァルナは一切の躊躇いなくガードに突き出た腕に拳を叩き込んだ。


「ラァァァッ!!」

「ぬ、ぐぅ……ッ!!」


 右手の肘でガードすれば完全に防げただろう。しかし、少し無理やりな左手のガードはヴァルナの拳の勢いを殺しきれずに脇腹に再び衝撃。脇腹の鈍痛が更に増加し、苦悶の声が漏れる。


(――こりゃあ、守ってる場合じゃねえなッ!!)


 ガドヴェルトは自分のここまでの行動が戦略ミスだったと確信する。

 確かにヴァルナのスタミナも筋力も加速度的に限界に近付いている。ガードを織り交ぜつつ打倒を狙うのは理に適っていた。しかし、ガドヴェルトは理に則ってガードをしたのではない。「受けるとまずい」という警戒感が自然とガードを優先させ、間合いを開ける為に大振りの拳を制限してしまっていた。


 そうさせることで、結果的に今のようにヴァルナに付け入る隙を与えさせている。この鈍痛を伴う執拗な右脇腹への攻撃が、ガドヴェルトの逃げの行動を誘発させていたのだ。


(この俺に痛みを恐れさせる戦法があるとは、世界ってやつは広くて怖い!! それが最高に楽しい訳だが――いい加減勝負に出るかッ!!)


 痛みを恐れて消極的になるなど自分らしくない。

 ヴァルナに確実に勝つには、痛みを恐れてはならない。

 すなわち、取るべく手段はただ一つ。


「決めようぜ、この試合ッ!! どっちかがブッ倒れるまで殴り合いだぁぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!!」

「上等だクソ筋肉達磨ぁぁあぁぁぁーーーーッ!!!」


 ガドヴェルトの全身から黄金の闘気が噴出する。

 ヴァルナの全身から蒼い闘気が迸る。


 二人の漢の拳が乱れ飛び、目にも止まらぬ必殺の応酬が荒れ狂った。


「ウララララララララララララララララララララッッ!!!」

「負ッ、けッ、るッ、かッ、この野郎ぉぉぉおおッッ!!!」


 拳と拳が激突する度にステージを通して観客席まで衝撃が伝わる。

 畳みかけるように次々に放たれる拳と拳の激突はやがてステージの衝撃吸収機能の限界を超え、ステージ全体に亀裂を生じさせて尚止まらず、やがてコロセウム・クルーズという巨大な船舶そのものが海に波紋を生じさせるほどの激震となって世界を揺るがす。


 空の雲さえ余波で消し飛ばさん程の気迫が荒れ狂う魂と魂のぶつかり合いの中で、しかし拳は時折相手の拳ではなく体に衝突する。


 ヴァルナの脇腹にガドヴェルトの拳が当たる。


「ゴホォ……ぐ、オオオオオオオオッ!!!」


 その度に、ヴァルナは自分の足が砕けるのではないかと思う程の威力で地面を蹴り、衝撃で体が飛ばないよう堪えた。肉体がバラバラに引き裂かれたのではないかと思う激痛が四肢を襲うが、拳は握れた。


 今度はガドヴェルトの脇腹に、ヴァルナの拳が当たる。


「ふぬぅッッ!! か……あああああああああッ!!!」


 拳は直撃を免れたが、既に幾度となく脇腹を殴られたガドヴェルトにはそれが鳩尾を十発近く打ち抜かれたような苦痛に感じる。横隔膜が絶叫し、もう動きたくないと泣き叫んでいるかのような激痛だった。呼吸が間に合わず、次第に視界が白い靄に包まれていくが、歯を食いしばって耐える。


『両者極限状態ぃぃぃーーーーーッ!!! このステージに最後まで立っていた者が勝者となる筋肉の頂上決戦も最終局面かッ!! 未だかつてここまで闘技場の王者を苦悶させた者はいませんが、そのヴァルナ選手も幾度となく巨大な拳を受け止め満身創痍ッ!! 先に倒れるのは、どっちだぁぁぁぁーーーーーーーーッ!!!』


 ガドヴェルトは、次の一撃が決まらなければ負けると確信した。

 同時に、ヴァルナも最早その一撃を防ぐ余力がない事を感じていた。


 勝負は一瞬。

 互いに、次の一撃に勝負を懸ける。


 本当ならばこの一撃、究極のものにしたかった。

 しかしヴァルナの戦略に嵌ったガドヴェルトに『破山掌』を放つ余力など残されていない。あの一撃を放つために練る氣が、ヴァルナの最後の一撃に間に合わない。だからこそ、ガドヴェルトは――。


(そんな理屈、関係ねぇ)


 気力と闘気を振り絞り、『破山掌』を超えるつもりで――最後の一撃を振り翳した。ヴァルナが地を這うほど低い位置に潜り込んで拳を振るうより早く、窮地に於いてこそ迸る底力が拳を作る。


 受け取れ、『鬼豚屠殺職人オークスレイヤー』ヴァルナよ。

 これが『初代武闘王ビギニングオデッセイ』が繰り出す究極だ。


 天よ、世界八方に鐘楼の如く響き渡る我が拳に驚嘆せよ。


「破ッ!! 山ッ!! 槌ッッ!!!!」


 ――それは、山を貫くような轟音と爆風を以てして、ヴァルナに殺到した。




 ◆ ◇




 朦朧とする意識の中、俺は空の青さを漸く頭で認識した。


 天と地を覆された気分だ。自分が大地にちゃんといるのか不安になる程に体の感覚が曖昧で、重い。いつもの調子でベッドから起きるように体を起こそうとするが動かず、手元の瓦礫が少し傾いただけだった。


 瓦礫がある。ということは、ここは治療室ではない。

 そう思った瞬間、全身に激痛が奔ってむせ込む。


「ガハッ、ご、ぅ……ごほぉッ!!」


 びちゃ、と、口から何が出た。鉄臭く温かい液体――血だ。あれだけやられたのだ、折れた肋骨が肺や消化器官を傷つけたのかもしれない。吐血するなんて人生で初めての経験なのに、俺は再び起きようとしていた。


 水中にいるような濁った音だが、会場に響き渡る声がある。


『 ―― スリー ―― フォー 』


 テンカウントだ、と気付く。

 対戦相手が倒れて立ち上がらない際、誰の目にも明らかなほど意識がない場合は審判の判定で勝者が決まるが、僅かでも意識があるとみられる場合はカウントが行われる。

 一から始まり十で終わる長めのカウントの間に倒れた相手が立ち上がれれば戦闘続行。逆に立ち上がれなかったり降参の意を示したらそこで試合が終了し、倒れた側の敗北が決定する。


 ということは、まだこの体はステージの上にある。

 そしてガドヴェルトはまだ立っているということだ。


『 ―― ファーイブ ―― シーックス! 』


(起きろ、起き上がれ起き上がれ起き上がれッ!! ここまでやっておいて、あれだけ周りに助けられておいて――ここで負けられるかッ!! 散々化け物扱いされた身体だろ! 動き、やがれぇぇぇ……ッ!!)


 口の奥から血を漏らしながら必死に呼吸を整えようと努力し、既に氣が完全に切れた肉体を生き延びた筋線維だけで動かそうと必死になる。しかし、どれだけ力を込めても頭と体がずれて上手く動かない。

 最後の一撃で脳が揺れたのだろう。

 それは気合ではどうにもならない。


『 ――セブーン! ――エーイト!!』


 カウントが十に迫っている。

 まさか、ここで終わるのか。

 自分は世界の誰にも負けないだなんて自惚れたことは考えていないが、今ここで立ち上がれないのでは何のために踏ん張ったのだ。ガドヴェルトにどぎつい攻撃を叩き込んで余所見の報いを受けさせようと決めたではないか。勝利して先に進み、アストラエやシアリーズと決着をつける役をあんな筋肉達磨に渡していいのか。


「ヴァルナぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!」

「夢見せてくれよぉぉぉぉーーーーーッ!!」

「ヴァルナさんッ!!」

「先輩、お願いします!! 立って!! あと、あと少しなのに……!!」

「立ちなさいよヴァルナッ!! アンタ最強の騎士なんでしょッ!?」

「僕を置いて勝手に先にリタイアなど、そんなつまらないことは認めないからなぁッ!!」


 聞き覚えのある声が届くのに、それに応えなければならないのに。


「ちく、しょぉおおおおおおーーーーーッ!!!」


 力を振り絞って叫びながら体を起こすが――体は完全に持ち上がらず、寝返り程度に終わった。時間は無情にも過ぎ去っていく。


『――ナイーン!! ――テーンッ!! ヴァルナ選手起き上がれませんッ!! 勝者は……勝者はやはり、この男ッ!! 激闘を凌ぎ、堂々とステージに二本の足でどっしり直立するのは『初代武闘王ビギニングオデッセイ』、ガド――ッ!!』


「その宣言、少々お待ちください」


 不意に、聞き覚えのある声が、クリアに聞こえるようになった耳に届く。

 もどかしいほど緩慢に体を起こしたヴァルナの目に、その人物はいた。


「チャン執事長……? なんでここに……」

「少々お届け物がございましてね。その話は後にしましょう――マナベル・ショコラ様。このテンカウントは無効にございます」

『え、いや。……えッ!! せ、『二代武闘王セカンドオデッセイ』チャン・バウレンッ!?』


 会場が困惑のどよめきに包まれる中、どこからステージに来たのかこのナイスミドルの執事は柔和な表情を崩さず、悠然と佇むガドヴェルトの前に行く。


「お久しぶりですね、ガドヴェルト様」

「……」

「はて、話しかけても返事がありませぬな。瞬きもない。そもそも視線が先ほどから一切動いておりません。勝利に欠かせない拳を突き上げての勝利宣言をする素振りすらない。彼は果たして――」


 駆け寄ってくる審判に確認を取るかのように、チャン執事は訊ねる。


「――本当に意識があるのでしょうか?」


 審判が光源を軽く目に近づけたり体を軽く叩いて大声で名前を確認するが、ガドヴェルトは瞼一つ動かす素振りがない。反対から回り込んできた別の審判がガドヴェルトの身体を見てぎょっと目を見開く。


「なんだこれはッ!? 右脇腹に靴の形の青痣があるぞッ!?」

「ま、まさか――チャンプが最後の拳を叩き込んだ瞬間にッ!?」

「ええ、カウンターで一撃をば……ヴァルナ様は足癖の悪いお方なので」


 会場が一瞬、凍り付く。


 立ってこそいるものの、カウントが始まった時点で既に意識がなかったガドヴェルト。そして吐血し地に伏しながらも体が辛うじて動き、意識のあるヴァルナ。すなわちカウントを始めること自体が錯誤であり、勝敗は既に決していた。


『――カウント撤回ッ!! カウント撤回ですッ!! 人類最強の男の拳が振り下ろされた瞬間にヴァルナ選手が決めたカウンターが、チャンプの意識を刈り取っていましたッ!! これだけやっておいて最後に決着をつけたのが蹴りだなんて、ヴァルナ選手!! アンタつくづく……やらかしすぎだぁぁぁぁ~~~~~ッ!! 勝者はぁッ!! ヴァルナァァァァァァーーーーーッ!!!』


 コロセウムクルーズが崩壊するのではないかと思う程の大歓声が響き渡る中、俺は安堵で体を完全にステージに預けた。


 最後の一撃を大地に対して水平に受けてしまうと確実に場外になるため、俺はどうしてもガドヴェルトが拳を下に振り下ろさなければいけない場所に潜り込む必要があった。

 しかし、そうなると仮にガドヴェルトに拳を叩き込んでも同時に打ち込まれる一撃で意識を刈り取られる可能性が非常に高い。意識だけは守るためにガードする必要があった。


 ガードをすれば手は使えないので攻撃できない。

 なら手じゃなくて足を使えばいい。


 瞬時にそう判断した俺は、ガドヴェルトが拳を振り下ろした瞬間に両手を頭を守るために構え、飛んで体を宙に浮かせ、ガドヴェルトの拳が命中すると同時に最後の一発、どぎつい蹴りが相手の肝臓に叩き込まれるように放ったのだ。


 ガードしたとしても意識を保てるかは賭けだったが、最後の殴り合いでステージが壊れ始めた際に、俺はステージ内にあるゴムのような衝撃吸収素材が剥き出しになっていることに気付いたため、これが少しでも衝撃を逸らしてくれることに懸けた。


 結果は予想以上が一つ、予想以下が一つ。


 ガドヴェルトの拳の威力で体が跳ねた際に強制的に腰と足が折りたたまれ、逆に蹴りの威力が増したのが予想以上。予想以下なのはガードと床の衝撃吸収素材を以てしても数秒は意識が飛んでしまっていたことだ。


 勝負のほぼ全てがアドリブか博打。

 ステージが特別製に変わっていなければ確実に意識はなかった。

 これだけは断言するが、もし運命の女神が何か一つでもこの戦いに至るまでの条件を取り換えていたら、絶対に勝つことは出来なかっただろう。本当に、ガドヴェルトは人類最強過ぎた。


「じ、人生で一番焦ったぁ……」


 その一言を呟いて体力を使い果たした俺は、意識を朦朧とさせながら治療室に運ばれていった。


 ――この試合はのちに「巨人殺しvsオーク殺し」という名の話として大陸に渡り、しばし吟遊詩人の飯の種として重宝されることになるのだが……それを知ったのは、ずいぶんと後のことだった。

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