第211話 SS:大きいからってどうかと思います

 オルクスは思った。

 何故自分はこんな目に遭っているのだろう、と。


「……大衆浴場のような安い場所で湯浴みを強いられ、コロセウムに借りた品のない服を借り、髪型を整える間もない。惨めだ……」


 おおよそ世間一般の人々からすれば「どこが?」と疑問符を浮かべることだが、生まれてこの方ずっと高貴な生活をしているオルクスからすれば惨めに感じるらしい。

 コロセウムを盛り上げたことで無料で貰った服だが、それに対して不満がありつつも何も言わずに受け取ったのは、もはや怒る体力が勿体なかったからだ。


 オルクスの脳内イメージでは全ての魔物に圧勝して華麗に優勝し、悠々とインタビューを受けてコロセウムを去るつもりだった。


 しかし初戦の魔物相手にいきなり苦戦してヴァルナから屈辱的なアドバイスを貰い、オークに囲まれたら得体の知れないが何となく高貴なオーラを放つ謎の仮面の男に助けられたのちにまた出てきたヴァルナにアドバイスされ、なんとかオークを超えたとおもった先に出てきたミノタウロスに色々とタガが外れてしまった。


 あの時、オルクスの頭の中にあったのは「死にたくない」という感情と、「死にたくなければ立って戦え」と叫んだ幼少期の剣術教師の声だけだった。


 今になってもオークに囲まれたときの恐怖を覚えているし、その後に出てきたミノタウロスの絶望感は忘れる事が出来ない。リタイアは恥なので選ばなかった、と同僚に言うのは簡単だが、実際の所は恐怖の余りあれが競技であることを忘却していた。


「全く優雅じゃない、全く秀麗じゃない……これが魔物と戦うということだと言うのか……というかヴァルナめ、一日二つの小大会に出た筈のあいつと今の私の差はなんだ!? アイツは体力も山猿か……!」


 現在のオルクスは見た目こそシャキシャキ歩いているが、それは貴族特有の見栄っ張りであり、実際にはかなりガタがきていた。少なくとも明日同じ運動量で戦えば近いうちに故障する程度には疲れている。


 これはむしろ初の魔物勝ち抜きバトルで十二戦を戦い抜いたオルクスが新人にしては大した物なのであり、訓練を毎日真面目にやってきたからこそである。本来なら出場選手の大半がこの疲れで魔物に敗北する。

 試合中は脳内に興奮する汁みたいなのがドバドバ発生していたから最後まで保ったとはいえ、試合後も一人で歩けるのは大したものである。


 あと、単純に比較対象が悪い。元々王立外来危険種対策騎士団の面々はハードな任務が多いためスタミナと持久力自慢なのに、その中でもヴァルナはスタミナの上限が多い少ないではなく「ヴァルナだから」である。形容詞ですらない。すなわち形容しがたい何かである。


「……いや、不平不満を言ってもしょうがない。あいつはあいつ、私は私だ。元より多少の恥は覚悟の上で出場した身、本懐を遂げる為に今は雌伏の時よ」


 オルクスにとって唯一幸いだったのは、自分より遥か高みに存在するクシュー団長と、その更に奥に座するヴァルナという理解しやすい力関係を知っていたことだろう。

 高慢でプライドの高い人間は不都合な現実を受け入れられない。そんな人種である彼にとって自分がヴァルナに戦士として劣るというのは、呑み込まなければ前に進めない事だった。


「セドナの心を射止める為に、必ず貴様を……ん?」


 独り言の多いオルクスだったが、そこでふと我に返り通り過ぎかけていた裏路地を見る。なにやらそこから騒ぎが聞こえたため、反射的に確認した。


 既に日が沈み始めており薄暗いが、目を凝らすと数名の荒くれ者といった風貌の男たちが女性を無理やり引っ張っているようだ。


「おら、抵抗すんじゃねえ!! お前が俺にぶつかったせいで剣が折れちまったんだ、その代金をそこの宿で払ってチャラにしてやろうってんだぞ!! それとも何か、てめえこのタタール・ブランドの剣の代金払えるってのかぁ!!」

「堪忍、堪忍してください!!」

「抵抗しねぇ方がいいぜぇ。兄貴は剣術大会で準優勝した実力者だ! それに、へへ……お前みたいな女、黙って見逃す程俺たちゃ枯れてねえのさ」

「見せつけるように震えやがってよぉ、ソッチの店で稼ぎするか?」

(……下種の平民と下賤な平民の諍いか。下らんものを見てしまった)


 恐らく大会参加者だったのであろう男たちはその女性を半ば無理やり宿に連れ込もうということらしい。普通の宿ならお断りだが、このルルズには非合法なあれこれを許可している未認可の宿も存在すると聞く。

 平民が平民の剣を折ってその代金を求められ、払えるものがないから体を売る。いかにも下民らしい発想だと思ったが、疲れていたオルクスは通り過ぎた。


 しかし、通り過ぎて三歩歩いたところで、オルクスの脳裏に突然謎のヴィジョンが浮かぶ。


『へー見捨てるんだぁ。平民だからって婦女子を?』


 頭の中に浮かぶのはヴァルナっぽい顔をした二頭身生物。というかデフォルメされたヴァルナだ。二頭身ヴァルナはオルクスの事をものすごく小馬鹿にした殴りたくなるような顔でヒュンヒュンと首だけ器用に動かして顔を揺らし、殴りたくなるウザさで絡んでくる。


『うわー前からクソだと思ってたけどマジでうわー。お前騎士だよね? この国の治安守る立場で国民を守る義務ある人間なんだけどもしかして知らなかったの? 馬鹿なの? 騎士やめとく? お前のへぼ剣術と頭でっかちな態度、今使わなくていつ使うの? 老後?』

(ええい、消えろ幻影!!)


 二頭身ヴァルナのイメージを振り払ってオルクスは更に一歩踏み出す。

 しかし、今度は二頭身のセドナがヴィジョンとして現れる。


『そっかぁ、オルクスくんそういう人だったんだぁ……セドナ悲しいな。私は毎日みんなの平和を守るために盾を掲げて悪と戦ってたのに、オルクス君はそれを手伝ってくれないんだね……』

(う、うう……!)


 セドナの所属する聖盾騎士団は治安維持のために犯罪者を取り締まるのも仕事の上だ。もしセドナがここに居れば、優しすぎるほど優しい彼女は間違いなく助けに入っただろう。そしてヴァルナも恐らくはそうなのだ。


『バイバイ、オルクスくん。私はこれからヴァルナくんと一緒に国民を守るよ。オルクスくんが国民のことどうでもいいと思ってるんなら、ここでお別れ。海外で頑張ってね……』

『まぁーーーそういうことだから! 君は遠慮なく平民を見捨ててくれたまえ! 見捨てるついでにセドナに見捨てられたオルクスくーーーん!!』


 だいぶヴァルナはそんなこと言わない感があるが、あくまでオルクスのヴィジョンなので彼の主観が多分に混ざっている二頭身ヴァルナは、悲しそうな瞳の二頭身セドナを連れてどこかに向かっていく。


(ま、待て! 待ってくれセドナ!! 誤解なんだ、私は――ええい、クソォ!!)


 オルクスは歯を食いしばり、後ろ向きに四歩戻って事件現場の路地に突入した。

 いくら疲れているといっても戦えないとは言っていない。

 それに今の光景、事実としてヴァルナに見られれば士道不覚悟と罵倒され、セドナはオルクスの差別的な行動に悲しむだろう。オルクスはヴァルナにだけは馬鹿にされる口実を与えたくないし、セドナにだけは失望されたくなかった。


「止まれ、そこな暴漢共!」

「あァん……?」


 三人の男たちがジロリとこちらを威圧的な視線で睨む。

 オルクスは思わず鼻で笑った。騎士団で指導してくれる先輩騎士たちの威圧感に比べるとそよ風以下。オークに囲まれた際は絶望しかけたが、この男たち相手なら囲まれてもどうとでも出来るという確信があった。


「話は少しばかり聞いたが、なまくらの剣が一本折れた程度でみっともなく喚くものよな? それともタタール・ブランドの剣は女子の手で折れるほどやわな剣なのか?」

「タタール・ブランドは切れ味がいい代わりにセンサイなんだよ、センサイ。この女がぶつかった所為でその繊細な部分が折れちまった」

「馬鹿馬鹿しい。女にぶつかった程度で折れたにも拘らず剣の質が良いというのなら、剣の手入れも出来ぬ盆暗の貴様の所為に他ならぬ。まったく下民はその程度の事すら理解できぬのだから……」


 もう少しマシな言い訳はなかったのか――そう思って男の顔をよく見れば、見覚えがある。あれはたしか、午前中の大会で……。


「ああ貴様、名前は憶えていないがとにかく貴様。確か剣術大会の決勝でロザリンド嬢に一撃で剣を破壊された盆暗剣士ではないか。なんだ、最初から折れていたとは恐れ入ったぞ」

「え……じ、じゃあうちにぶつかったから折れたて言うてたの、あれ嘘なんですか!?」


 捕まっていた女が驚きに顔を上げる。少々訛りのある喋り方だ。そもそもぶつかるだけで折れる剣などあるか、と叫びたくなる衝動を抑え、察しの悪い女に頷く。


「まったく、平民らしい幼稚で低俗な因縁の付け方よ。そら、これ以上の会話は無意味だ。下種な企みは諦めて女を放すんだな」

「ちぃっ、面倒臭ぇ!! おい剣借りっぞ!!」


 主犯格らしい男が仲間の男の剣を抜く。どうやら予備の武器さえ持ち合わせていなかったらしい男は、汚らしい口を開いて剣の刃を舌で舐める。潔癖なオルクスとしては直視したくない光景だ。


「へへ、そうなんだよ。俺ぁ準優勝の実力があんだよ! てめぇはどうやら貴族のボンボンか何かだろうが、勝負して痛い目見るのはテメェだぞ!!」

「……言葉が見つからないほど愚かだな」

「ああッ!? てめぇ、まさかそのうち誰かが助けに来るとか思ってんじゃねえだろうな!? コロセウムじゃ私闘はある程度は黙認されんだぜぇ、知らなかったのか!?」

「本当に、愚かだ」


 思わず憐れみの感情さえ浮かびそうなオルクスは目頭を指で押さえ、ため息をつく。


 帯刀している時点で彼は間違いなく外国人だろう。外国人も王国が許可した場合は護身用の帯刀を許される。コロセウム・クルーズの競技参加者は素手で戦う者を除いて全員が許可を得てる。彼もまたそうだろう。

 そしてコロセウム・クルーズ内ではそういった私闘が稀に発生することも知っている。きっと王国以外の多くの土地では私闘の範囲がクルーズ外にも広がっているのだろう。


 しかし、剣は護身用に『特別に許可してやっている』ものだ。そしてコロセウム・クルーズ内では確かに祭国の法が適用される治外法権が存在するが、『外ではその限りではない』という事を、彼は愚かにも理解しなかった。


「ここは我らが栄えある王国である。我は聖靴騎士団所属、オルクス・プールード・オーガスタである。然るに――貴様の婦女暴行も町中で剣を抜く行為も、我が裁量によって有罪か無罪か決まる」

「は、あ? て、てめぇが騎士……?」

「ああ、その意味は理解できるようで何よりだ。それで、貴様がその剣の切っ先をどこに向けるかで行き先が牢獄かどうか決まることも理解したか?」


 一瞬呆けた男たちだが、やがてゲラゲラと大笑いする。


「騎士だぁ!? もしかして王国の騎士団が強いとかいう噂を真に受けて俺らがへーこらひれ伏すと思ってハッタリかましてんじゃねえのかぁ!?」

「そうだなあ! さっきから剣とか全然抜かねえしよぉ!! 騎士なんて今時役に立たねえ錆びた鉄屑! 時代はとうに冒険者なんだよ!!」

「内心ブルって俺らに手ぇ出せねえんだ――」


 言葉が終わるより先、即座に抜刀されたオルクスの剣が主犯格の男の剣を横薙ぎに弾き飛ばした。カララン、と呆気なく足元に転がる剣とビリビリ震える自分の腕を見た男たちに、オルクスはありったけの威圧感を込めて言い放つ。


「王国騎士団を無礼なめるなよ、下種が。そっ首を切り落とされねば分からぬか?」

「ヒッ……ヒャアアアアアアアア!!」

「ちっ、悲鳴までかまびすしい……」


 男たちは、女の手を放して我先にと逃げ惑った。ただ、逃げた後に一人だけドタドタ走って戻ってきたと思ったら落ちた剣を拾っていく。剣一本で卑しい奴だ、と内心呆れる。そもそも、いくらオルクスが騎士で相手が暴漢でも問答無用で斬り殺せるほど王国法は野蛮ではない。


「あのようなハッタリで逃げるくらいなら最初から犯罪などに手を出すなというのに……うおっ!?」

「ほんまありがとうございますっ!!」


 振り返って解放された女性の安否を確認しようとした刹那、件の女性がそのままオルクスの胸に飛び込んできた。


「うち、うちもうダメやーって思って、オトンやオカンの顔がブワーって頭ん中過って……!!」


 ぼよん、と。

 彼女とオルクスの間に何か大きくて柔らかい二つの何かが潰れる感触があった。その未知の柔らかい感触に驚いたオルクスは思わず女性の肩を掴んで引き剥がす。


「き、気安いぞ貴様!」

「ふえ……あ、ああ! ほんますいません!! うちったらはしたないわぁ、初対面の男の人に抱き着いてまうなんて……でも、それくらい怖かって、助けてもろーたとき嬉しかったんです!!」


 えへへー、と見る者を若干不安にさせる弱そうな笑みを浮かべる女性は、女性にしては身長が高いがオルクスと年齢はそう変わらないように見えた。タレ目の瞳はどことなく頼りなく、おさげの髪型はどうも田舎者っぽい。

 しかし、それ以上にダイナマイツなインパクトのある身体的特徴に、オルクスは絶句した。


(でかい)


 でかい。

 何がどうとは言わないが、恐ろしくでかいのである。


 オルクスとてそれなりに女性と出会ってきた。

 梨サイズとか、小玉メロンサイズまでは見たことがある。

 それでもかなり大きいのだと思っていた。


 しかし、彼女のそれはもう立派なスイカである。


 道理であの男たちが下種な因縁をつける訳だ。

 多分彼らにとってもこのサイズは未知の領域だったのだ。

 しかし、オルクスの精神は大きさには屈しない。

 彼は純愛の人間、セドナと比較など当然しない。

 ちなみにセドナはグレープフルーツくらいの大きさだが関係ない。


「と、とにかく! どうせぼうっと歩いていてぶつかったのだろうが、これからあのような輩に出会わない時間帯と場所を使うのだな」

「はい、そらもう! 怖くて怖くて二度と絡まれとーないです!!」

「まったく何故私がこんな……もうそろそろ夜だ。女の一人歩きが危ない程度の認識はあるだろう。特別に送ってやる」

「はい! ……あ」


 ぱぁっとほほ笑んだ彼女は、はっと何かに気付く。そのわずかな動きで彼女のでかい二つのあれがゆるん、と揺れるがオルクスは全力で見なかったことにした。いくら目立つとはいってもそれをガン視するのは平民とか貴族に関係なく駄目なことだ。


「どうした。まさか私の厚意は受け取れぬか?」

「いえ、そのぉ……実は、お金なくて宿を追い出されたんです。うち、どうすればいいでしょー……?」

「ハァ!? 貴様、文無しか!?」

「田舎のおとんとおかんが王国に行けばお金稼げるからってなけなしのお金くれたんで、海を渡るまでは良かったんやど……船代で殆どなくなってもうたんです……」


 しょぼん、と落ち込む少女は涙に潤む瞳でオルクスを見つめる。


「うち、どこに行ったら男の人に襲われんと明日を迎えられるんでしょか……?」

「……」

「……いや、騎士様にこんなこと言うて、物乞いみたいでみっともないですよね。どこか、路地の隅っことか探して寝ます……」


 流石のオルクスも文無しの平民に金を恵んでやるほどお人好しではない。

 というか王国内で文無しの人間に出会ったのが初めてだ。


 一応、海外渡航歴の多いオルクスとしてはこういったときに気軽に金を渡してはいけないという教訓がある。王国と違って貧民の多い国は特に、一度金を渡すと際限なく押し寄せてくる。

 或いは貧乏人を装った詐欺師であることもある。一度本当にあったらしいのは、今のオルクスのようなシチュエーションで助けた女に金を渡したら、襲っていた男と女がグルだったというパターンである。


(しかし……この田舎っぽい娘がそこまで悪知恵が働くとは思えん。それどころか先ほどの男たちが再びこの女を狙ってやって来れば一たまりもなく金も体も奪われてしまうだろうな……いや、しかし――)


 見ず知らずの平民の娘を文無しで安全な場所に移動させるとなると、オルクスにはもう一つしか思い浮かばない。ただ、その見ず知らずの平民の娘にそこまでしてやる義理がない。

 ところが、否定の意見を頭に浮かび上がらせた瞬間、オルクスの脳裏に再び二頭身ヴァルナと二頭身セドナが待ってましたとばかりに現れた。


『おいおーい、ここで放り出すのか? 彼女頼りなさそうだぞ? また襲われるぞ? これって助けた事になるのかねぇーーー?』

『女の子が宿無しで彷徨ってて、オルクスくん目の前にいるのに助けないの? オルクスくんってそんな人だったん――』

「ああああああッ!! 分かった、分かった!!」


 もはやヤケクソになったオルクスは、物凄く本意ではないことを隠せない顔で彼女の手を取る。本来ならこの手を取る女性はセドナだけというぐらいの気分であり平民の娘など触りたくもないのだが、見捨ててセドナに嫌われたらと思うと握るしかない。


「娘! 名前は何だ!」

「ひぇ!? あ、アルエッタと……」

「いいかアルエッタ、今回だけだからな! お前の就職先が決まるまでの、上に立つ者としての慈悲以上の意味はないからな!」

「就職先が決まるまで……面倒見てくださるんですか?!」

「うるさい! お前をそのまま放っておくと私がわざわざ貴重な時間を使って助けてやった意味がなくなるだろうが!! 光栄に思い一生我が名をそのむ……心に刻め!!」


 タレ目気味の目尻に感涙の涙を溜めたアルエッタは、大きく頷いた。


「は……はい!! えと、えと……オルメス・プープード・ツングスカ様?」

「オルクスッ、プールードッ、オーガスタだッッ!! 着いてこい、私の宿泊する宿に案内する!!」


 一発はたいてやろうかと思ったオルクスだったが、先ほど胸に刻めと言おうとして「セクハラでは?」などと考え過ぎな煩悩によって言葉を言い換えた手前、怒りは引っ込めることにした。なお、頷いた拍子にまた揺れていた。何がとは言わないが。


 その日の夜、当然の如く先輩方に「お前、いくら大きいからって平民の娘に手を……」と言われてオルクスが必死に否定したのは余談である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る