第9話 冬ちゃんからの電話

 連休が3日目になると『こんな日がずっと続くといいなぁ』と毎回思っている。


 でもたいていは3日目で終わってしまうのでそう思いながら連休が終わってしまう。


 だけどGWはあと数日あるので少し普通の連休より余裕に感じる。


 でもあと数日で終わるから連休がもっと続いて欲しい!


「ミントちゃん。冬ちゃんから電話だよ」


「冬ちゃんから?」


 リビングで残り数日の連休について考えていたら、受話器を持ったお母さんから呼び出しがかかった。


 私は急いでお母さんから受話器を渡してもらった。


「もしもし冬ちゃん。どうしたの?」


『ミントちゃん。『願い事の館』って知ってる?』


「ううん。知らない」


 なんだか怪しい名前。


「そこはね、何でも願い事を叶えてくれる不思議な館って言われているんだって。うさんくさいでしょ」


「だね!」


『でもさぁ……気にならない?』


「……少しだけ」


『じゃあさ、今から一緒に行こうよ。路面電車乗って』


「今から!?」


 時間的には大丈夫だけど。


「もしかして電車賃無いとか?」


「それは大丈夫」


 連休前にお小遣いもらったし。


「よし! じゃあ駅で待ち合わせね」


「わかった」


「あ、でも親には館のこと言っちゃダメだよ。私と一緒に出かけてくるだけでいいから」


「もちろんだよ。じゃあ駅でね」


 私は受話器固定電話の本体に戻した。


「お母さん、冬ちゃんと出かけてくるね。路面電車に乗るから少し遅くなるかも」


「わかったわ。行ってらっしゃい」


「行ってきまーす」


 私は部屋に戻ってバックの中に財布があるか確認した後に靴下を履いて玄関に直行した。


 ライトはルルアさんと一緒に部屋にいる。


 友達と一緒に出かけるくらいなら離れても大丈夫だよね?


 毎日監視されるのは嫌だし。

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