2nd kiss-- どっちもどっち

 校舎の一番隅っこにある空き教室

 最近の私と佐藤さんの放課後を過ごす定位置

 今日も……


「んっ……今日……塩見さんの……濡れて……なかっ……た、あんっ……」

「んっ……いつも……してるわけじゃ……ないし……」

 そう言うだけで嬉しそう

 ホントにメンドくさいなぁ、佐藤さんって。


 そんなに他の女の子とするのがイヤなら、私の事ひっぱたけばいいのに。

 そんなに他の女の子とするのがイヤなら、認めちゃえばいいのに。

 私の事、好きだって……



 昼休み


 自販の横で缶コーヒーを飲んでると、珍しく佐藤さんが来た。

「飲む?」

 半分飲んだ缶コーヒーを佐藤さんに差し出す。

「……」

「微糖だよ?」

 黙って頷き、缶コーヒーを受け取り飲み始める佐藤さん

 一口飲んだ時、すごい嬉しそうな顔をする。


 ホントにメンドくさい子

 でも、これが佐藤さん


「今日は……誰かと……するの?」

「んー、最近のらなくってさぁ……」

「気が向いたら……またする……の?」

「うん、私、気持ちいい事が好きだし」

 あー、また怒ってる。

 でも、最近ちょっと悲しそうな顔するんだよね。

 メンドくさい事いっぱい考えてるんだろうなぁ?


 気持ちいい事、それだけでいいじゃん。

 認めちゃえばいいのに。

 私の事、好きだって……



 しばらく佐藤さんとしかエッチな事してない。

 私と佐藤さんは、放課後を少しの時間だけ過ごしてる。

 多分私の事を好きなんだと思うこのメンドくさい子と一緒にいるのは楽しい。



 ある日の放課後

 いつもの様に、パンツを履き替えっこ

 佐藤さんはもぞもぞと私のパンツを履く。

「塩見さん」

「ん?」

「今日……パンツ……冷たい……」

「あー、久々にサッチとした」

 怒っちゃうかな?怒るよねー……


 ばしっ!

 私、ビンタされたよ。

 あ、佐藤さん泣いちゃった。

 ボロボロ涙こぼれてるんですけど。


「なんで……やだよ……」

「だって気持ちいい事好きだし」

「やだよ……やだよ……」

「そこは佐藤さん関係ないじゃん」


 ばしっ!

 またビンタされたよ。

 痛ったぁ……


「佐藤さんてメンドくさいね、ホント」

 あ、また泣いちゃった。

「パンツ交換して触り合って感じちゃってる変態のくせに」

 泣きながら怒ってる、あーあ……

「肝心なこと言わない卑怯者だし」


 佐藤さんがブチ切れた。

 私は押し倒された。


「好きだよ!わかってる癖に!バカあっ!」


 押し倒されて、無理矢理唇を奪われた。

 パンツも無理矢理脱がされた。

 佐藤さんは泣きわめきながらお互いの大切な部分をこすり合わせてくる。

 必死な顔して、間接じゃないキスをしてくる。

 「バカ」と「大好き」を繰り返しながら……


 あーあ、佐藤さんってバカだよなあ……

 でも、何となくわかった。

 私もたいがいメンドくさいなぁ。

 わんわん泣きわめかせて、ひっぱたかせて

 ちゃんと私の事好きって言わせるために……



「落ち着いた?」

「うん……」

 床に2人で寝転んでる。


「佐藤さんって、名前『果梨かりん』でよかったよね?」

「うん……」

「私、『雪奈ゆきな』だよ、知ってた?」

「うん……」

「果梨……」

「雪奈……ちゃん……」


 私は苗字より甘酸っぱい佐藤さんの名前を呼んであげることにした。

 よく『好き』って言えたね、偉い偉い。


「雪奈ちゃん……大好き……」

「ふーん、そんなに私の事好きなんだぁ」

「うん……どうしていいかわかんないくらい……雪奈ちゃんが好き……」

 ちゃんと言えたから、ご褒美に思いっきり舌を絡めてキスしてあげた。


 蕩ける果梨を横目に身体を起こす。

 私はパンツを2つ持ち上げた。

「どっち履く?果梨」

「……」

 果梨は黙って私のパンツを取る。

 そこは私の取っちゃうんだ。

 ホントにメンドくさい子、でも果梨らしくて可愛いかな?



 私、果梨だけ見てあげるよ。

 直接キスもしてあげるよ。

 果梨だけ愛してあげるよ。


 メンドくさい果梨を、もっとぐちゃぐちゃにしてあげるよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る