第2話 脱出せよ!2人で 『ニーチェ部長とモモ』

依然 暗闇の中… 臭い、寒い… 早く出たい…


モモ「部長! 明日は社長とミーティングです」

蒼「やばいな…」

・ようやく気が付きましたかこの人間は…

この鉄格子の中で 天井のシミ を見ながら鼻をほじっている場合ではないことを!

私は25歳想定のヒューマノイド、モモ

目の前にいるボサボサ頭の上司の部長は18歳の人間男子で

気がつけば2人、六畳ほどの鉄格子部屋に閉じ込められておよそ3日目か?

何とかして帰らねば…



モモ「部長、ずっと考えてたのですが、ここは隔離病棟か何かでは…」

蒼「病院?」

モモ「履歴もなく、ここは通信不能で検索出来ないのであくまで想像です」

蒼「あ、オレも思い出した!」

モモ「え?」



蒼「真実の追求は、誰かが以前に信じていた全ての“真実”の疑いから始まる

(ニーチェ)」



モモ「 ( ;´Д`) ニーチェの方ですか…」

・部長はニーチェという哲学者の信奉しています。


蒼「この天井のシミをずっと見ているうちに、何かがこう広がって行くような気がして…」

モモ「部長、少しずつ前に進んでいるという感覚は、人間としてすごく大事。

と、昔イ◯ローさんていう有名なベースボールプレーヤーがいったそうです。前進が大事」

蒼「あ、そうそう、オレも前から思ってた!」

・いいや!思ってない!と、言いそうになったがぐっと抑えて天井を見あげるとその シミ がみるみる広がっていく


モモ「え! 部長、シッシミじゃない!?液体です!」

蒼「何の?」

・画像センサー起動、内蔵記録データより


モモ「消毒液? オキシドールか何かかもしれません、部長ライターあります?」

・さっきの爆破の衝撃で上の部屋の棚から落ちて瓶が割れたのかも


蒼「あるけど何?」

モモ「部長離れて!」

・ライターの火をつけ、広がるシミに向かって投げつけると爆発が起こった。

天井が崩れて穴があく…


モモ「*\(^o^)/* やった! 部長ここから出れますよ!」

・と、油断して思わず笑顔で誇らしげに手を差し伸べると、


蒼「モモ! 何だよ、明後日が良かったんだよ〜

(明日のミーティングに出れちゃうじゃない)」

・クッソ!マジでウザいガキだぜ…と思わずにはいられないがようやく出れます。



おしまい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る