死んだ魔女の顔彫刻は、魂を宿す

 死んだ魔女の彫刻は、魂を宿す。

 仕方の無い話だが、死を望んだ魔女は冥土の手土産として、顔半分の頭蓋骨を自分の望んでいた物に彫刻師に彫らせる。ある魔女は花、またある海に棲む魔女は自由に飛ぶ鳥のように。そして魔女の死後それらが動き回るのだから、魔女の館に誰も立ち入ることは許されない。

 しかし妙な話もある。ある魔女は、大昔に子供を死なせたことを最後までくいており、赤子を彫らせたのだそう。それから数ヵ月後に魔女の屋敷から赤子の声が、しかし数ヵ月後に少年、青年、数年後には老人の声が響きわたっている。

 今彼女の彫刻がどうなっているか、誰も知る由もない。

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