「花瓶」は息絶える際には硬い花弁を砕いて死ぬが
「花瓶」は息絶える際には硬い花弁を砕いて死ぬが、時折血のように赤い破片を流す者がいるという。
何故赤くなるかも分からない。時に「花瓶」の白花の破片は次の「花瓶」への引き継ぎとして用いるが、赤い破片を用いる家庭はいない。不吉として捨てられるからだ。
あるドイツの研究者が与えたところ、「花瓶」は酷く怯えていた。曰く「夜が来る」と。瓶の口を夜と、底を闇として、底なしの暗闇を本体とする彼らから興味深いことを言った。
なお、花瓶を抑え込んで摂取させたところ、それは死後青い生花を吐き出したらしい。それがどうなったかは分からない、与えた研究者もまた「夜が来た」と書き置きを残して行方不明になったらしい。
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