ジェイロ砂漠の南端に位置するアハト村では、

 ジェイロ砂漠の南端にある村では、夜に生まれた子は三日三晩外に出してはならない。

 何故なら夜には翼の生えた少女が上空に現れるらしい。少女の髪は昼の空のように澄み渡り、瞳は海よりも深い。それを目にした子供らは彼女を恵みと勘違いして、一人でに地を這い回り死んでしまう。

 そして朝昼も例外ではない。明るいうちは小さな子供を見つけるや否や、するどい鉤爪で攫ってしまうと言う。

 かつて息子を亡くした背教者A・Iはこう証言したらしい。「その鉤爪は夜よりも底なしの色をしている」と。


【備考】

Twitterのタグ企画で黒いもふもふ様【@kuroimohumohu】をキャラ化したSS(と言ってもよその子の影響がだいぶ強めだけども)

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