豊穣の地は、乾きを求めて幾星霜を降らせる

 豊穣の地は、乾きを求めて幾星霜を降らせる。そうして10年に1度、地上は焦土と成り果てるのだ。

 人は地下都市への安寧を余儀なくされるのだが、時々星拾い達は奇妙な物を見つける。

 それは乾いた星の中に混ざって真っ黒に濡れて、ときおり跳ねている。水のない地下ではそれはすぐに干からびて、やがて土になるらしい。

 都市長はこれを「洪水」と崇めたが、詳しいことはよく分かっていない。

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