文化地区ニジョウキョウには閉鎖されたままの無人駅がある

 文化地区ニジョウキョウには、閉鎖されたままの駅がある。

 セセラギを移動手段とする昨今では駅は使われないのだが、夜の雨の日には決まって人がいるため壊すことができない。

 だが誰一人としてその「人」の正体を知ることはないという。今年1月31日午後9時、その時も雨の中通りすがりの浮浪者が、人が横たわるベンチに座り、そのまま眠りについた。

  気がついたら浮浪者は竹藪の中で茣蓙を巻いて寝ていたそうな。

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