第4話 I have no clothes to wear!!




自家用車に乗り込んだ俺は己の小ささを感じる。いつもより車内が広い。



身長も縮んだのだろうか、制服の袖もダボダボになっている。

俺が落ち着かないうちに、車は家に着いた。


家に入ると、俺は洗面台に直行した。そう、自分の体をもう一度確認するためである。


鏡には、今朝学校で見たのと変わらない。超絶美少女がうつっていた。何より、金髪の髪が輝いている。


本当に自分なのだろうか?俺は手で顔を撫で回す。


ついでに大きすぎて邪魔だと思える程の胸も。すんごぅく柔らかいゾ。うん。至福だ。


俺はこれから毎日飽きずに揉みしだくだろう。

いつかの男女が入れ替わる映画の主人公の気持ちがよーく分かった。


一通り揉み終えると、俺は2階の自室へ向かった。すると、下から母親の声が聞こえた。


「吉ちゃ〜ん!美晴みはる帰ってきたら一緒に買い物行くからね〜。準備しといてー。」


美晴とは、俺の妹のことだ。年は二つ下で、中2だ。美晴は俺を見てどう思うのだろうか?


「分かったー。」


俺は事務連絡に返事すると部屋に入る。


「準備と言われてもな...」


もちろん、俺は女物の洋服など1着も持ってない。とりあえず制服のズボンとワイシャツを脱ぎ、下着姿になる。


下はともかく、上の下着ははち切れそうだ。


とりあえずお気に入りのズボンを履いてみたが、ダボダボすぎてまるっきりダメだ。

ベルトをすれば、履けないことはないが、かなり不格好だ。


上には普段部屋着で着ている大きめのTシャツを着てみた。これはなかなか行けそうだ。


しかしこのままだとTシャツにパンツという露出度の高い格好になってしまう。


俺はとりあえず母親に相談するために1階に向かう。


「母さん。着るものが無いんだけどどうしたらいいかな?」


「あぁ、それなら私が若い頃着てたやつ貸してあげるからちょっとまってて」


なんだ、最初から母に相談していればすぐに万事解決だったじゃないか。


数分後、母は下着を含めて1式全て持ってきてくれた。


「母さん、この下着は??...///」


「だってあんた履くもんないでしょ?そのままだと色々やばいから」


人生で母親の下着を履く日が来るなんて思ってなかったよ。


俺は部屋に戻って着替え始めた。

なるべく下を見ないようにパンツを履き替えてブラジャーをつける。

そして、人生初のスカートに足を通すと、夏らしい白のオフショルダーのトップスを着て完成だ。

俺は自分の恰好を確認するため1階へ向かう。俺の部屋には鏡がないのだ。


途中で、父とすれ違ったが、父は俺のことを幽霊を見るような目で見てくる。まだ受け入れられていないようだ。まぁ無理もないだろう。


俺は洗面台の鏡に自分の姿をうつす。


整った顔が、服装も整えた事で、さらに際立って美しい。言葉も出ない程だ。


何この美少女!?付き合いたいんだけども!?あ...自分でした。はい。

これ以上の自過剰はキモイので気をつけます。


上機嫌にくるりと一回転した俺は、母親に見てもらおうとキッチンへ向かう。その時だった。


「ピンポーン」


家のインターホンが鳴り響いた。妹が帰ってきたようだ。俺はいつもようにインターホンに出て、


「空いてるぞ〜」


と言い玄関に向かう。

程なくして玄関の扉が開いた。


「おかえり!美晴」


「あなた、、誰ですか??」


妹は困惑した表情で言った。







あ、、、忘れてた。




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