第1話 Who are you??





無事、何事もなくフランス旅行から帰ってきた俺は、すっかり変なお祈りをした事なんて忘れていた。


それより、今日から二学期が始まる。


世間一般的に言えば嫌な日なのかもしれないが、帰宅部の俺にとっては、久々に友人に会える良い日なのである。


俺はいつもの様に制服を着て、やっとの思いで終わらせた宿題をかばんに詰めて家を出る。


駅までの道も、久々に歩くと何故か楽しいものだ。


そして、いつもの様に電車に乗る。


しかし、乗り換え駅の辺りから、妙に周りから視線を感じる。俺は慌てて社会の窓を確認するが、開いている様子もないので、気のせいだろうということで、気にせず学校の最寄り駅で降りた。そこからも周りの異様な視線は続いていた。歯に青のりでもついているのだろうか、そこからも俺は気にせず教室に向かった。教室の前まで来ると、


「ねぇ、あの子だれ?」


「え、転入生じゃない?新学期だし」


というようなモブ女子ABのようなの会話が俺に視線を向けた状態で話される。


俺が転入生?ありえない。みんな俺の事忘れてるパターンこれ!?又はそういういじめか?いじめなのか?


もう良い、俺は気にせず自分の席に座る。


すると、俺の親友の伊藤 良平が目の前を通ったので、話しかけて見ることにした。良平とは幼稚園からの付き合いなので俺に気づかないはずがない。出会ったのは、年長位だったかな...?


「おい、良平」


すると、良平は少し顔を赤らめながら

「なんで僕の名前を?あと、その...そこは僕の親友の席なんだけど、何で座ってるのかな?」


「何故かって、俺がその桐生だからだけど?」


すると、良平は、は?というような顔をして言った。


「何言ってるの?それより君、転校生だよね?なんで女の子なのに男の制服を着ているのかな?」


「俺が女の子?そんな訳ねぇだろ。何を言ってるんだ良平は、頭おかしくなったのか?」



とは言いつつも、怖くなった俺は股間と胸に手をゆっくり近づけて行った。


すると、下にあるはずのものが無くて、上に無いはずのものがあった。


おい、、、ちょっと待てよ。


「良平!!お前に俺はどっちに見える?」


「どっちって、何が?」


「性別だよ、せいべつ!!」


「だから、君は女の子でしょ?」


その言葉。聞いた瞬間俺はトイレへ走り出した。そしてフランスでのあの一件を思い出した。


マジかよ神様、俺の事ほんとに女に...


トイレのドアを乱暴に開け、鏡を確認する。

そうすると、そこには眩いような長い金髪で、碧い目を持つ超絶美少女がうつっていた。おまけに胸は相当大きく、学ランがはち切れそうになっている。


その姿を見た瞬間、俺は絶叫した。



「お前、誰だよぉぉぉぉぉぉぉぉ????!!!!」

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